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江戸時代後期の無宿、つまり戸籍から外れた人間たちについて、博徒や犯罪者以外の側面や、無宿が発生する社会的要因などについて分析した本です。
サイバーパンクRPGにおける非登録民や、ファンタジーRPGにおける冒険者や流浪民などを考えるうえで、いろいろと役にたつかと思います。とくに無宿の発生原因としての社会構造の変化などについて考察してみることは、荒れた社会に現実味を持たせるうえで考えてみるとおもしろそうです。
社会の枠から外れたうえに、暴力なども辞さない、いろいろな出自の人間が集まった集団ってのは、無宿の集団と似たようなものに思えますし。実際の無宿集団……博徒といわれるような集団も、農民・猟師・相撲取り・武士・医者などから公家などにいたるまで、さまざまな出自のものが、それぞれの能力や才覚を生かして参加していたとのことです。そういう切り口で考えてみると、いろいろと新しいネタがでて来るかもしれません。