[KATARIBE 24830] [HA06P]エピソード『CATV開通』

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Date: Fri, 16 Aug 2002 12:23:19 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24830] [HA06P]エピソード『CATV開通』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。一応本筋は史雄の家にCATVのインターネット環境が
導入されたというEPです。
ついでといってはなんですが、渋柿さんを史雄の父、豊に紹介させて
いただきました。お暇なときにセリフチェックをお願い致します。

ちなみに、自分はCATV環境ではないので、工事の描写に実際と
違うところがあるかもしれません(汗)。
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エピソード『CATV開通』
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親子二人の朝食
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 前日、帰郷を終え、吹利に戻ってきた史雄。旅の疲れから、すぐに眠ってし
まったが、朝は大体普段どおりの時間に目覚めた。

 史雄     :「ん〜……よく寝たなぁ」

 朝の身だしなみを一通り整える。と、台所のほうから何やら音が聞こえたの
で、その方向へ足を向ける。

 豊      :「おお、起きたか」
 史雄     :「ああ、父さん、おはよう。よく眠れた?」
 豊      :「眠れたとも。目覚めもいいし」
 史雄     :「それはよかった」
 豊      :「朝飯作ってやったから、食った食った」
 史雄     :「へえ、父さんが作ってくれたんだ」

 その朝食は、トーストと目玉焼きという、いたって簡単なものであったが、
父の心遣いは素直に嬉しかった。


CATV工事
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 さて、それから数時間が過ぎ、昼食を食べ終わった頃、CATVの技術者が史雄
の家に訪れた。

 技術者    :「配線工事に伺いました」
 豊      :「ああ、ご苦労様です」

 技術者は、二人に一通りの説明を終えると、早速工事に取り掛かった。豊が
それに立ち会うが、史雄はやっていることがよくわからなかったので、外に出
て待つことにした。

 史雄     :「ちょっと退屈になりそうだな……」

 暇つぶしにと、しばらく庭でバットの素振りをしたり、縁側に座って考え事
をしたりしていたが、やがて庭でやることもなくなったので、本屋に雑誌でも
買いに行こうかと考え、表に出ると、向かいの家から見知った顔が出てくるの
に気付いた。

 史雄     :「あ、こんにちは、和泉先輩」
 渋柿     :「やあ、西久保君か。ここ数日、留守のようだったけど」
 史雄     :「千葉の祖父の家に行っていたんです」
 渋柿     :「なるほど、里帰りか。……ところで、君の家だが、建て
        :かえでもしているのか?」
 史雄     :「建てかえなんて大げさなものじゃないっス。ケーブルテ
        :レビでインターネットを使うための工事ですよ」
 渋柿     :「………そんなことができるのか?」

 それは初耳だ、というような顔をする渋柿こと和泉凛。そこへ。

 豊      :「史雄、配線の工事は終わったぞ。後は機器の取り付けだ
        :けだそうだ」
 史雄     :「あ、終わったんだ」
 渋柿     :「……そちらの方は?」
 史雄     :「あ、俺の父です」
 豊      :「何だ、友達か?」
 史雄     :「向かいに住んでる、和泉凛さん。俺より一コ上の先輩だ
        :よ」
 豊      :「そうか。史雄がいつもお世話になっています」
 渋柿     :「いえ、こちらこそ西久保君にはお世話になっています」
 豊      :「親御さんにも挨拶したいが、家にいるかい?」
 渋柿     :「………親は家にはいません」

 そんなやり取りを聞いて、史雄が豊に耳打ちする。

 史雄     :「父さん、和泉先輩は親と一緒に住んでないんだよ。父親
        :がたまに帰ってくるって聞いてるけど」
 豊      :「ああ、そうなのか。悪いことを聞いたかな」
 渋柿     :「いえ、気にしないでください」
 豊      :「若いのに一人暮らしか。大変だろうな」
 渋柿     :「いえ、一人ではありません。友人が一緒にいますので」
 史雄     :「桜居っていう、俺のクラスメイトが一緒に住んでるんだ
        :よ」
 豊      :「それでも、中学生二人だ。何かと大変だろう」

 などという感じで雑談していると、技術者が二人を呼びに来た。

 技術者    :「すみません、機器の設置工事を始めたいのですが、立ち
        :会っていただけないでしょうか」
 豊      :「ああ、ごめんなさい、つい話に夢中になってしまって」
 史雄     :「じゃあ、俺も部屋に戻ります」
 渋柿     :「うん、それでは、また」

 渋柿に一礼し、部屋に戻る史雄。そして、機器の設置工事が始まったが、こ
れは工事というほどのものでもなく、数十分で終了した。そして、技術者は今
後のことを説明し、引き上げていった。

 豊      :「あとはパソコンを設定するだけか。それは一人でできる
        :か?」
 史雄     :「説明書の通りにやれば、大丈夫だと思う」


再び、しばしの別れ
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 やがて、豊が海外に戻る時間となった。史雄も、見送りのために、関西空港
までついて行った。

 史雄     :「今度帰ってくるのはいつ?」
 豊      :「まだわからないが、おそらく正月になるだろう」
 史雄     :「正月か……裕雄と会うのも正月くらいになるかな」

 出発ロビーで雑談する。そして、いよいよ飛行機の搭乗時間となった。

 豊      :「さて、そろそろ行かないとな」
 史雄     :「それじゃあ、気をつけてね」
 豊      :「史雄も、体に気をつけてな。部活も頑張れよ。それと、
        :和泉くんにもよろしくな」
 史雄     :「うん、それじゃあ、また正月にね」

 こうして、豊の休暇は終わり、再び勤務地の海外へと戻っていった。

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