[KATARIBE 25137] [HA06P] エピソード:『落ち葉と猫』(完全版)

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Date: Sat, 16 Nov 2002 11:22:53 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25137] [HA06P] エピソード:『落ち葉と猫』(完全版)
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。
エピソードの台詞修正完了、送信します。
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エピソード『落ち葉と猫』
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登場人物
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 榎愛菜美(えのき・まなみ)
  :アンドロイド少女。忘れてるかもしれないけど猫猫団員。
 月(つき)
  :猫猫団最高幹部。食いしん坊猫を殺す。
 苑(えん)
  :猫猫団首領で月の兄。月の暴走に日々頭を悩ませている。


作戦名『Yaki-Imo』
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 無道邸のとある一室。野球部の活動がひと段落して、久々に無道邸に遊びに
来た愛菜美が、窓の外を見て感嘆の声を上げる。

 愛菜美    :「うわぁ、落ち葉が色づいてきれいだなぁ」

 色づいた木の葉が地面いっぱいに落ちていて、まるで絨毯のように庭を彩っ
ている。なかなか見事な光景だ。と、そこへ。

 月      :「おお、愛菜美ではないか。最近顔を見なかったが、何を
        :していた?」
 愛菜美    :「うん、野球部が秋の大会で忙しくてね」
 月      :「大会だと!? 世界征服と大会、どっちの方が大切だと思
        :っているんだ!!」
 愛菜美    :「大会」

 即答する愛菜美。

 月      :「むぐぐ……まぁ良い。今日貴君を呼んだのは他でもな
         :い」
 愛菜美    :「呼ばれてないって、私が勝手に来たんだよ」
 月      :「そんなの知らん……窓の外に大量の落ち葉があるであろ
        :う」
 愛菜美    :「まあ、見ればわかるよ」
 月      :「そうか。では作戦開始だ」
 愛菜美    :「は?」
 月      :「むぅ、勘の鈍い奴だ。コードネーム『焼き芋』と言えば
        ;わかるだろう。あれらを燃やして芋を焼け!」
 愛菜美    :「まあ、いいけどね」


作戦開始
--------
 そんなやり取りを経て、庭に出た月と愛菜美。すると、どこからか戦闘猫が
現れ、竹箒を取り出した。

 月      :「うむ、ご苦労。では、作戦開始だ」
 愛菜美    :「月ちゃんの分の箒がないみたいだけど?」
 月      :「私は総司令だから前線に立つことはないのだ」
 愛菜美    :「あっそ……」

 仕方なく、半ばあきらめの表情で箒を取る愛菜美だが……

 苑      :「大ばか者!!」
 SE      :バチコーン
 月      :「ぐはっ」

 苑のハリセンが月にクリーンヒットする。

 月      :「うぐぐ……相変わらずきついツッコミだな」
 苑      :「そういう貴様は相変わらずの大ばか者だ。つまみ食いの
        :罰で賜った庭掃除を他人に押し付ける奴があるか! 榎殿、
        :申し訳ない」
 愛菜美    :「まあいいよ。みんなで掃除しよう、そうすれば早く終わ
        :るよ」

 結局、戦闘猫に愛菜美、月と苑もみんなで落ち葉集めをすることにした。


お楽しみの時間
--------------
 やがて、すべての落ち葉が一箇所に集まり、お楽しみの「焼き芋タイム」が
やってきた。

 月      :「では、私自らが点火の儀式を行おう」
 苑      :「……ちょっと待て、それは何だ」
 月      :「これか?これは爆弾猫から借りた点火器具だ」
 苑      :「……不許可である。これは預かっておく」
 月      :「む、何故だ!?」
 愛菜美    :「何故もヘチマもないと思うよ、見るからに怪しいもん…
        :…」

 もし実際に使用していたら、今頃無道邸は消し炭になっていたかもしれない。
結局、愛菜美がマッチで普通に火をつけた。やがて、芋がいい具合に焼けてき
た。

 愛菜美    :「いただきまーす……うん、おいしい〜」
 月      :「うむ、作戦は大成功だ」
 苑      :「うん、これは美味い」

 芋は次々と消えていく。

 月      :「良き哉、良き哉」
 愛菜美    :「でも、あまり食べると、また太っちゃうよ」
 月      :「そんなん知らん。愛菜美だってかなり喰っとるではない
        :か」
 愛菜美    :「私はアンドロイドだから太らないもーん」
 苑      :「また山葵猫としばらく同居するか?」
 月      :「くっ……」

 平和な秋の昼下がりであった。

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Motofumi Okoshi

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