[KATARIBE 24982] [HA06P] エピソード:『面接という名の仕事説明』

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Date: Mon, 30 Sep 2002 20:12:36 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24982] [HA06P] エピソード:『面接という名の仕事説明』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。一行のほうで話題にした健一郎のバイト面接話です。
恵理さんのほか、バイト代表として善勝さん、常連客代表として宗谷くんを
お借りしました。
ごんべさん、たついーしさん、れあなさん、チェックよろしくお願いします。
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エピソード『面接という名の仕事説明』
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登場人物
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 十条健一郎(じゅうじょう・けんいちろう)
  :高校2年生。パソコン購入資金稼ぎのためにバイトを始める。
 三月恵理(みつき・えり)
  :パートタイマー。店長が来ないスラモンをほとんど仕切っている。
 吉田善勝(よしだ・ぜんしょう)
  :大学生。健一郎の先輩となるアルバイター。
 月影宗谷(つきかげ・そうや)
  :スラモンの常連客。善勝と仲がいいらしい?女顔だが立派な男性。


面接に来ました
--------------
 スラッシュモンジュ吹利本町店。駅前ということもあって、多くの客が訪れ
るコンビニエンスストアである。現在はピーク時間から外れていることもあっ
て、店内の客もまばらである。

 善勝     :「ん〜、暇だ」

 客が少なく、裏方的な仕事も特にない時間なので、アルバイトの吉田善勝も
かなり暇そうだ。放っておいたら勤務中に寝てしまうのではないかと思うほど
である。そんな善勝のもとへ、一人の客が近づいてきた。

 善勝     :「ああ、いらっしゃいませ」
 健一郎    :「すみません、バイトの面接で来たんですけど」

 客……いや、そのバイト希望の青年、十条健一郎が、関西弁で話しかける。

 善勝     :「それじゃあ、ちょっと待っててください。三月さ〜ん、
        :バイト希望の人だって」

 呼ばれて、若い女性店員が奥から出てくる。

 恵理     :「はーい。ええと、十条くんね?」
 健一郎    :「はい」
 恵理     :「それじゃあ、奥の部屋で面接するから、ついてきて。吉
        :田くん、しばらくレジお願いね」
 善勝     :「はい、わかりました」

 再び奥に引っ込む恵理に、健一郎もついていった。


即採用
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 恵理     :「それじゃあ、そこに座って」
 健一郎    :「はい」

 健一郎がカバンを床に置いて椅子に座る間に、手際よく説明用の資料を机の
引き出しから取り出す恵理。

 恵理     :「まず、履歴書と、保護者の承諾書を出して」

 いわれて、カバンから書類を出す健一郎。恵理はそれに目を通す。

 恵理     :「吹利学校高等部の生徒なのね」
 健一郎    :「はい、今2年です」
 恵理     :「うん、承諾書も問題ないわね。それじゃあ、仕事の説明
        :をします」
 健一郎    :「え、仕事の説明っちゅうことは、採用っちゅうことです
        :か?」
 恵理     :「ええ、それほど難しい仕事じゃないし、問題さえなけれ
        :ば働いてもらいますよ」

 と言いながら、資料を見せる。

 恵理     :「まず、仕事の内容ですけど、レジのほかに商品の陳列や
        :店内外の清掃もしてもらいます……」

 他に、時給や勤務時間の説明や、勤務可能日の調整などをして、面接は終了
した。面接と言っても、ほとんど仕事の説明に終始したのだが。

 恵理     :「それでは、今度の土曜日に入ってもらいますね」
 健一郎    :「わかりました、よろしくお願いします」
 恵理     :「はい、よろしく」

 勤務の心得を記した資料を受け取り、健一郎は部屋を出た。


買い物して帰ろう
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 再び売り場に戻った健一郎は、空腹を感じたので、イートインスペースで軽
食を取ることにした。

 健一郎    :「すみません、フライドポテトひとつ」
 善勝     :「157円です。バイト決まったのかい?」
 健一郎    :「ええ、今度の土曜日に初めて勤めることになりましてん。
        :よろしゅうお願いします」

 出されたポテトを受け取ってイートインスペースにいくと、先客がいた。

 健一郎    :「あ、ここ座ってもええ?」
 宗谷     :「うにゅ、別にいいよ」
 健一郎    :「君、ここにはよう来とるみたいやけど?」

 健一郎もここにはよく来ていたのだが、自分が来るときには大抵この少女が
座っていた。真っ赤なリボンに銀色の髪という目立つ容姿だけに、余計に印象
に残る。

 宗谷     :「うん、よく来るよ」
 健一郎    :「常連客なんやね。俺、今度ここで働くことになってん。
        :よろしゅうにな」
 善勝     :「なんだ、今日も来ていたのか、女装少年」

 健一郎が振り向くと、先ほどの店員が後ろに立っていた。

 健一郎    :「少年やて?君、男なん?」
 宗谷     :「え?当たり前だよ、どう見たって男でしょ」
 健一郎    :「(いや、どう見たって女やん……)」
 宗谷     :「ぜんちゃん、僕が来ちゃいけないわけ?」
 善勝     :「そうは言ってないけど」
 健一郎    :「……なんか、店の雰囲気も楽しそうですね」

 初出勤を楽しみにする健一郎であった。


時系列
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 2002年秋。吹利学校高等部のテスト終了直後(これ重要)。

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Motofumi Okoshi

    

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