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Date: Wed, 24 Jul 2002 14:59:40 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24769] [HA06P] 『裕雄、吹利に来る』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。史雄の弟、裕雄を登場させます。
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エピソード『裕雄、吹利に来る』
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登場人物
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西久保史雄(にしくぼ・ふみお)
:一人暮らしの中学生。
西久保裕雄(にしくぼ・ひろお)
:実の兄にも敬語で話す、小学6年生。
本文
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史雄 :「あっと、もうこんな時間か」
時計を見て、バットの素振りを中断する史雄。家の中に入って、冷蔵庫の中
身をチェックする。
史雄 :「うん、野菜炒めでも作ろう」
食事を作り終わる頃には、ちょうど空腹を覚える時間になるだろう。さっそ
く調理の準備に取り掛かる史雄。そこへ。
SE :ピンポーン
史雄 :「あれ、お客さんかな?はーい」
玄関の呼び鈴が鳴ったので、来客を迎えに行く。
史雄 :(ドアを開けて)「はい、どなた……って、裕雄!?」
裕雄 :「やはりここでしたか。お久しぶりです、兄さん」
裕雄と呼ばれた、小学校高学年から中学生くらいであろうかという少年が挨
拶をする。
史雄 :「何でここがわかったんだ?」
裕雄 :「住所をもとに、近所の方々から聞きましてね」
史雄 :「電車とかバスの乗り継ぎも、よくわかったな」
裕雄 :「吹利駅付近で、親切な方が教えてくださったんです」
史雄 :「電話してくれりゃ、迎えに行ってやったのに」
裕雄 :「驚かせようと思いましてね」
たしかに驚いた。弟に一本取られたなと思う史雄だが、それだけのためにこ
こまで来たとも思えないので、続けて裕雄に質問する史雄。
史雄 :「それで、何しに来たわけ?」
裕雄 :「実は、来年の春、兄さんと同じ吹利学校の中等部に入学
:したいと思いまして、学校の下見をしに」
史雄 :「へぇ、吹利学校受けるのか」
裕雄 :「はい。そのことをおじいさんとおばあさんに相談したら、
:吹利にしばらく滞在して、兄さんにいろいろ教えてもらう
:よう勧められまして」
史雄 :「……ってことは、うちにしばらく泊まるってことか?」
裕雄 :「はい、よろしくお願いします」
史雄 :「まあ、いいけど……こりゃ父さんに生活費二人分送って
:もらわないとな」
苦笑する史雄。それにつられて、裕雄も苦笑する。
史雄 :「まあ、上がれよ」
裕雄 :「はい、お邪魔します」
史雄 :「どうでもいいけど、その堅苦しいしゃべり方、相変わら
:ずだよなあ。何とかならないの?」
裕雄 :「仕方ありません、僕の癖ですから」
史雄 :「実の兄に対する話し方じゃないと思うんだよなぁ」
裕雄 :「まあ、ご勘弁を」
その夜は、思い出話などで盛り上がる二人であった。
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今後、夏休みの前半いっぱいは吹利滞在の予定。
来年からレギュラーキャラにしようと思っています。
キャラシーはそのときに。(ぉぃ
motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi