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Date: Sun, 25 Aug 2002 02:10:51 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24853] [HA06P]エピソード『猫猫団と愛菜美の秘密』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。愛菜美の正体バレ話。相手は猫猫団の二人だけにしてます。
台詞チェックよろしく。
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エピソード『猫猫団と愛菜美の秘密』
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登場人物
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榎愛菜美(えのき・まなみ)
:一応、猫猫団幹部。実はアンドロイドである。
月(つき)
:猫猫団最高幹部。無道邸のトラブルメーカーである。
苑(えん)
:猫猫団首領。月の兄で、目付け役でもある。
G(ジー)
:猫猫団のゴキブリ型偵察機。体長約50cm。性格はいたって紳士的。
本文
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ある天気のよい日。無道邸は、住人のほとんどが所用のため外出していた。
家に残っているのは、猫猫団の一部のメンバーのみ。となれば、この悪戯好き
な少女が黙っているはずがない。
月 :「G!Gはいるか!」
G :「月様、お呼びになりましたか」
月 :「うむ、今日はお前の性能テストを行なう!修理後、なか
:なか行う機会がなかったからな」
G :「はっ、かしこまりました」
早速、テストが始まる。まずは小Gを屋敷全体に放っての偵察テスト。屋敷
内の一室にG本体が陣取り、小Gからの報告を受け取る。さらに、それを別の
部屋(月は「司令室」といっている)にいる月に、Gが報告していく。
月 :「よし、動作は良好だ。次に、電波妨害装置のテストを行
:う!妨害電波、発射用意!」
G :「了解」
電波妨害装置とは、その名の通り、妨害電波を発射して、携帯電話などの通
信を妨害する装置である。当然、TVやラジオなども使用不可になるので、屋
敷に他の人間がいれば、まず間違いなく怒られるであろう。ゆえに、人のいな
い今こそ、絶好の試運転のチャンスというわけだ。
月 :「3……2……1……発射!」
G :(びびびびびびびび……)
妨害電波が放たれる。月が持つ電波測定器によると、やはりこちらも動作は
良好のようだ。が、この試運転が、思わぬ波紋を巻き起こそうとは……
愛菜美 :「(うっ……急に頭痛が……)」
無道邸に遊びに来た愛菜美である。Gとの初対面のときもそうであったのだ
が、この妨害電波はアンドロイドの愛菜美にも悪影響を及ぼす。最初のうちは
頭痛だけですんだのだが……
月 :「よし、さらに電波の強度を上げろ!」
G :「了解」
さらに強い電波が放たれる。と同時に、愛菜美の頭痛もひどくなっていく。
愛菜美がGのいる部屋にふらふらしながらたどり着いたとき。
愛菜美 :「ダメ……もう……限界……(ばたっ)」
SE :(ころころ……)
床にひれ伏す愛菜美。そして、あまりの頭痛に気が緩んだのか、それとも電
波の影響で頸部に異常が生じたのか定かではないが、愛菜美の首が体から離れ、
床に転がり落ちてしまった(普通は、愛菜美が外そうと思わないと外れない)。
G :「おや?」
愛菜美 :「う……うう……」
Gの目元に転がり、苦しむ愛菜美(の生首)。それに気付いたGは、慌てて
妨害電波をストップした。
G :「愛菜美さんではありませんか。……そうか、電波にやら
:れてしまったのか。大丈夫ですかな?」
愛菜美 :「うう〜ん……あ、あなたは……」
Gは愛菜美の正体にうすうす気付いていたので、驚く様子もなく愛菜美を気
遣う。愛菜美も、電波が止まったので、だんだん意識が回復してきた。だが。
SE :(ピシャーン)<ふすまを勢いよく開ける音
月 :「G!私の許可なく電波を止めるとは、どういう事だ!」
G :「む、月様……」
愛菜美 :「えっ?つ、月ちゃん?」
月 :「む?」
そのとき、外出していた苑が帰ってきた。無道邸にかけた電話が通じないの
で、不審に思って飛んで帰ってきたのだ。
苑 :「月!何をしている!」
愛菜美 :「げ、お兄さんまで……」
苑 :「む、愛菜美……さん?」
首と体が分離している愛菜美を見て、慌てる苑と、妙に冷静な月。一方、正
体を見られた愛菜美も慌てて自分の首を拾うが、もちろん時すでに遅し。
愛菜美 :「み……見た?」
月 :「うむ、しかと見た。愛菜美、お前もロボットだったのだ
:な」
愛菜美 :「(ぎくぎくっ)……ばれちゃったのね……」
月 :「ていうか、前から知ってたし」
愛菜美 :「え?」
意外な月の言葉に、思わず間抜けな声を出す愛菜美。
月 :「その程度の事、入団調査時点で分かっておったわい。何
:をいまさら……」
愛菜美 :「にゅ、入団調査?そんなことしてたの?」
月 :「当たり前だ。わが猫猫団は悪の秘密結社。得体の知れな
:いやつを入れるわけにはいかないし、調べるのもたやすい
:ことだ」
苑 :「……私もすでに部下から聞いていたが、知らないふりを
:していた。あなたを騙すことになって、すまないと思って
:います」
月 :「安心しろ。最高幹部たるもの、部下を守るのは当然の務
:め。それに、お前の能力は高く評価しているからな、人間
:だろうとロボットだろうと差別する気は全くない。今まで
:もそうだったしな」
苑 :「ご心配なく。決して口外はしません」
二人の言葉に、安心する愛菜美。
愛菜美 :「二人とも、ありがとう……」
月 :「それはそうと、いつまでその状態でいるつもりだ?」
さっきから、愛菜美の首はその両手に持たれたままだ。
愛菜美 :「あっ、いけない……(カシャ)」
月 :「うむ、これで猫猫団の結束がさらに強まったな」
苑 :「そういうものなのか……?」
月 :「では、Gの電波測定を続けようか」
苑 :「やめんか!(すぱこーん)」
月 :「つつ……何をする、苑」
苑 :「それはこちらの台詞だ。迷惑をかけるような電波を発す
:るなと言っただろうが」
かくして、元の和やかな(?)雰囲気に戻る猫猫団であった。
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マエストロ氏に電波防止装置でも作ってもらいますか。(ぉぃ
motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi