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Date: Tue, 8 Oct 2002 18:02:55 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25020] [HA06P] エピソード:『面接という名の仕事説明』 修正版
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。バイト面接EPの修正版です。
宗谷くんの紹介は、れあなさんのチェックでは2行でしたが、
ニュアンスを変えないようにして無理やり1行にまとめました。ご容赦を。(^^;
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エピソード『面接という名の仕事説明』
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登場人物
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十条健一郎(じゅうじょう・けんいちろう)
:高校2年生。パソコン購入資金稼ぎのためにバイトを始める。
三月恵理(みつき・えり)
:パートタイマー。店長が来ないスラモンをほとんど仕切っている。
吉田善勝(よしだ・ぜんしょう)
:大学生。健一郎の先輩となるアルバイター。すぐ寝る癖あり。
月影宗谷(つきかげ・そうや)
:スラモン常連客。善勝と仲がいいのか悪いのか?女顔だが立派な男の子。
面接に来ました
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スラッシュモンジュ吹利本町店。駅前ということもあって、多くの客が訪れ
るコンビニエンスストアである。現在はピーク時間から外れていることもあっ
て、店内の客もまばらである。
善勝 :「ん〜、暇だ」
客が少なく、裏方的な仕事も特にない時間なので、アルバイトの吉田善勝も
かなり暇そうだ。はたから見ると、すでに夢の世界へ片足を突っ込んでいるよ
うにも見える。そんな善勝のもとへ、一人の客が近づいてきた。
善勝 :「……!ああ、いらっしゃいませ」
健一郎 :「すみません、バイトの面接で来たんですけど」
客……いや、そのバイト希望の青年、十条健一郎が、関西弁で話しかける。
善勝 :「それじゃあ、ちょっと待っててください。三月さ〜ん、
:バイト希望の人だって」
呼ばれて、若い女性店員が奥から出てくる。
恵理 :「はーい。ええと、十条健一郎さん?」
健一郎 :「はい」
恵理 :「それじゃあ奥の部屋で面接しますから、入ってください。
:吉田くん、しばらくレジお願いね」
善勝 :「はい、わかりました」
再び奥に引っ込む恵理に、健一郎もついていった。
即採用
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恵理 :「じゃあ、そこにかけてください」
健一郎 :「はい」
健一郎がカバンを床に置いて椅子に座る間に、手際よく説明用の資料を机の
引き出しから取り出す恵理。
恵理 :「まず、履歴書と、保護者の承諾書を見せてください」
いわれて、カバンから書類を出す健一郎。恵理はそれに目を通す。
恵理 :「吹利学校高等部の生徒なのね」
健一郎 :「はい、今2年です」
恵理 :「クラブは所属してるの?」
健一郎 :「ええ、一応」
恵理 :「じゃあ、何時頃、何曜日なら、来られますか?」
健一郎 :「別に、放課後なら何時でも何曜日でも大丈夫です」
実際、コンピュータ部は趣味の延長だから、いくらでも都合は付く。
恵理 :「平日なら午後4時頃以降、夜も8時くらいまでなら大丈
:夫?」
健一郎 :「はい」
恵理 :「わかりました。……うん、書類も問題ないし、それじゃ
:あ仕事の説明をします」
健一郎 :「え、仕事の説明っちゅうことは、採用っちゅうことです
:か?」
恵理 :「ええ、それほど難しい仕事じゃないし、問題さえなけれ
:ば働いてもらいますよ」
と言いながら、資料を見せる。
恵理 :「まず、仕事の内容ですけど、レジのほかに商品の陳列や
:店内外の清掃もしてもらいます……」
他に、時給の説明や、実際のシフトの調整などをして、面接は終了した。面
接と言っても、ほとんど仕事の説明に終始したのだが。
恵理 :「それでは、今度の土曜日に入ってもらいますね」
健一郎 :「わかりました、よろしくお願いします」
恵理 :「はい、よろしく」
勤務の心得を記した資料とロッカーの鍵を受け取り、健一郎は事務室を出た。
買い物して帰ろう
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再び売り場に戻った健一郎は、空腹を感じたので、イートインスペースで軽
食を取ることにした。
健一郎 :「すみません、フライドポテトひとつ」
善勝 :「157円です。バイト決まったのかい?」
健一郎 :「ええ、今度の土曜日に初めて勤めることになりましてん。
:よろしゅうお願いします」
出されたポテトを受け取ってイートインスペースにいくと、先客がいた。
健一郎 :「あ、ここ座ってもええ?」
宗谷 :「うぃ、別にいいよ」
健一郎 :「君、ここにはよう来とるみたいやけど?」
健一郎もここにはよく来ていたのだが、自分が来るときには大抵この少女が
座っていた。真っ赤なリボンに銀色の髪という目立つ容姿だけに、余計に印象
に残る。
宗谷 :「うん、よく来るね」
健一郎 :「常連客なんやね。俺、今度ここで働くことになってん。
:よろしゅうにな」
善勝 :「なんだ、今日も来ていたのか、女装少年」
健一郎が振り向くと、先ほどの店員が後ろに立っていた。
健一郎 :「少年やて?君、男なん?」
宗谷 :「えっ?当たり前じゃん。どう見たって男だよ」
健一郎 :「(いや、どう見たって女やん……)」
宗谷 :「それにしても善ちゃんひどい物言いだね。ぼくが来たら
:いけないって言うわけ?」
善勝 :「そうは言ってないけど」
健一郎 :「……なんか、店の雰囲気も楽しそうですね」
初出勤を楽しみにする健一郎であった。
時系列
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2002年秋。吹利学校高等部のテスト終了直後(これ重要)。
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