読書案内:中世のパン

主にフランスの資料を元にして、西欧の中世後期のパンの材料・製法・販売方法・価格、パン屋に関する法令・組織・都市における位置づけなどを解説た本です。

パンが主食であり、その提供が保証される必要のある社会というものは、我々のように家庭で料理しやすい米食の文化圏には実感しにくいものもあり、興味深いですね。パンは調理後の食品であるという性質から来る、統制価格で穀物の供給量や価格の変化に応じて「分量を減らす」という政策とか、法定通りの重量やないようであるか確認する制作テストなど、言われてみれば合理的です。

全体として体系的に整理されているわけではないものの、データも豊富で文章も比較的読みやすくなっています。用語や概念について順序良く解説されているわけではなく全体に散らばっているため、一度通読してから再読すると細部が理解しやすくなるでしょう。

新書判

書誌情報
白水Uブックス1076『中世のパン』著:フランソワーズ・デポルト/訳:見崎恵子 ISBN4-560-02866-4 税込価格1050円/本体価格1000円 新書判230ページ 2004年10月発売
文責
sfこと古谷俊一
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旧版

書誌情報
白水社『中世のパン』著:フランソワーズ・デポルト/訳:見崎恵子 ISBN4-560-02866-4 本体価格2400円 四六判230ページ 1992年07月発売
語り部日報掲載日
2001/05/27
文責
sfこと古谷俊一
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