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この本では、中国の古来の怪談について、一般的に知られている以外の多数の書物をもとに、登場する怪異によって整理して紹介しております。基本的には死者の肉体・魂の成れの果てと、生を得た物体(つくも神的なもの)とが原因となる話が多くなっています。ほかにも動物がらみの怪異などもあがっています。
一話一話が短く簡潔に整理されているために、非常に多数の話が紹介されておりまして、怪談と幽鬼などのパターンについて考える上で非常に有用です。中国古典ホラーものを考えるのでしたら、非常に便利な資料だと思います。
TRPGで直接利用するには、いささか弱い存在というか、あっけなく片付けられてしまうものも多かったりしますけど、ホラーものとして現代風に翻案すると良いかもしれません。
強さや動機づけをうまくいじれば、央華封神のシナリオフックとしても使えるかも知れません。死者の陰気が生者に……というものや、水死者が身代わりを作るために引きずり込むような話などなら、わりと使いやすいのではないかと思います。