Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Thu, 14 May 1998 12:11:18 +0900
From: Aoi Hajime <aoi@ndc.cht.co.jp>
Subject: [KATARIBE 9833] [EP06]『 12月 25日 ― FLOWER SHOP Miko』（編集完了版）
Sender: owner-KATARIBE@teleway.ne.jp
To: KATARIBE@teleway.ne.jp
Message-Id: <9805140311.AA00007@black.ndc.cht.co.jp>
X-Mail-Count: 09833
こんにちはシェイドさん、他皆様。葵％遅筆だ（爆）です。
あう〜（汗）季節はずれが〜 でも完結させんと尊が枕元に立つんだよぉ（爆）
＃「あたしを風邪ひいたままほっとくのかっ！」って（笑）
＃先日の御柱祭Ｏｆｆで三高さんまで尊のファンだった事が判明（大汗）
＃三高さん曰く「ファンレター書いて持ってこようと思ったんですよ（笑）」
＃あぅ（＾＾；プレッシャーかけられてしまった〜（笑）
つーわけで季節はずれの編集版行ってみよう
***********************************************************************
『12月25日 ― FLOWER SHOP Miko』
================================
１２月２５日 夕刻。
２４日夜半から振り出した雪は、明けて２５日になっても止まなかった。
吹利には珍しく、積もるほどになった雪に子供たちがはしゃいで走り回る。
御影 ：（……さすがに冷えるな）
鉛色の空から降りてくる無数の冬の欠片をしばらく見つめていた御影は、指
先でサングラスを押し上げると、トレンチコートの襟を立て吹利駅前をゆっく
り歩き出す。
小脇にはドン・ペリニヨンの化粧箱。
ポケットには飾り気の無い、小さな紙袋に収められたプレゼント。
御影 ：（尊……喜んでくれるといいが）
カサリ、とポケットの中の紙袋を弄ぶ。
指先に細い鎖の感触が感じられ、何処かで六時半を告げる鐘が鳴った。
FLOWER SHOP Miko 二階
---------------------
ピンポーン。
御影 ：（おかしいな……）
しばらく待つが返事が無い。
御影の脳裏に昨日のパーティーの帰り道が浮かぶ。
☆☆☆☆
尊 ：「ふぅ……楽しかった（笑顔）」
なぜか途中からヒーローショーとなってしまったベーカリー楠のクリスマス
パーティー。
ドタバタの内に時は過ぎ、皆三々五々帰っていった。
御影 ：「そこまで送ろう」
尊 ：「（くすっ）すぐそこなのに？」
悪戯っぽく笑って御影を見上げるが、そのまま並んで歩き出す。
歩く尊の鼻先に白い冷たい物が落ちた。
尊 ：「あ……」
何時の間にか空を覆っていた雲から、白いものが一片、二片と降りてきた。
御影 ：「雪……か、どうも冷えると思った（苦笑）」
寒さに身を震わせ、肩に降りかかる雪を払う。
途切れる事の無い雪はすべての事物を飲み込み、閉ざす。
まるで刻よ止まれとばかりに。
尊 ：「積もりそうね（じっと空を見上げる）」
御影 ：「ああ、明日は大変だぞ（笑）」
FLOWER SHOP Miko の前で立ち止まる。
尊 ：「そうね（笑）じゃ……明日は六時半位に待ってます（にこ）」
御影 ：「取っときのドンペリがあるから、一本持って来るわ（笑）」
尊 ：「楽しみにしてます（にこ）」
☆☆☆☆
御影 ：（買い物にでも出かけてるのか？）
しかし、時計は六時半を過ぎている。
御影が来るのが解ってるのに家を開ける尊ではない。
と。ガチャリとドアが開いた。
Ｃｏｌｄ
--------
尊 ：「武史……さん？」
ドアが開き尊が顔を出す。
頬が桜色に染まり、目が潤む。
御影 ：「どうも（照）」
尊 ：「御料理、もうちょっとで終りますから、リビングで待っ
：ていて下さい（笑顔）」
御影 ：（……ん？）
促されて玄関に入るが……。
