[KATARIBE 25027] [HA06H] 街角で幽霊に出くわす:六兎結夜の場合

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Date: Wed, 9 Oct 2002 19:00:04 +0900 (JST)
From: 月影れあな  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25027] [HA06H] 街角で幽霊に出くわす:六兎結夜の場合
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200210091000.TAA33942@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 25027

2002年10月09日:19時00分04秒
Sub:[HA06H]街角で幽霊に出くわす:六兎結夜の場合:
From:月影れあな


 月影れあなです。

 前にも送ったけど、まぁふと思いついたので。
 まぁ、別に二個あってもいいよね

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どうする:街角で幽霊に出くわす

六兎結夜の場合
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 結夜     :「やぁ、幽霊の人だ」

 R・田中一郎風に言ってみたのだが、幽霊はにこりとも笑わなかった。

 結夜     :「ふん、冗談の分からん幽霊だ」
 幽霊     :「独り……いやだよ」

 福山美香、享年十五歳、死因は服毒自殺、今まで三人道連れにしている。そ
ういう事が何となく頭に浮かぶ。同類の吸血鬼の話によると、吸血鬼という存
在の中にはネクロマンシーの才能を持つ者も多いそうだ。私もそういうものら
しい。
 とは言っても、その才能を磨く気は今のところない。目指す路線が違うから
である。

 結夜     :「妄念だけが残ったか。哀れな……」
 幽霊     :「一緒に、来てよ。こっちに……」

 幽霊はこちらの話を聞いている様子はない。妄念だけの存在である。聞く余
裕もないのだろう。一思いに消してやるのが、昔生きていた福山美香嬢への慈
悲なのだろうが、しかし……

 結夜     :「あいにく、私には君という存在を断ち切った責任を背負
        :う覚悟などないのだよ」
 幽霊     :「私だけ……」
 結夜     :「同じなんだよ。君と同じ、私は永遠の生への道ずれを求
        :めている。一瞬の死と、永遠の生。一体どれほどの違いが
        :ある?」
 幽霊     :「独りは怖い、独りは……嫌」

 幽霊の手が私の身体にかかろうとして、弾かれる。元々、さほど強い霊では
ない。その程度の存在だ。

 結夜     :「どうせなら、君も孤独を楽しみたまえ」

 幽霊は動かない。私はその場を去った。
 次の日から、その幽霊を見ていない。だから、それがどうなったかも、もう
永遠に分からない。除霊されたか、成仏したか、それとも未だ現世を彷徨って
いるのか……

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