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古い城と城下町の地図がカラーで収録されています。徳川家光の時代に幕府が城持ち大名から提出させた、城と城下町の軍事用地図である正保城絵図の現存するすべて。および加賀前田家の軍学者有沢長貞の作成した諸国居城図の数点が収録されています。
正保城絵図については全体図と城の拡大図の二枚の写真に簡単な解説という構成で、66もの城と城下町について、その構造の概観を得られます。それぞれ地勢や必要性、流儀などにより異なった構成になっていて、見比べると興味深いですね。とくに城はともかく城下についての資料は見かけないので、貴重でしょう。
軍事用絵図であるため本来は長さなどが明記されているのですが、この本では紙面サイズの都合もあり、文字がほとんど読み取れないのが残念です。もともと城を重視して描いてあるため、城と城下の縮尺が一致していないので、そのあたりにも気をつける必要はあります。
現代の地図や詳細な情報と照らし合わせて、昔の城下町の景観を想像すると、なかなか楽しめます。日本風中世・近世ものなどの地図作りにも便利でしょう。