TRPG.NET > 書籍情報 > 読書案内 > 2001年 > 04月 >
科学技術についての将来的に発展が期待される・計画されている・危惧されている興味深いトピックスについて、その発展の歴史と現在の研究段階、SFでの扱われかたと将来への展望について書かれた本です。
章題で内容を追いますと、宇宙科学(軌道エレベータやテラフォーミングなど)、医学(臓器培養や老化防止など)、生命科学(設計レベルからの人工生物や絶滅生物の復活など)、コンピュータ/ロボット工学(AIや微小ロボットなど)、情報/通信(ネットワーク社会の未来など)、エネルギー(各種のエネルギー獲得法)、環境(人口問題や気象制御など)、ファーアウト物理(慣性制御やワープなどの超技術のたぐいの可能性)、といった感じになっています。
SFと科学をいっぺんに、手広く概観できます。もちろん浅くひろくですから、詳細については別の本をということになるでしょう。しかし参考になる書籍が多数紹介されており、興味をもった人がさらに調べたりするのにも便利でしょうね。索引はないので、特定のキーワードについての情報がどこに載っているか、関連書籍は……という使い方には向きません。
ただまあ、短くまとめるために解説は最小限ですから、ある程度の基礎知識がないと理解しにくいような気はします。静止衛星や遺伝、進化や古典物理学など、現在も良く使われている科学技術についての、高校の理科程度の知識を持っている必要はあるのではないかなと思います。