Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Tue, 16 Jul 2002 13:09:15 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24727] [HA06P] 『パソコンを買いに行こう』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <000701c22c7e$964f3530$0300a8c0@VAIO>
X-Mail-Count: 24727
MOTOIです。史雄がパソコンを買う話です。
**********************************************************************
エピソード『パソコンを買いに行こう』
===================================
父からの手紙
------------
よく晴れた夏のある日のこと。学校から帰ってきた史雄は、家の庭で、いつ
ものようにバットの素振りを行なっていた。すると、玄関先から、郵便局員の
声が聞こえてきた。
郵便局員 :「ごめんくださーい」
史雄 :「あ、はい、今行きまーす」
ちょうど庭にいたので、そのままドアを通らずに玄関の外に出る史雄。
史雄 :「何でしょうか?」
郵便局員 :「あ、現金書留です。ハンコ持ってきてくれるかな?」
史雄 :「はい、わかりました」
言われたとおり認印を持ってきて、押印する。
郵便局員 :「はい、たしかに。じゃあ、これが封筒ね。ありがとうご
:ざいました」
史雄 :「どうも、お疲れ様です」
自分の部屋に行き、早速その封筒を確かめると、父からの手紙であった。封
を開け、中の手紙を読む。
その内容は、父の会社でボーナスが支給されたので、画像などのメールが受
信できるよう、史雄にパソコンを買ってやるという内容だった。封筒を調べる
と、入っていたのは一万円札が20枚。これでパソコン他、周辺機器も必要な物
を買うようにとのこと。
史雄 :「うれしいんだけど……急に言われても、何から手をつけ
:ていいのかわからないなぁ」
相談
----
翌日の帰り道、史雄は親しい友人にこのことを相談した。
史雄 :「パソコンなんて買うの初めてだからな、どういうのを買
:ったらいいかとか、周辺機器とか言われても全然わからな
:くて、どうしようかと思ってるんだよ」
健二郎 :「……パソコンか。俺もようわからんわ」
駿 :「そういうことなら、愛菜美ちゃんが詳しいんじゃない?」
愛菜美 :「へへ〜。パソコンのことなら、私に任せてほしいな」
史雄 :「じゃあ、ちょっとパソコンショップに付き合ってくれな
:い?」
愛菜美 :「オッケー。どうせなら、今度の土曜日にでんでんタウン
:まで見に行こうよ。あそこ行けば、なんでもそろうから」
でんでんタウンとは、大阪市内、堺筋通りの中でも、地下鉄日本橋駅〜恵美
須町駅の間の一画の別名である。名前からもわかるように「電器の街」として、
東京の秋葉原とともに知られているところだ。
史雄 :「大阪まで行くのか。結構遠出になるな」
愛菜美 :「でも、あそこまで行けば、かなり質のいいものが買える
:と思うよ」
駿 :「そうしようよ西ちゃん。たまには遠出もいいじゃない」
史雄 :「お前には関係ないじゃないか」
駿 :「いいじゃない、ついてったってさ。ちょうどヒマだから
:何してすごそうかと思ってたトコなんだよね」
健二郎 :「……今後の参考のために、俺もついてったろ」
史雄 :「結局このメンバーで行くことになるのか。まあいいけど」
結局、土曜日の昼食後、午後1時に、近鉄霞山駅に集合ということになった。
いざ、日本橋へ
--------------
さて、待望の土曜日。四人は遅れることなく霞山駅に集合。そのまま近鉄奈
良線へと乗車した。奈良線に乗ってしまえば、「近鉄日本橋駅」には乗り換え
なしで行くことができる。
駿 :「楽しみだね〜」
史雄 :「何で、関係ないお前が一番はしゃいでるんだ?」
