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江戸時代から現代にいたるまでの作品・日記などを紹介・引用・収録して、百物語の歴史から怪異への態度の変化など案内しています。
うんちくたっぷり、事例たっぷり。分厚いし読み応え十分です。
古い時代の事例については、実際の文章を現代語訳して紹介しており、たいへん便利です。ただ近年の分については短い紹介のみであり、そのあたりのガイドブックとしての網羅度には不満が残ります。これは百話でベタ構成という企画そのものの限界もあるとは思いますが。
百物語のあり方を把握して自分なりの百物語を実践したり、編んでみたりするのも良いかも知れません。
怪異を呼び込むための儀式としての百物語、幸福を願う儀式の変形としての百物語、肝試しとしての百物語、怪談愛好の会としての百物語。いろいろな形でこれまで行なわれ文章にまとめられてきた百物語は、はたいてこれからどのように展開されるのだろうか。そう考えてみるのも面白いかも。