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妖怪の研究者・作家による対談を本にしたものです。
いかにして妖怪にかかわる仕事をするようになったのか、妖怪についての誤解について、妖怪の発生と意義、いいかげんな妖怪書の実態とその由来、などの話題が中心だと思います。
なにごとにしても極めて商売にするくらいの入れ込み度ってのはこんなものなんだなと感心したり。
むろん妖怪についてのちょっとして興味深い知見も多く。たとえば、河童の類例としてひとまとめにされがちなヒョウスベやシバテンの本来の姿や。河童がなぜ河童と呼ばれるようになったのか、河童の現在知られている特性が新しいものである、などがありました。
また、妖怪がだじゃれや創作、誇張表現や比喩から派生するあたりの事例は、妖魔夜行などにも有用かと思います。
ちなみに、ところどころに京極夏彦の一ページ漫画が入っているのですが、これが有名な古めの漫画のパロディで。いろいろな画風をそれにらしくも写するのがうまいもんだと妙な感心をしてしまいました。さすが元グラフィックデザイナーというところでしょうか。多芸ですねぁ。