どうも、尊の様子がおかしい。
ふわふわと熱に浮かされたよう。
御影 ：「尊さん……どうかしたか？」
尊 ：「ん〜？（ふふっ）なに……が（よろっ）」
ぽて。
御影 ：「お、おい！尊さん（汗）」
ふわりと御影の腕に納まる尊。
思わず尊の額に当てた御影の手には、平熱より大分高い温度が感じられた。
御影 ：「熱があるじゃないか」
尊 ：「昨日おフロのあと、どんなごちそう作ろうかなって……
：お料理の本見てたら、湯冷めしちゃったみたい」
てへへ、と笑う尊。
御影 ：「笑ってる場合か！」
尊 ：「でも、大丈夫だから」
御影 ：「なに言ってる。こんなに熱があるのに」
尊 ：「でも、だって……せっかくのクリスマスなんだもの。ず
：っと楽しみにしてたのに」
御影 ：「だからって倒れるまで我慢するやつがあるか！」
尊 ：「このぐらい、平気よ。大丈夫、今夜一晩休めば……」
御影 ：「ダメだ。今すぐ休む」
ひょい、と尊を抱え上げ、運んで行こうとするが……
尊 ：「やっ」
御影 ：「嫌って……そんなフラフラで嫌も何も」
尊 ：「お料理、一生懸命作ったのに……ケーキだって、ちゃん
：と最初から作ったのに……」
じわ……と、尊の瞳に涙がにじむ。
御影 ：「……無茶はしないって、このあいだ約束したばかりだろ
：う？」
尊 ：「……だって、今夜は、武史さん来てくれるって、わかっ
：てたもの（にこっ）」
御影 ：「……そういうことじゃなくてだな……（照）」
そんなふうに言われると、やっぱりこの男でも嬉しいらしい。
御影 ：「と、とにかく……」
とにかく、どうした？
尊を抱き上げると奥の部屋に運んでいく。器用にノブをひねりドアを開け……
尊 ：「あああっ！ ちょ、ちょっと待ってぇ（わたたた）」
御影 ：「……うわぉ」
尊 ：「もぅ……待ってって言ってるのに（照）」
ベッド、本棚、窓際……そこかしこにヌイグルミ。あっちもこっちもヌイグ
ルミ。ヌイグルミ、ヌイグルミ、ヌイグルミ、……。
部屋の中央に鎮座ましますは『巨大クジラ』のヌイグルミ。そして……
尊 ：「……（照）」
御影 ：「……（照）」
フェルトのサングラスをかけ、名札をつけた巨大トトロ。
御影 ：「……（くっくっく）似てるか？」
尊 ：「えっと、そうじゃなくて……だからその、用心棒をやっ
：てもらってるの（でもちょっと似てるかも）」
御影 ：「ほぉ、そうか。しっかり仕事しろよ（笑）」
尊をベッドにおろすと、ぽふぽふとトトロにパンチをくれる御影だった。
御影 ：「さて……と、どうしたもんかな（思案）」
ベッドの上に座り込む尊の額に、もう一度手を当ててみる。
少し汗ばんだ額は、やはり大分熱かった。
まず滅多に風邪なんか引かない御影、対処法が解らない。
御影 ：「（時計を見て）この時間じゃ医者も閉まってるだろう
：し……まてよ」
何事か思い付いたのか、慌てて携帯をプッシュする。
御影 ：「……（電話中）……あ、御影ですが……しまった留守電
：か！」
かけた先は留守電だったらしく、伝言を入れ切る。
尊 ：「誰に？」
御影 ：「ん、小滝さんにだ、彼女なら薬湯くらい作れるかと思って
：な」
尊 ：「そ、そう、ユラちゃんのね（る、留守でよかった……）（汗）」
尊は、ユラの薬湯を飲んだことは無いが、以前豊中がユラの調合する薬を評した
のを聞いたことがある。
曰く。
『一撃必殺』と。
問題は『病気』と『本体』どちらが一撃必殺なのか聞き忘れた事だが。
御影 ：「いないなら仕方ないか」
尊 ：「武史さん、クリスマスぅ……」
ぢぃっと恨めし気に見上げる。
御影 ：「そんな目で見るなって（苦笑）わしも今夜は楽しみに
：してきたが……」
尊 ：「？」
御影 ：「こういうのはどうだ？」
そっと尊の耳元で耳打ちする御影。
一瞬、表情が引きつったが、やがてにっこり笑って肯いた。
御影 ：「メリー」
尊 ：「クリスマス」
チン。
小さく泡を上らせるシャンパンをたたえたグラスが澄んだ音を立てる。
御影はベッド脇の絨毯にあぐらを掻き、尊はベッドの上で。
尊 ：「でも、いいのかしら？。風邪引いてるのにお酒なんて
：飲んで（くすっ）」
