[KATARIBE 24746] [HA06P] 『停電』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Fri, 19 Jul 2002 16:54:56 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24746] [HA06P] 『停電』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <000701c22ef9$9358a5f0$0200a8c0@VAIO>
X-Mail-Count: 24746

MOTOIです。実体験に基づいたEPをひとつ。

**********************************************************************
エピソード『停電』
=================
本文
----
 それは、史雄が、趣味である野球ゲームを自宅で堪能しているときだった。

 SE      :ぷつん
 史雄     :「あれ?」

 突然、テレビの画面が真っ黒になる。

 史雄     :「変だなぁ、まだ壊れるほど古いテレビじゃないのに」

 さらによく調べてみると、PS2の電源ランプが消灯している。さらにさらに、
ビデオデッキの液晶表示が完全に消えているのだ。それを見て、ようやく何が
起こったのか理解することができた。

 史雄     :「停電かよ……」

 そのときは昼間だったので、蛍光灯をつけなくても十分明るかった。もし夜
間だったら、家の中は真っ暗になっていたであろう。もっとも、そのほうが停
電と気付くのは早いだろうが。

 史雄     :「でも、今日停電になるなんて聞いてないしなぁ」

 電力会社の計画に沿った停電であるとすれば、必ず事前に通知があるはず。
にもかかわらず、今回はそのような通知は一切受けていない。そう思った史雄
は、電力会社に電話問い合わせしようとした。が。

 史雄     :「……停電じゃ、電話は使えないよなぁ」

 固定電話は停電で使えず、携帯電話はちょうど電池切れと言う状況。自宅か
らの電話は不可能だ。

 史雄     :「仕方ないな、まあそのうち回復するだろう」

 そう思った史雄は、電話をあきらめ、庭でバットの素振りを始めた。すると。

 電力会社の車 :「ただいま電線修理のため停電しております。ご迷惑をお
        :かけ致しますが、今しばらくお待ちください」

 電力会社の車のスピーカーからの声が聞こえた。これで停電の原因もわかっ
た。もっとも、わかったところで自分には何もしようがない。

 史雄     :「やっぱり、気長に待つしかないな」

 一時間後。素振りを終えて家の中に戻った史雄は、充電器にセットしておい
た携帯電話のランプによって、電気供給の回復を知った。

 史雄     :「お、電気が戻ってるな。さっきの続きやろう」

 そして、再び野球ゲームを堪能する史雄。だが、その後に待ち受ける悲劇を、
このときの史雄は知る由もなかった。

 史雄     :「しまった〜!!炊飯ジャーを再セットするの忘れてた!
        :あぁ〜、これじゃ飯が食えない……腹へってるのにぃ」

 結局、その日の夕食は二時間遅れになったという。

$$
**********************************************************************

motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage