[KATARIBE 9997] Re:Re: HA06:EP: ねこの夢

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Date: Mon, 01 Jun 1998 20:28:42 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 9997] Re:Re: HA06:EP: ねこの夢 
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                こんにちは、いー・あーるです。
              皆さん、こんにちは。

猫化、たったか進めねば。

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>  花澄(猫)を抱えたまま、豊中はからからと引戸を開けた。
>
>  豊中  :「こんにちは」

  訪雪  :「はい、いらっしゃい……ああ、豊中君か。その猫は?」
  豊中  :「譲羽君は来てませんか?」
  譲羽  :「ぢい?」

  訪雪の背中の上に、小さな頭がぴょこりと飛び出す。

  譲羽  :「ぢいぢい?(豊中さん、ねこさん連れてきたの?)」

  猫の耳が、ぴくん、と動く。

  花澄  :(あ、やっぱりわからないのかな……)
  みかん:「ねこさん?」
  譲羽  :「ぢいっ」
  みかん:「みかんも、猫さん見たいのー」
  聞きなれた、子供の声がする。

  花澄  :(あれ?……あ)

  ひょっこりと飛び出した、愛らしい女の子の顔。見なれた、いつもの。
 ……だと、いうのに。

  花澄  :(こ、恐い……)
  豊中  :「(?……ああ)大丈夫です、花澄さん」

  腕の中の猫にかけた声に、譲羽が首を傾げる。

  譲羽  :「……ぢい?(花澄?)」
  花澄  :「みゃあ……(ゆず、わかる?)」

  ぱちくり。
  譲羽の目が、真ん丸になった。

  譲羽  :「ぢ……ぢいっ?!(花澄?!)ぢいぢいぢいっ?!(何で何でっ?!)」
  訪雪  :「どうしたんだねゆずさん(汗)」
  譲羽  :「ぢいぢいぢい〜〜(花澄、ねこさんになってるのお〜)」

  ぢたぢたぢた。
  足踏みしても、通じないものは通じない。

  みかん:「ゆずちゃん、どしたの?(心配)」
  譲羽  :「ぢいぢい(もう涙目)」
  花澄  :「……にゃあ(ゆず、泣かないで……)」
  
  うんと首を伸ばした花澄(猫)を、豊中は廊下に降ろしてやった。

  花澄  :「にぃ(大丈夫だから、ゆず……ね?)」

  手の無いのが、もどかしい。
  横から心配そうに覗いている少女から、無意識のうちに遠ざかろうとしている
自分が情けない。
  
  花澄  :「にゃあ(大丈夫。大丈夫だから)」

  とうとう座り込んでべそをかきだした木霊の少女に、白い猫が頭をすりよせる。

  訪雪  :「……どういうことかね、これは」

  四半刻後。

  前野  :「花澄さんが……猫ですか(汗)」
  訪雪  :「……そんなことが……あるものなのかねえ(汗)」
  花澄  :「みゅう(……すみません)」

  みかんから一番離れたところに座って、猫がしょんぼりと頭を下げる。
  松蔭堂に、譲羽を探しに来て。
  出来ることは……こうやって考えると、何もない。

  花澄  :(……却って、人様に心配ばかりかけて)

  滅入ってくると、自然思考は螺旋を描いて落ちてゆく。

  花澄  :(これじゃ駄目だわ)

  譲羽には言葉が通じるものの、譲羽から他に通じない為、やはりここでも
豊中に通訳を頼む格好になる。
  落ち込んでゆく思考を読まされる方は、堪ったものではあるまい。

  花澄  :「にゃあ(あの、すみません…ゆず、ちょっと外に行ってみようか)」
  譲羽  :「ぢい?」
  花澄  :「にい(屋根の上に、登ってみたいの)」
  譲羽  :「ぢ?」
  花澄  :「にゃあ(お昼寝してみたいな、あの上で)」

  片手をあげて、天井を示す。
  一見、招き猫に似た格好である。

  前野  :「天井に何か居ますか?」
  花澄  :「にゃあ(首横振り)……にい(すみません)」

  前肢をとん、と豊中の手の上に乗っけてから、一礼し、猫はとことこ
部屋を出ていった。

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……いかん、本人が滅入っていると、文章まで滅入るぞ(苦笑)
……これくらい滅入っても、まあ普通という気もするが(爆)
まあ、とりあえず、です。加筆訂正、どんどんお願いします。

では。

 
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  『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
 
          いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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