駿 :「別にいいじゃない。細かいことは気にしない」
健二郎 :「……今日一日天気もいいみたいやしな。まあ、外は結構
:暑くなると思うんやけど」
などといっている間に、一行を乗せた電車は近鉄日本橋駅に到着。地下のホ
ームに降り立つと、でんでんタウン方面への出口へ向けて、階段を上がる。そ
して、所狭しとビルが並ぶ地上へと出てきた。
駿 :「へぇ〜、初めて来たけど、ホントに電気屋がいっぱいだ」
健二郎 :「……こら、どこから入ってええのか悩むで」
愛菜美 :「へへ〜。その辺はあらかじめ調査済み。インターネット
:で大体の値段は調べておいたんだ」
史雄 :「用意がいいなぁ」
愛菜美を先頭に、電気街の中を歩く四人。やがて、一行は某大手パソコンシ
ョップへと入っていった。愛菜美いわく、
愛菜美 :「やっぱり、大手のほうがサポートがしっかりしてるんだ
:よね。壊れたときの相談とか」
だそうだ。
お買い物
--------
店内にはさまざまな種類、メーカーのパソコンがディスプレイされている。
駿と健二郎がものめずらしそうに店内を歩き回る。
駿 :「あ、デモコーナーがある。ちょっと遊んでいこう」
健二郎 :「……そやな。選ぶの時間かかるやろし」
一方、愛菜美は史雄にいろいろと質問していく。
愛菜美 :「どういう目的でパソコン使うの?」
史雄 :「主にメールかな。画像つきのメールが送れるようにって
:手紙にも書いてあったし」
愛菜美 :「ゲームとかは?」
史雄 :「プレステもあるし、そんなにはやらないと思うけど」
愛菜美 :「テレビ録画機能とかはいる?」
史雄 :「いらない。ビデオもあるし、チャンネル争いする相手も
:いないし」
愛菜美 :「置き場所はある?」
史雄 :「まあ、あいてる部屋もあるし、それは問題ないでしょ」
愛菜美 :「じゃあ、デスクトップのほうがいいかな」
史雄のニーズをもとに、陳列されているパソコンを選ぶ愛菜美。やがて。
愛菜美 :「これなんかどうかな?」
史雄 :「へえ、『2002年夏最新モデル』って書いてあるね」
愛菜美 :「どうせなら新しいほうがいいでしょ?」
愛菜美の選んだパソコンは、CD-RW/DVD-ROMドライブ搭載、LANポート内蔵、
そしてCPUは1.3GBと、なかなかの性能を持つマシンだった。価格も15万円ほど
と、比較的手ごろだ。
史雄 :「愛菜美ちゃんに任せるよ」
愛菜美 :「じゃあ、これにしよう。あとは、プリンタと……それと、
:写真つきメールを送るなら、デジカメも買わないとね」
結局、買い物は終始愛菜美のペースで進んだ。店員の、史雄にはよくわから
ない説明や質問にも、愛菜美がしっかりと対応していた。
史雄 :「3万円くらい残ったね」
愛菜美 :「そのお金は取っといてね。メールをやるんだったら、プ
:ロバイダーにもお金払わないといけないんだし」
史雄 :「プロバイダー?それって、店の中で申し込めないの?」
愛菜美 :「あらかじめ調べといたんだけど、史雄くんの家だと、ケ
:ーブルテレビの回線を使うのが一番いいんだよね。史雄く
:んの家、ケーブルテレビ引いてるでしょ?普通のテレビの
:電波届かないから」
史雄 :「うん、それってインターネットに使えるの?」
愛菜美 :「ちょっと工事がいるから、一応お父さんと相談してみて。
:それまでは、電話線とつなげば一応インターネットはでき
:るから」
史雄 :「うん、そうするよ」
そして、配送の手続きを終わらせて、買い物は終了した。
愛菜美 :「駿くーん、健二郎くーん、帰るよー」
駿 :「あ、終わった?」
健二郎 :「……なかなか面白いやん、パソコンって」
史雄 :「ネットだったら吹利のネットカフェでもできるじゃない
:か。お前ら何しに来たんだ?」
$$
**********************************************************************
こんな感じで。セッティングの話は、また後日。
motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi