読書案内:文明の人口史

農耕以来の人口の増大圧力と崩壊の劇的な歴史を、大量の人口推計数値を用いて解説する本。地勢による人口圧力の違いがもたらす文化的な要素や、人口管理に用いられた堕胎・子殺しなどについてなどの話もあります。

七世紀ごろのイスラム世界、AD14年ごろのローマ帝国の諸国人口、漢民族や中世西ヨーロッパの人口の推移、などは序の口で、大陸・国家・都市の人口の数字が大量に出てきます。疫病による人口減少の破壊的威力には、震撼させられます。

大量の文献を二次・三次利用してのものですし、数字の信憑性はいまいちよくわからないところもありますが、世界設定での国別人口などを考えたい人には便利な品でしょう。なんせ、調べてもなかなか得られないような数字が大量にまとまっていますから。設定マニアは買いです。

書誌情報
新評論『文明の人口史 人類と環境との衝突、一万年史』湯浅赳男 ISBN4-7948-0429-6 本体価格3600円 四六判430ページ 1999年04月発行
語り部日報掲載日
2002/02/07
文責
sfこと古谷俊一
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