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Date: Mon, 11 May 1998 20:22:38 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 9806] HA06:EP:「風性常住」
Sender: owner-KATARIBE@teleway.ne.jp
To: KATARIBE@teleway.ne.jp
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こんにちは、いー・あーるです。
皆さん、こんにちは。
何だか久しぶり、の日常EP。
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EP 「風性常住」
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緑がだんだん濃くなる。
緑の匂いが満ちてくる。
一年中で、一番良い季節らしい。
譲羽 :「ぢい(嬉々)」
狭い児童公園。錆びたぶらんこの鎖。
午前11時。
遠くを走る車の音以外、妙に人の気配が無い。
譲羽を膝に乗せて、ぶらんこを揺する。
しっかりとしがみついて、それでも木霊の少女は嬉しそうにしている。
微かに、風。
花澄 :「いい季節、ね」
譲羽 :「ぢいぢい(いっぱい葉っぱが出てきてるの)」
花澄 :「……ほんとね」
栃の樹の、大きな葉から、緑色の光が零れてくる。
音も無いほど微かに、その葉も揺れている。
花澄 :「……バタフライ効果(笑)」
譲羽 :「ぢ?」
北京で蝶が羽ばたけば、アメリカに風が吹くかもしれない。
風にことさら逆らい、立ち続けるよりは。
花澄 :「私から風を起こせばいい」
譲羽 :「……」
不思議そうに木霊の少女が見上げる。
微かに笑ったまま、花澄はぶらんこを漕ぎ続ける。
ふと、鎖に絡めていた手を外し、花澄は一度、空を薙いだ。
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この数日、ちとありまして。
風に逆らうか、風を己から起こすか。
そんなことを、考えています。
しかし、「風性常住」……でよかったかなあ……
どっかで読んだ記憶があるんだけどなあ……
何処で読んだんだっけなあ……(うろ覚えの最たるもの)
では。
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『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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