TRPG.NET > 書籍情報 > 読書案内 > 2000年 > 07月 >
アナール学派の、図像や死後の財産目録、その他の古文書などを中心として中世西欧の衣服にからんだ習慣について研究した論文を翻訳し、まとめた本です。
詳しくは知りませんが、アナール学派とはフランス発祥の社会史の研究をしてるひとたちのことらしく、より広い視野で人間の生活をとらえるという生活史のようなことを研究しているみたいですね。
子どもがなにを着たか、肌着・寝具はどのようなものか、仕事別の労働着、高級衣装とはどのようなものか、染色、ズボンを穿くことの意味、などなど、中世西欧の生活に密着した衣服のありかたについての知見が得られます。
論文なので整理された情報をまとめて得るとか、概観するという感じではありませんが、生活における衣服のありかたについての情報はれまで極度に少なかったと思いますので、いろいろと興味深く読めました。