御影 ：「多少ならな。良く眠れる」
尊 ：「でも、最初『ベッドでクリスマスってのはどうだ？』って
：言われた時は驚いちゃった（くすくす）」
ドン・ペリのグラス越しに笑いながら御影を見やる。
御影 ：「言い方が、不味かったか（笑）料理やケーキは今日でなくても
：食えるし、別に何処でやろうとクリスマスはクリスマスだ、
：それに……」
尊 ：「それに？」
御影 ：「たまには手に負えんお転婆娘のしおらしいところも見たい
：しな（笑）」
尊 ：「あ、ひっどーい（笑顔）」
御影 ：「とにかく、今日はわしがいる。ゆっくり休め（微笑）」
尊 ：「うん……治ったら、今日以上に美味しいの作るから（にこ）」
御影 ：「ああ、楽しみにしている」
それっきり、二人とも黙り込んでしまう。
尊 ：（そう言えば……武史さんとゆっくり二人っきりになるのって
：……夏以来）
御影 ：（そういや、ゆっくり二人っきりってのは夏以来……か）
心地よい沈黙。
ベッドのサイドテーブルに置かれたドン・ペリのボトルから手酌で自分のグラスに
注ぐ御影。
尊 ：「不思議」
御影 ：「ん？」
ふと見ると尊がベッド脇の窓から外を眺めている。
降り続く雪が窓からの明かりに照らされ、夜の闇の中に舞い踊る。
尊 ：「武史さんが来てくれたら、いっぱい話したい事あったのに……
：なんだか、何を話したらいいか解らなくなっちゃった」
御影 ：「いいさ、時間はいくらでもある。ゆっくり話せばいい」
尊のグラスにも注ぎ、自分のグラスの黄金の液体を飲み干す。
御影 ：「そうだ、わしからのプレゼントなんだが……忘れん内に
：渡しとこう……ちょっと向こう向いてくれるか？」
尊 ：「え？うん」
素直に背を向けた尊の細い首に、そっと銀のチェーンがかけられた。
尊 ：「……これ……（驚）」
首にかけられた鎖には少し大き目のシンプルな銀のリング。
御影 ：「その……なんだ……サイズ……がな、解らなかった
：んで（照）」
そっぽ向きながら頭を掻く御影。
確かに、指輪は尊の指には少し大きめだった。
尊 ：「嬉しい……あれ（涙）変……（ぐすっ）なんで泣いちゃう
：んだろ（泣）」
御影 ：「おおっと頼む、泣かんでくれ（笑）な？」
尊 ：「ありがとう…………武史さん（ぐすっ）」
指輪を握り締め涙目で見上げる。
御影 ：「そんなに喜ばれるとこっちが照れちまう（照）。
：さ、もう休め、な？」
尊 ：「まって、あたしも……その……プレゼントあるの（赤面）」
御影 ：「ほう、そいつぁ嬉しいな、一体何だ？」
予想してたとはいえ、本人から言われればそりゃー嬉しいだろう。
豊中や十辺りに今の顔を見られたら、一騒動起きそうな位相好を崩す。
尊 ：「内緒（くすくす）ね、あたしが良いって言うまで、ここに
：座って目をつぶって待っててください」
御影 ：「あ、ああ、それは構わんが……」
御影をベッドに座らせると、いそいそと綿入を羽織り部屋から出てゆく。
御影 ：「お、おい（汗）歩き回って大丈夫か？また熱が上がるぞ」
尊 ：「平気っ（にこ）」
薬師出撃
--------
で、場面は変わってグリーングラス。
なんとか実験が一段落ついて、へろへろ〜と帰りついたユラの姿があった。
白衣とバッグを適当に放り出し、ばったりベッドに倒れこむ。枕に顔をうず
めたまま手探りで留守電を再生させる。
御影（留守電）：『……実は尊さんが風邪を引いたらしくて熱がある。よく
：効く薬湯か何か、用意できないだろうか？ 忙しいところ
：すまんが、よろしくたのむ』
ユラ ：「（がばっ）……？ なんで御影さんが留守電…………っ
：て、あ（ぽむ） そーかぁ、クリスマスだもんねぇ。
： でも、そーすると……あたし、おジャマなんじゃないの
：かなぁ？」
とりあえず、悩むフリをしてみる。
当然、やる事は決まっているのだが（笑）。
ユラ ：「でも、あの二人からかうと、すっごく面白いのよねぇ……
：口実できた事だし、言ってみますか（くすっ）」
沈思黙考
--------
一人部屋に残された御影。
律義に目を閉じ、手探りでグラスの酒を煽る。
目を閉じているせいか、それとも酒のせいか、外の雪の音がやけに耳に付く。
