[KATARIBE 24928] [HA06P] エピソード:『初来店』修正版

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Date: Sun, 8 Sep 2002 18:19:19 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24928] [HA06P] エピソード:『初来店』修正版
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。セリフチェックを頂きましたので、
EPの修正版をお送りします。
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エピソード『初来店』
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登場人物
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 十条健一郎(じゅうじょう・けんいちろう)
  :パソコン好きな高校2年生。よくしゃべる。
 六兎結夜(りくと・ゆうや)
  :暇人な高校2年生。妄想とほら話が好き。
 水凪龍樹(みなぎ・たつき)
  :IC水島の店員。結夜の話を呆れながらも聞かされている。


本文
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 長い夏休みが終わり、学生達が生活リズムを取り戻すのに苦労する時期。し
かしながら、休みが終わっても、まだ残暑は厳しかった。

 龍樹     :「まだまだ冷房がありがたく感じるような気候が続くね」

 ここ、IC水島では、夏休みが終わり、昼間に学生が来なくなったということ
もあって、時間帯によっては客が全く来ないということも多くなっていた。し
かしながら、授業の時間が終われば話が変わってくる。案の定、3時を少し廻
った頃、いつもの学生客が一人、店内に入ってきた。

 龍樹     :「ああ、いらっしゃい。いつも通りでいいね?」
 結夜     :「うむ」

 いつもの席に座り、いつもどおり水を飲み、またいつもの通りにくだらない
冗談や妄想をしゃべる結夜。呆れながらも聞くしかない龍樹。これもいつもの
光景であった。と、そこへ。

 SE      :からんからん
 龍樹     :「あ、お客様だ。いらっしゃいませ」
 健一郎    :「あの、すんまへん、はじめてなんですけど」
 龍樹     :「では、当店のシステムを説明します。当店は、ご軽食と
        :インターネット端末がご利用になれます……」

 初の来店という客に、店のシステムを説明する龍樹。一方、話を途中で切ら
れた結夜はどうもバツが悪く、なんとなくその客を見る……

 結夜     :「おやま、健一郎?」
 健一郎    :「ん?ありゃ、結夜やん」
 龍樹     :「何だ、知り合いか?」
 健一郎    :「まあ、腐れ縁っちゅうやつです。結夜、お前ここの常連
        :やったんか」
 結夜     :「ん、まあね」

 そして、健一郎はアイスコーヒーを注文し、結夜の隣の席に座った。

 結夜     :「お前がこんなとこ来るのは珍しいやん。いつも部室に直
        :行するのに」
 健一郎    :「何いっとんねん。今日職員会議とかで、部室は一切使え
        :ん言うとったやないか」
 結夜     :「そうやっけ? 全然聞いとらなんだわ」
 健一郎    :「お前も文化部やろ?ちゃんと聞いとけっちゅうの」
 結夜     :「(活動は文化祭前、自宅のみの幽霊部員だが……)」
 健一郎    :「全く、なんで会議とかあるときは、部活中止せなあかん
        :のや?」

 この一言をきっかけに、結夜の「ほら話攻撃」が始まる。

 結夜     :「知らんのか?高校の職員会議とは仮の姿、実際には裏の
        :教育委員会といわれる『闇教委』の幹部を接待するために
        :学校から生徒を締め出しているのだ」
 健一郎    :「『闇教委』?それって、どんな組織なんや?」

 嘘とわかっていながらも、その話に乗っていく健一郎。

 結夜     :「普通の教育委員会は、教師や学校に対して教育の仕方な
        :どの指導を行う。これに対し、『闇教委』の仕事は、公に
        :は出せないようなこと。例えば、校長や教頭への献金とか、
        :そういうことだな」
 健一郎    :「ふ〜ん、前言ってた『校長の話は長いほど金もらえる』
        :ってやつ、ひょっとしてあの金も『闇教委』からもらって
        :るんかいな?」
 結夜     :「その通り。しかし、そのような組織の存在が明らかにな
        :っては、学校の存続すら危うくなる。だから、生徒にその
        :存在を知られないように、部活も中止して、生徒をすべて
        :学校から締め出すのだ」
 健一郎    :「なるほど」

 そんな二人の様子を見ていた龍樹は……

 龍樹     :「(これは、彼の嘘を聞く必要がなくなって喜ぶべきか?
        :それとも、店内が2倍うるさくなると嘆くべきか?)」

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Motofumi Okoshi

    

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