読書案内:最強格闘技の科学

なにやらあやしげで人目を引くための題名となっておりますが、副題は「最新スポーツ・バイオメカニクスが教える強くなるコツ"強くなるコツ"」であります。内容的には副題が正しい……というわけでもなく、実際には衝撃力実験の計測結果と高速度撮影による体の動きの分析のほうが主体となっています。

ゲームデザインの参考や小説の描写用にと購入してみたものですが、なかなか興味深いものです。速度や運動量の定量的なデータ・図表がたくさん入っているあたりが、私好み。

内容的に面白かったものとしては、格闘技別の力の入れかたやスピードとパワーのバランスとか、一般人と訓練した人間の差異がどのあたりにあるのか、というあたりですか。(大相撲の力士って恐すぎ……)

あとは、蹴りのパワーがパンチの三倍だという誤解(誤解です……実際には大差ないようです)が腕と足それぞれの筋肉繊維の太さ、つまり筋肉の発生エネルギーの大きさが三倍ちがうことによるものだというあたりかな。実際には全身の筋肉の力をうまく伝えないと、ろくな攻撃にならないわけで、どちらも全身の運動を利用しているわけなんですね。

書誌情報
福昌堂『最強格闘技の科学』吉福康郎 ISBN4-89224-851-7 本体952円 1998年5月発売
語り部日報掲載日
1998/06/28
文責
sfこと古谷俊一
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