普段聞こえるのは車の音、商店街の雑踏、通行人の話し声．．．。
だが、今は唯、雪と風の音。
騒がしい静寂。
御影 ：（ここだけ隔絶されたみたいだな……）
らしくない事を考える自分に苦笑がもれる。
ふと、瞼の裏に、風のように現れ風のように去っていったあの男の顔が浮かぶ。
御影 ：（……信吾よ、俺は約束を守れてるか？）
瞼の信吾は笑ったまま肩を竦めただけだった。
御影 ：「自分で考えろ……ってか」
御影は尊が見、戦う者、すなわち実体を持たぬ物に手出しができない。
尊と共に『仕事』に赴いた時、そのもどかしさに苛立ち、妖物を呼び出し使役して
いた術者を力任せに叩きのめした。
だがその時、尊は苛立つ御影にそっと言った。
『武史さんがあたしの後ろに居てくれさえすれば。
そうすればあたしは戦えます。
そう、あたしの帰る場所が有りさえすれば……。
そして、もし。
もし、又あたしが闇に囚われ堕ちそうになった時はあの時みたいに力尽くで
引き戻して……助けてください』
御影 ：（結局……やれることをやるしかないのか？）
ふわり。
御影 ：「っ！？」
突然首筋に柔らかく暖かい感触が巻き付いた。
Ｐｒｅｓｅｎｔ
--------------
御影 ：「尊さん？」
驚き目を開けると何時の間にか御影の隣に尊が座っていた。
御影の首には黒い毛糸のマフラーが巻かれている。
尊 ：「恐い顔して、なに……考えてたんですか？」
まっすぐ、御影の目を覗き込む。
御影 ：「いや、大した事じゃない（苦笑）」
もう一度目を閉じ軽く頭を振ると、脳裏の信吾がウィンクしたような気がした。
御影 ：（ったくあの野郎……（苦笑））
信吾の影を追い払い、首に巻かれたマフラーを手に取る。
御影 ：「これがプレゼント、か？」
太目の黒い毛糸で編まれた物で、ざっくりした網目のシックな物である。
だが、よく見ると所々網目が飛んだり、不揃いだったりする部分がある。
尊 ：「そ、その……あたしが……編んだんです（真っ赤）
：お店が終わってから編んだから時間が無くって、下手で
：恥ずかしいんですけど……」
御影 ：「いや、これだけの物を編むのは大変だったろう（笑）」
確かに、マフラーはいわゆる「御影サイズ」に輪をかけて長い物だった。
尊 ：「それがその……サイズと網目の数……間違えちゃって……
：長さが……（声が小さくなる）」
真っ赤になって俯いてしまう。
御影 ：「じゃぁこうすれば余らんだろ？（笑）」
ぐっと尊を引き寄せると余ったマフラーを尊に巻く。
尊 ：「あ（驚）」
驚いて頭一つ高い御影を見上げる。
サングラスを外し、まっすぐ自分を見つめる瞳と重なる。
尊 ：「武…史…さん…」
鼓動が高鳴り、全ての音が消える。
見えるのは穏やかに笑う御影だけ。
聞こえるのは、ただ御影の鼓動と自分の鼓動だけ。
尊 ：「武史さん……七夕の時の答……まだ……でしたよね」
声が掠れ、視界が滲む。
尊 ：「あたしも……好きです……」
御影の手が頤に掛かった時、尊にできる事は只、目を閉じることだけだった。
これがやっぱりお約束
--------------------
ぴぃんぽぉ〜ん〜と。
お邪魔極まり無い、あるいは、この微妙な間を救うチャイムがなり響いた。
御影 ：「こ、小滝さんかな？（汗）」
あらぬ方向を向いて喋る御影、声が若干裏返ってるのは御愛敬（笑）。
尊 ：「え、ええ多分……（真っ赤）」
同じように真っ赤になってあらぬ方向を見ている尊。
御影 ：「とりあえず見てくるわ」
そそくさと玄関に向かう御影。
「助かった」と言ったかどうかは不明である（笑）。
ユラ（ドア外） ：「ねぇ尊さーん、御影さーん、いるんでしょ？薬もってきた
：から開けて〜早くしないと凍えちゃうよぉ」
御影 ：「解った解った、今開ける（苦笑）」
ドアを開けると風と共に雪が吹き込む。
スルリとドアの隙間からユラが滑り込んだ。
ユラ ：「ひっどい雪（頭や肩の雪を払う）」
御影 ：「済まんな、忙しいところ。それにしても（ユラを眺める）」
頭から真っ白になるくらい雪をかぶっているユラ。
御影 ：「隣から来るだけでそんなに……外は相当の雪か」
