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Date: Tue, 29 Oct 2002 00:44:47 +0900 (JST)
From: 月影れあな <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25046] [HA06P] エピソード『夢オチ』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200210281544.AAA01261@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 25046
2002年10月29日:00時44分47秒
Sub:[HA06P]エピソード『夢オチ』:
From:月影れあな
月影れあなです。
なんか、妙にハイテンションな時に書き始めたのでめちゃハイテンションな話
になってます。どうしよう、書いてよかったんかいなぁ
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エピソード『夢オチ』
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水凪龍樹 :何かと可哀相な人
六兎結夜 :怪人二十メーソン。そして明智ごじろう
十条健一郎 :汎用人形自動人形試作機、本名は十条健零郎。メカ
藤咲千緒 :火星女王。彼女についてはこの一言だけで事足りる
本文
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結夜 :「ああ、暇だなぁ」
龍樹 :「……家に帰れば?」
結夜 :「家のPCは父上に占拠されているのだ。ネットが使えない」
龍樹 :「あっそ」
言いながら龍樹も暇そうにカウンターでぼんやりしている。
龍樹 :「ところでさぁ、なんで室内でマント取らないの? 皺に
:なるでしょ」
結夜 :「知らんのか? つい昨日『国民全マント法』ってのが出
:来たのだぞ。マントを着ない奴は死刑だ」
龍樹 :「……あっそ」
平和である。室内にはムリムリと秋色の空気が重く沈んでいる。こういう日
にはぼんやりとハードロックでも聞きながら哲学的な命題について考えを先送
りにしたいものだ。
プシュ、ムィーと機械的な音を開けて入り口のエアロックが開いた。平たい
。カツカツと足音高く、中世ペルシア風の豪奢なドレスに身を包み、その上何
故か金のモール入りマントまで背負った藤咲千緒嬢が店内に入ってくる。
龍樹は絶句している。
龍樹 :「な、なにその格好」
千緒 :「あーラ、ムッシュ水凪。御知りになりません事?」
服装に合わせて喋り方も無駄に豪華になっている藤咲千緒嬢は、なにやら性
格まで違ってきているようだった。
千緒 :「昨日発効されたマントのマントによるマントのための国
:家治安維持法で、マントをつけない不逞な輩は火星の強制
:収容所送りにされる事が正式に決定しましたのよ。ほほほ」
龍樹 :「はっ?」
と、その時店の奥から黒いスーツに無理やり身を詰め込んだ蛸型火星人が二
人出現する。
火星人A :「ヂャ! ヂゥーヂヂィ(水凪龍樹! 国際マント文化保
:護規定違反により、貴様を火星収容所F局送りに処す」
龍樹 :「なっ!? ちょ、ちょっと!!」
龍樹 :「待って、千緒ちゃん!?」
千緒 :「ふっふっふ、お察しのとおり、私はスパイだったの」
龍樹 :「何のっ!?」
千緒 :「連れて行け!」
火星人B :「ヂゥア! (ラジャッ!)」
火星人たちは謎のビーム銃で龍樹を威嚇しつつ連行していった。結夜はそれ
をただ見守る事しか出来なかった。
結夜 :「やぁ、お赤飯を炊きませう」
龍樹の火星強制収容所での生活を思い浮かべる。火星御飯に火星ラーメン、
火星猫なんかに捕食されつつも夜は涙に咽びながらフォボスへ叫ぶ。「バカや
ろー、俺の火星ピラミッド1/60スケール返せェ!」明日はどっちだ。
結夜 :「これも一着のマントの所為……」
健一郎 :「そう言っていられるのも今のうちだ、結夜。いやさ、怪
:人二十メーソン!」
結夜 :「ふっ、何のことやら」
龍樹 :「ほんとに何のことやら」
「おっと、おかしいですねぇ。火星送りになったはずの龍樹さんが次のシーン
にはもう出ています」
「これはNGですね」
健一郎 :「気付いていなかったのか? 貴様の着ているそのマント
:の襟のところだ!!」
結夜 :「なにっ!?」
慌てて結夜は背を顧みる。4800¥
結夜 :「くっ……値札がついている」
龍樹 :「だから何……?」
健一郎 :「その程度の事を気付かずに、犯罪史上最悪最凶の怪盗が
:聞いて呆れる」
結夜 :「そういうお前こそ、間抜けな物だな」
健一郎 :「ナンダツテ!?」
結夜 :「お前が健一郎ではない事に私が気付いていないとでも思っ
:たのか!?」
健一郎 :「バカな……」
龍樹 :「バカだ……」
健一郎 :「何を根拠にそのような戯言を?」
結夜 :「何故なら! 貴様は標準語を喋っているじゃあないか!!」
健一郎 :「くぅっ! しまつたあ」
龍樹 :「ほんとバカだ……」
結夜 :「貴様、一体何者だ!?」
健一郎 :「ふっくっくっはっはっは、流石の明智君にも私が何者か
:は分からなかったと見える」
結夜 :「いや、私二十メーソン」
健一郎 :「そんなに知りたければ教えてやろう! 私が、そう私
:こそが汎用人形自動人形十条シリーズの試作機として作ら
:れた幻の機体『十条健零郎』である!」
といってかきあげた髪の下には『汎・零』の文字。
結夜 :「そうだったのかあ!」
龍樹 :「ああ、訳わかんねぇ(頭を抱える)」
? :「ふっはっはっはっはっはっはっは」
健零郎 :「むむ、何奴!?」
千緒 :「私だ!」
結夜 :「おお、意味不明の話の流れの中でいつの間にかなんだか
:よく分からなくなっていた藤咲千緒嬢ではないか!」
千緒 :「いかにも、我こそは火星女王藤咲千緒」
龍樹 :「スパイだったんじゃなかったのか?」
千緒 :「おだまり! 火星ビームッ!!」
龍樹 :「くあぁつ」
ついに現れた、最悪の二大怪人! はたして結夜はこの二人の脅威から帝都
を守り抜く事が出切るのか!? がんばれ結夜負けるな結夜、正義はここにあり
ぃ!!
…………
………
……
…
千緒 :「何やってんのん?」
結夜 :「いや、バイト中に居眠りこいてる不良バイト君に少々お
:灸を据えている所」
千緒 :「ほんならそれは何?」
と、千緒の指差す先には一冊のハードカバー。
『くらげにもかかる簡単催眠術の基本 〜応用編〜』
結夜 :「気にするな。気のせいだ」
千緒 :「あっそう……」
解説
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体育の日に書き始めたバカ作品。ファイル名は『バカ.txt』と実に簡潔。本
来なら冒頭部分に「ムキムキマッチョな体育の精」のくだりが在ったのだが、
キャラチャ中に使ってしまったネタなので敢え無く切り捨てた。
それにしても、こんなの書くのに三週間以上も費やしているのだからアホと
しか言いようがない。
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