[KATARIBE 25038] [HA06P] エピソード:『スラモン初出勤』(前編)

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Date: Sun, 13 Oct 2002 19:42:16 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25038] [HA06P] エピソード:『スラモン初出勤』(前編)
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。健一郎のアルバイトEPです。
少々長くなりそうなので、前後編に分けてお送りします。
台詞チェックよろしくお願い致します。
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エピソード『スラモン初出勤』
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登場人物
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 十条健一郎(じゅうじょう・けんいちろう)
  :スラモン新人アルバイト。高校生。本日初出勤。
 三月恵理(みつき・えり)
  :スラモンパートタイマー。ほとんど店長代理と言っても過言ではない。
 吉田善勝(よしだ・ぜんしょう)
  :スラモンアルバイト。あまり暇になると寝てしまうことも……。
 江崎ぐりこ(えざき・ぐりこ)
  :スラモンアルバイト。正体は堕天使。この名前も偽名である。


挨拶
----
 ある土曜日、午後2時45分。健一郎は、駅前のコンビニ、スラッシュモン
ジュの中に入っていった。期待と不安の入り混じる初バイトである。

 健一郎    :「う〜ん、こら緊張するわ」

 店内に入ると、カウンターに先輩となるアルバイトの吉田善勝が立っていた
……が、何か様子がおかしい。

 健一郎    :「吉田さん?」
 善勝     :「………」
 健一郎    :「吉田さん!!」

 健一郎の声で我に返る。どうやら眠りかかっていたらしい。

 善勝     :「……ああ、十条君か」
 健一郎    :「『ああ、十条君か』やないでしょ!仕事中でっせ、寝た
        :らあきまへんがな!」
 善勝     :「ああ、悪い悪い……ふあ〜」

 どちらが先輩だかわからないようなやり取りのあと、健一郎は奥の事務所に
入っていく。

 健一郎    :「こんにちは」
 恵理     :「こんにちは。うん、きっちり時間通りですね。それでは、
        :この制服に着替えてください」

 店から貸与される制服を受け取り、上着を脱いでそれを着る。脱いだ上着を
ロッカーにしまおうとしたとき、ものすごいものを見つけた。

 健一郎    :「店長さん、このひどいロッカー、どないしたんです
        :か?」
 恵理     :「ああ、それ?いや、ちょっとね……あ、それと、私は店
        :長じゃないんですよ」
 健一郎    :「え?店長やないんですか?」
 恵理     :「申し遅れました。パートタイマーの三月恵理といいます。
        :店長ではないけど、お店のいろいろなことを任されていま
        :す。これから、よろしくお願いします」
 健一郎    :「あ、よろしゅうお願いします」


初仕事
------
 制服を着て、「研修中」の名札をつけて、いよいよ売り場に出た健一郎。

 恵理     :「まずは、レジの使い方を説明しますね」

 各ボタンやタッチパネルの説明を真剣に聞く。健一郎は機械には強いほうな
ので、一回の説明で大体覚えてしまった。

 恵理     :「それじゃあ、レジをトレーニングモードにしておくから、
        :ちょっと練習してみてくださいね」

 言われたとおり、商品のバーコードを読み取っていく。

 SE      :ぴっ、ぴっ、ぴっ
 健一郎    :「こうですか?」
 恵理     :「そうそう。覚えるの早いわね。それじゃあ、通常モード
        :に戻しておくから、少しの間、レジお願いしますね。わか
        :らないことがあったら、私か他の店員の人に聞いてくださ
        :い」
 健一郎    :「わかりました」

 恵理は事務所に戻っていき、善勝は眠気防止のため(?)品出し作業をして
いる。挨拶の仕方や袋詰めの仕方は面接のときもらった資料に載っていた通り
にこなし、無難なまま1時間が経過した。そこへ。


先輩……?
----------
 ぐりこ    :「うーっす」
 健一郎    :「いらっしゃいませ〜」

 外見は中学生くらいの少女が店内に入ってきた。オレンジ色の髪と赤い眼が
非常に目立つ。

 ぐりこ    :「キミだね、新しく入ったバイト君は」
 健一郎    :「ああ、君は確か……」

 健一郎はもともとこの店の常連だったので、この少女が店員であるというこ
とを知っていた。話をするのは初めてだったが。

 ぐりこ    :「キミの先輩、江崎ぐりこ。よろしくね」
 健一郎    :「……なんかどっかの会社みたいな名前やね。俺は十条健
        :一郎言うねん。よろしゅうな」
 ぐりこ    :「こらこら、先輩にはもっと丁寧な言葉使うもんだぞ」
 健一郎    :「先輩言うたって、歳はそんなに変わらんのとちゃう
        :ん?」
 ぐりこ    :「何を言う、キミなんかよりもずーっと年上だよ」
 恵理     :「ずーっとって言っても、2つくらいでしょ?」

 つい話に夢中になってしまった二人の間に割って入る恵理。

 ぐりこ    :「あ、三月さん、うーっす」
 恵理     :「ぐりこちゃん、早く着替えて売り場に入らないと、遅刻
        :扱いになるわよ?十条君も、絶対禁止とは言わないけど、
        :なるべく勤務中の私語は控えてね」
 健一郎    :「あぁ、すみませんでした」
 ぐりこ    :「ひぃ、遅刻は勘弁」

 あわてて事務所へ向かうぐりこ。

 健一郎    :「あの人、ホンマに俺より年上なんでっか?」
 恵理     :「ぐりこちゃんは、今19歳だから、あなたより2つ年上
         :ね」
 健一郎    :「へぇ。ずっと高校生だと思っとりましたわ」

 ちなみに、この19歳というのも偽り。本当の年齢は誰も知らないのだ。


(続く)
$$
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ちなみに、勤務初日なので、1時間早く勤務に入ったという設定です。
自分の経験上、初出勤はピークを避けるため、通常のシフトよりも時間を
ずらすことがよくあるので。
(時間に不都合があれば、台詞チェックで変更してください)

motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi

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