TRPG.NET > 書籍情報 > 読書案内 > 2001年 > 07月 >
県民性と呼ばれるものに、歴史的な理由づけをして読み解く本です。盆地世界と呼んでいる「完結した一つの生活世界」単位での社会の特性を、自然環境や江戸時代を中心とした歴史上の統治・集団化の視点から考えています。
細かい論拠には怪しいところもありますし、統計的で相対的な違いを過大な違いとして信じ込んだりしないように気をつければ、色々と楽しめると思います。
各県の歴史的流れを、県民性によせて入門するには便利でしょう。ある時代の各県のことは知っていても、通史的に各県の歴史の流れを把握していることは少ないと思いますし。
TRPGや小説などで、人やものの流れがもっとゆるやかだった時代の人間について考えるうえでは、参考になるかも知れません。架空世界よりはずっと多様な現実の世界についての「地域ごとの人の違い」を書いているわけですから、世界を自作するうえで、国ごとの違いのヒントにするにも便利でしょう。