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龍とワニの関係を中心に、ワニの形態・食性・人とのかかわり方などについても加えた、ワニについての雑学本です。ワニについての網羅的で整理された情報が得られるわけではありませんが、ワニ、そしてドラゴンや恐竜にたいする認識を新たにすることができると思います。
龍がワニのことであるという論証回りは一番力が入っています。龍・蛟・鰐がどれも温帯性の絶滅種であるマチカネワニを指すとか。気候変動により生活圏が変化して忘れられると神格化され、再発見されるたびに新しい漢字が用意されたとか、なるほどという感があります。
ワニは口を閉じても歯が外から見える構造だが、恐竜には唇が必要で歯は口を閉じると見えないだろうとか。爪は鱗ある生き物に対しての武器としては役に立たないとか。長年の研究・観察・飼育から来る雑学は、たいへん面白く、新鮮でした。
架空の爬虫類を出すことを考える人などは、一読しておくと参考になるかと思います。