[KATARIBE 24946] [HA06P] エピソード『史雄のお国自慢……?』

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Date: Fri, 13 Sep 2002 22:25:27 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24946] [HA06P] エピソード『史雄のお国自慢……?』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。思いつきで書いたEPです。
結夜くんをお借りしましたので、チェックよろしくお願いします。

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エピソード『史雄のお国自慢……?』
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登場人物
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 西久保史雄(にしくぼ・ふみお)
  :吹利学校中等部2年。千葉出身。小4までは千葉にいた。
 桐村駿(きりむら・しゅん)
  :吹利学校中等部1年。吹利出身。関東には一度も行ったことがない。
 六兎結夜(りくと・ゆうや)
  :吹利学校高等部2年。大阪出身。ホラ吹きが3度の飯より好き。

本文
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 2学期のとある休日の昼下がり。部活を終えた史雄と駿は、軽食を取るため
IC水島にお邪魔した。見ると、すでに先客がいるようだ。

 駿      :「こんちわ〜……あ、いつもの兄ちゃんだ」
 結夜     :「ん?なんだ、いつもの野球少年二人組か」
 駿      :「なんだはないでしょ、人に向かって」
 史雄     :「ま、いちいち目くじら立てるなよ」

 二人とも席について、食べ物のオーダーを済ませる。待つ間TVを見ていると、
休日のテーマパークの混雑ぶりを取材しているようだ。

 TVリポーター :「ここ、東京ディズニーランドは、今日も多くの家族連れ
        :のお客さんで賑わっています……」

 駿がそのTVに興味を示す。

 駿      :「ディズニーランドか……一回行ってみたいな」
 史雄     :「なんだ、駿は行った事ないのか」
 駿      :「僕は、東京にも一度もいったことないからね。ディズ
        :ニーランドってどこにあるの?お台場とかその辺?」

 それを聞いて、やれやれと言った感じの表情を浮かべる史雄。

 史雄     :「おいおい……ディズニーランドはたしかに東京ってつい
        :てるけど、実際は千葉県にあるんだぜ」
 駿      :「へ?東京都じゃないの?」
 史雄     :「うん、あそこは千葉県の浦安市だ。一番東京に近い市だ
        :けどな」
 駿      :「じゃ、どうして東京ってつくの?」
 史雄     :「さあな。ま、おそらく、東京は日本の首都だから、日本
        :にあるってことがわかりやすいようにじゃないの?」
 結夜     :「なんだ、お前たち、何もわかっていないな」

 いつのまに移動したのか、結夜が二人のテーブルのすぐ近くに立っていた。

 結夜     :「千葉にあるのに東京ディズニーランドと言う理由だが、
        :これには二つの説がある。一つは、キャラクターが米国
        :出身なので、千葉と東京の区別がつかなかったと言う説。
        :もう一つは、東京都の役人が、東京都の領土を千葉まで拡
        :大するため、その布石として千葉県内の施設に『東京』と
        :いう名前をつけるよう、運営会社に圧力をかけたという説
        :だ」
 駿      :「(あ〜あ、また始まったよ……)」
 史雄     :「そんなわけないでしょ。領土拡大って、戦国時代じゃな
        :いんですから」
 結夜     :「わかっとらんな。領土が増えれば、当然住民も増えるの
        :だから、税金収入も上がる。そうなれば、役人の給料だっ
        :て上がるに決まっておろう」

 史雄は、土地が増える分、道路整備費などの支出も増えるだろう、と突っ込
もうかと思ったが、きりがないのであえて黙っていることにした。駿のほうは、
はじめからほとんど結夜の話など聞いていない。

 駿      :「西ちゃん、食いもん来たよ。さっさと食っちゃおう」
 史雄     :「そ、そうだな」

 食べながら、史雄と駿の会話は続く。

 駿      :「千葉って西ちゃんのふるさとだよね?ディズニーランド
        :のほかには、何か名物とかあるの?」
 史雄     :「ああ、あまり知られていないけど、全国でも珍しいぶら
        :下がり式のモノレールがあるよ」
 駿      :「モノレールかぁ……僕はまたがり式のを含めても乗った
        :ことないや。一度乗ってみたいな」
 結夜     :「モノレールというのは……」

 と、またもしゃしゃり出てくる結夜。

 結夜     :「……もともとは非常に高級な乗り物で、一般市民には到
        :底乗れるものではなかったのだ。だから、それに乗ること
        :ができる人間は、絶えず噂の対象となったらしい」
 駿      :「(って、まさか)」
 史雄     :「一応聞いておきます。どのように噂されたんですか?」
 結夜     :「『あの人は、モノレールにも乗れ〜る』とな」

 一瞬の静寂。

 駿      :「……西ちゃん、帰ろっか」
 史雄     :「……そうしよう」
 結夜     :「なんや、もう帰るんか?」
 史雄     :「お先に失礼します、六兎さん」

 駿は思った。

 駿      :「(よっぽど暇なんだな〜、あの兄ちゃん)」

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