TRPG.NET > 書籍情報 > 読書案内 > 1999年 > 06月 >
原著は1990年にアナポリスの Naval Institute Press から出版されたもの。軍民双方のウォーゲームの詳細な通史と、ゲームデザインと運用のためのノウハウが書かれています。
意思決定やゲーミング、ロールプレイング、シナリオなどについて、(軍事・ホビーの両方のウォーゲーミングや、ORに通暁した)最高レベルの専門家がどう把握しているのかというのは、なかなか興味深く読めました。
しかしウォーゲームの歴史や概念をみていると、前世紀のウォーゲームにおいてもTRPGでさかんに話題になっているような問題は話題になっているんですね。ルールの完備性とか現実性、ルールには記載されない状況の処理方法、ルールの複雑さと表現の正確さ、好みによる集団の細分化……。などなど。いろいろな意味で興味深く読めました。TRPGのデザイン趣味の人は読んでおいて損はないと思います。