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Date: Mon, 05 Jan 1998 18:59:36 +0900
From: "E.N." <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 8235] HA14:EP:年の始め
Sender: owner-KATARIBE@teleway.ne.jp
To: KATARIBE@teleway.ne.jp
Message-Id: <9801050959.AA01087@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
In-Reply-To: <9801050847.AA01086@150.26.109.137.ss.ffpri.affrc.go.jp>
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こんにちは、いー・あーるです。
#今まで数日書き込めなかった + 明日からまた書き込めない。
#禁断症状が、先に出てきてるぞ(爆)
昨日、絹製拘束服を半日着込む事と相成りまして。
どんだけ苦しかったか(泣)
というわけで、野枝実に転嫁してやる(きっぱし)。
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EP 「年の始め」
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人間、誰にでも、「勝てない相手」がいるらしい。
元旦の夜の電話が、いい例である。
祖母 :『(電話で)野枝実ちゃん、今年帰ってこないんだって
:お母さんから聞いたけどね、もし、少しでも暇なら、明日でも
:ちょっとおばあちゃんのとこ、来ない?』
野枝実 :「え……ええと(汗)」
祖母 :『暇なら、でいいんだけどね。おせちも余ってるし、お墓参り
:にも行っときたいからねえ…暇なら、で、いいんだけどね』
……完敗である。
と言う訳で、二日の夕方。
晃一 :『野枝実お姉ちゃん、まだ帰ってこないね』
鬼李 :「まあ、もうすぐ戻ってくるよ」
友久 :「……そう願いたい(まじ)」
要するに……夕食の時間が近い。
と。
玄関のあたりの影から、すう、と人影が浮き上がる。
野枝実 :「……ただいま」
すこぶるつきの、機嫌の悪い声でそう言うと、野枝実は履き物を脱ぎ捨てた。
晃一 :『……お姉ちゃん?』
鬼李 :「成程な(しみじみ)」
いつも伸ばしっぱなしか、後ろで乱暴に束ねているだけの髪は、丁寧に
結い上げられている。
野枝実 :「……成程な、どころの話か(不機嫌)」
明るい碧の地に、紫の模様の着物。黄土色の帯。
一歩間違えばえらく派手な組み合せなのだが、それが野枝実の栗色の髪に
案外よく似合っている。
……但し、思いっきり柄にも無い。
晃一 :『野枝実お姉ちゃん、その服、なあに?』
野枝実 :「絹製拘束服(断言)」
鬼李 :「またそういう出鱈目を教える…着物って言うんだよ。
:ほら晃一、麻衣ちゃんが着ていた服に、似てるだろう?」
晃一 :『……そう、かな?』
そう言われてみれば、襟や袖の形が似ているような気もする。
野枝実 :「出鱈目なもんか。歩けない、窮屈…何度転ぶかと思った」
言いながら手近な椅子に座り込み、手に持っていた包みをテーブルの上に置くと、
髪をまとめてあった紐を引っ張る。
ばさっと髪が落ちた。
友久 :「……一瞬芸、だな」
鬼李 :「全く」
野枝実 :「……何なら着てみるか?一瞬以上我慢できるかどうか」
晃一 :『そんなに苦しいの?』
野枝実 :「そりゃあもう」
きっぱりとした返事に、晃一は暫し考え込む。
麻衣も着物とやらを着ていた筈だが。
晃一 :『麻衣ちゃん、嬉しそうだったけど…(考え込み)』
野枝実 :「…試しに着てみる、晃一?(にっこり)」
晃一 :『……いらない(汗)』
鬼李 :「晃一を脅かすなって」
野枝実 :「事実を言っただけ」
素っ気無く言うと野枝実は椅子から立ち上がったが
野枝実 :「あ、それ、今日の夕食分。おせち貰ってきた」
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で、落とす。
まあ要するに、昨日半日、約12時間、着物を着る羽目になったと(爆)
いー・ :「……野枝実はまだいいよ」
野枝実 :「どこがっ!」
いー・ :「あんた着付け、どうせ誰かにやってもらったんでしょうが。
:私ゃ自分で着るしかなかったんだぞ」
着付けだけで半時間。
しんどいは、暑いは、動きが取れないは。
たかだか五分、車を動かすのさえ大変でした(;_;)
ちなみに野枝実に着せた着物は、叔母のところで見てきたものです。
いー・ :「大正浪漫って柄だったから。見ててこれは花澄より野枝実に
:似合うかもって思ったのだよ」
野枝実 :「……めーわくなこと考える奴だな」
加筆修正、等、お願いします > 久志さん
では。
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『Hitch your wagon to the Star in Heaven』
いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)
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