ユラ ：「え？（焦）そ、そう、ね、うん、降ってる（汗）」
何故慌てる。
御影 ：「尊さんは部屋だ、だいぶ熱があるみたいなんで診てやってくれ」
ユラ ：「んー行っても良いの？御邪魔じゃない？（いぢわる笑い）」
御影 ：「……」
邪魔されたくは無いが、尊も心配である。
この微妙な『をとこ心』。
ユラ ：「冗談よ（笑）じゃ、あがらせて貰うわね」
御影の危険な気配（笑）を察知したユラは、すばやく上がり込んだ。
不治の病に付ける薬は
--------------------
ぴぴっ。
ユラ ：「んー（体温計を眺める）」
表示された数字は 28.7。
ユラ ：「だいぶあるなぁ、でもま、薬飲んでゆっくり寝てれば熱も
：下がるでしょ。
：とりあえず……」
くるりと振り返り、後ろで心配そうに眺めてる御影を見上げる。
ユラ ：「熱いお湯沸かして、タオルと一緒に持ってきて下さい、尊さんも
：汗かいて気持ち悪いでしょ？」
尊 ：「え、あたしは別に……」
ユラ ：「だーめ、さ、御影さん、さっさとお湯沸かしてくるっ！」
御影 ：「お、おい（汗）」
半ば強制的に御影を部屋から追い出してしまう。
尊 ：「ごめんね、ユラちゃん折角のクリスマスなのに」
ユラ ：「気にしない、気にしない、どうせ実験に追われてただけだし（笑）」
事実なところがちと寂しい（笑）。
ユラ ：「それより尊さん」
ぼふっと尊のベッドに並んで腰掛ける。
ユラ ：「（内緒話もーど）良い事教えてあ・げ・る。
：そのカーテン、閉めといた方がいいよ（くすくすっ）」
尊 ：「は？（きょとん）」
後ろを振り向くと、ベッド側の曇った窓。
確かにカーテンが開いている。
尊 ：「カーテンがどうか……し……た……。
：あああああああああああっ！？
：ま、まさか！ゆらちゃんっ！？（ぼふっ）」
ここに至ってやっと気づいたらしい。
ユラの部屋から尊の部屋に来る時は、この窓の下を通る事を。
尊 ：「……見た？……（顔面トマト状態）」
ユラ ：「大丈夫、窓曇ってたからシルエットだけちょこっと（笑）」
何が大丈夫かはさて置いて。
尊の頭からぶしゅ〜っと湯気があがり出す。
尊 ：「……」
ユラ ：「良かったね（にこ）」
尊 ：（黙って肯く）
御影爆沈
--------
御影 ：「……」
ドアの外ではお湯の入った洗面器を抱えた御影が途方に暮れていた（笑）。
明日の天気は晴れっ！
--------------------
ユラの薬が効いたのか、はたまた安心したのか、疲れたのか。
ぐっすり眠る尊。
玄関にて。
ユラ ：「じゃ、後お願いしますね」
御影 ：「後お願いします、ったって（困惑）」
ユラ ：「だいじょーぶ、だいじょーぶ、付いててあげれば明日には
：熱下がるから（笑）じゃ、あたしはこれで」
ドアを開けると外はまだ雪。
ユラがふと振り替える。
ユラ ：「明日。晴れるといいですね（にこ）」
御影 ：「ああそうだな、きっと晴れるさ（笑顔）」
外はまだ雪。
刻よ止まれとばかりに。
その雪が止んだとき、再び刻が流れはじめる。
蛇足
----
二日後。
御影 ：「ぶぇぇぇぇぇぇっくしょぉぃ！（大くしゃみ）」
尊 ：「（くすっ）おかゆ、作りますね」
尊が直るのと入れ替わりに御影が熱を出してブッ倒れたのは、それからキッチリ
二日後だったそうな。
やっぱり風邪は人にうつすと治るらしい（笑）。
Ｆｉｎ
*******************************************************************************
っだぁぁぁぁぁ（自爆）
自分で書いててはづい！はづいぞぉ（笑）
もぉツッコミでも何でも好きにして（笑）
と言う事で。でわでわ。
葵 一（ aoi@ndc.cht.co.jp )
------------------------------------------------------------------------
Hajime Aoi (Masaki Yajima) Nagano, Japan
E-Mail: aoi@ndc.cht.co.jp ／ yajima@cht.co.jp