[KATARIBE 8235] HA14:EP:年の始め

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Mon, 05 Jan 1998 18:59:36 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 8235] HA14:EP:年の始め
Sender: owner-KATARIBE@teleway.ne.jp
To: KATARIBE@teleway.ne.jp
Message-Id: <9801050959.AA01087@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <9801050847.AA01086@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
X-Mail-Count: 08235

          こんにちは、いー・あーるです。

#今まで数日書き込めなかった + 明日からまた書き込めない。
#禁断症状が、先に出てきてるぞ(爆)

   昨日、絹製拘束服を半日着込む事と相成りまして。
  どんだけ苦しかったか(泣)

というわけで、野枝実に転嫁してやる(きっぱし)。

*********************************************
EP 「年の始め」
=================

  人間、誰にでも、「勝てない相手」がいるらしい。
  元旦の夜の電話が、いい例である。

  祖母   :『(電話で)野枝実ちゃん、今年帰ってこないんだって
         :お母さんから聞いたけどね、もし、少しでも暇なら、明日でも
         :ちょっとおばあちゃんのとこ、来ない?』
  野枝実 :「え……ええと(汗)」
  祖母   :『暇なら、でいいんだけどね。おせちも余ってるし、お墓参り
         :にも行っときたいからねえ…暇なら、で、いいんだけどね』

  ……完敗である。
  と言う訳で、二日の夕方。

  晃一   :『野枝実お姉ちゃん、まだ帰ってこないね』
  鬼李   :「まあ、もうすぐ戻ってくるよ」
  友久   :「……そう願いたい(まじ)」

  要するに……夕食の時間が近い。

  と。
  玄関のあたりの影から、すう、と人影が浮き上がる。

  野枝実 :「……ただいま」

  すこぶるつきの、機嫌の悪い声でそう言うと、野枝実は履き物を脱ぎ捨てた。

  晃一   :『……お姉ちゃん?』
  鬼李   :「成程な(しみじみ)」

  いつも伸ばしっぱなしか、後ろで乱暴に束ねているだけの髪は、丁寧に
  結い上げられている。

  野枝実 :「……成程な、どころの話か(不機嫌)」

  明るい碧の地に、紫の模様の着物。黄土色の帯。
  一歩間違えばえらく派手な組み合せなのだが、それが野枝実の栗色の髪に
  案外よく似合っている。
  ……但し、思いっきり柄にも無い。

  晃一   :『野枝実お姉ちゃん、その服、なあに?』
  野枝実 :「絹製拘束服(断言)」
  鬼李   :「またそういう出鱈目を教える…着物って言うんだよ。
         :ほら晃一、麻衣ちゃんが着ていた服に、似てるだろう?」
  晃一   :『……そう、かな?』

  そう言われてみれば、襟や袖の形が似ているような気もする。

  野枝実 :「出鱈目なもんか。歩けない、窮屈…何度転ぶかと思った」

  言いながら手近な椅子に座り込み、手に持っていた包みをテーブルの上に置くと、
 髪をまとめてあった紐を引っ張る。
  ばさっと髪が落ちた。

  友久   :「……一瞬芸、だな」
  鬼李   :「全く」
  野枝実 :「……何なら着てみるか?一瞬以上我慢できるかどうか」
  晃一   :『そんなに苦しいの?』
  野枝実 :「そりゃあもう」

  きっぱりとした返事に、晃一は暫し考え込む。
  麻衣も着物とやらを着ていた筈だが。

  晃一   :『麻衣ちゃん、嬉しそうだったけど…(考え込み)』
  野枝実 :「…試しに着てみる、晃一?(にっこり)」
  晃一   :『……いらない(汗)』
  鬼李   :「晃一を脅かすなって」
  野枝実 :「事実を言っただけ」

  素っ気無く言うと野枝実は椅子から立ち上がったが

  野枝実 :「あ、それ、今日の夕食分。おせち貰ってきた」

*********************************************

で、落とす。
まあ要するに、昨日半日、約12時間、着物を着る羽目になったと(爆)

  いー・ :「……野枝実はまだいいよ」
  野枝実 :「どこがっ!」
  いー・ :「あんた着付け、どうせ誰かにやってもらったんでしょうが。
         :私ゃ自分で着るしかなかったんだぞ」

着付けだけで半時間。
しんどいは、暑いは、動きが取れないは。
たかだか五分、車を動かすのさえ大変でした(;_;)

 ちなみに野枝実に着せた着物は、叔母のところで見てきたものです。

  いー・ :「大正浪漫って柄だったから。見ててこれは花澄より野枝実に
         :似合うかもって思ったのだよ」
  野枝実 :「……めーわくなこと考える奴だな」

加筆修正、等、お願いします > 久志さん

では。

 
…………………………………………………………………………………………
  『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
 
          いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
…………………………………………………………………………………………
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage