[KATARIBE 24727] [HA06P] 『パソコンを買いに行こう』

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Date: Tue, 16 Jul 2002 13:09:15 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24727] [HA06P] 『パソコンを買いに行こう』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。史雄がパソコンを買う話です。

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エピソード『パソコンを買いに行こう』
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父からの手紙
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 よく晴れた夏のある日のこと。学校から帰ってきた史雄は、家の庭で、いつ
ものようにバットの素振りを行なっていた。すると、玄関先から、郵便局員の
声が聞こえてきた。

 郵便局員   :「ごめんくださーい」
 史雄     :「あ、はい、今行きまーす」

 ちょうど庭にいたので、そのままドアを通らずに玄関の外に出る史雄。

 史雄     :「何でしょうか?」
 郵便局員   :「あ、現金書留です。ハンコ持ってきてくれるかな?」
 史雄     :「はい、わかりました」

 言われたとおり認印を持ってきて、押印する。

 郵便局員   :「はい、たしかに。じゃあ、これが封筒ね。ありがとうご
        :ざいました」
 史雄     :「どうも、お疲れ様です」

 自分の部屋に行き、早速その封筒を確かめると、父からの手紙であった。封
を開け、中の手紙を読む。
 その内容は、父の会社でボーナスが支給されたので、画像などのメールが受
信できるよう、史雄にパソコンを買ってやるという内容だった。封筒を調べる
と、入っていたのは一万円札が20枚。これでパソコン他、周辺機器も必要な物
を買うようにとのこと。

 史雄     :「うれしいんだけど……急に言われても、何から手をつけ
        :ていいのかわからないなぁ」

相談
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 翌日の帰り道、史雄は親しい友人にこのことを相談した。

 史雄     :「パソコンなんて買うの初めてだからな、どういうのを買
        :ったらいいかとか、周辺機器とか言われても全然わからな
        :くて、どうしようかと思ってるんだよ」
 健二郎    :「……パソコンか。俺もようわからんわ」
 駿      :「そういうことなら、愛菜美ちゃんが詳しいんじゃない?」
 愛菜美    :「へへ〜。パソコンのことなら、私に任せてほしいな」
 史雄     :「じゃあ、ちょっとパソコンショップに付き合ってくれな
        :い?」
 愛菜美    :「オッケー。どうせなら、今度の土曜日にでんでんタウン
        :まで見に行こうよ。あそこ行けば、なんでもそろうから」

 でんでんタウンとは、大阪市内、堺筋通りの中でも、地下鉄日本橋駅〜恵美
須町駅の間の一画の別名である。名前からもわかるように「電器の街」として、
東京の秋葉原とともに知られているところだ。

 史雄     :「大阪まで行くのか。結構遠出になるな」
 愛菜美    :「でも、あそこまで行けば、かなり質のいいものが買える
        :と思うよ」
 駿      :「そうしようよ西ちゃん。たまには遠出もいいじゃない」
 史雄     :「お前には関係ないじゃないか」
 駿      :「いいじゃない、ついてったってさ。ちょうどヒマだから
        :何してすごそうかと思ってたトコなんだよね」
 健二郎    :「……今後の参考のために、俺もついてったろ」
 史雄     :「結局このメンバーで行くことになるのか。まあいいけど」

 結局、土曜日の昼食後、午後1時に、近鉄霞山駅に集合ということになった。

いざ、日本橋へ
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 さて、待望の土曜日。四人は遅れることなく霞山駅に集合。そのまま近鉄奈
良線へと乗車した。奈良線に乗ってしまえば、「近鉄日本橋駅」には乗り換え
なしで行くことができる。

 駿      :「楽しみだね〜」
 史雄     :「何で、関係ないお前が一番はしゃいでるんだ?」
 駿      :「別にいいじゃない。細かいことは気にしない」
 健二郎    :「……今日一日天気もいいみたいやしな。まあ、外は結構
        :暑くなると思うんやけど」

 などといっている間に、一行を乗せた電車は近鉄日本橋駅に到着。地下のホ
ームに降り立つと、でんでんタウン方面への出口へ向けて、階段を上がる。そ
して、所狭しとビルが並ぶ地上へと出てきた。

 駿      :「へぇ〜、初めて来たけど、ホントに電気屋がいっぱいだ」
 健二郎    :「……こら、どこから入ってええのか悩むで」
 愛菜美    :「へへ〜。その辺はあらかじめ調査済み。インターネット
        :で大体の値段は調べておいたんだ」
 史雄     :「用意がいいなぁ」

 愛菜美を先頭に、電気街の中を歩く四人。やがて、一行は某大手パソコンシ
ョップへと入っていった。愛菜美いわく、

 愛菜美    :「やっぱり、大手のほうがサポートがしっかりしてるんだ
        :よね。壊れたときの相談とか」

 だそうだ。

お買い物
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 店内にはさまざまな種類、メーカーのパソコンがディスプレイされている。
駿と健二郎がものめずらしそうに店内を歩き回る。

 駿      :「あ、デモコーナーがある。ちょっと遊んでいこう」
 健二郎    :「……そやな。選ぶの時間かかるやろし」

 一方、愛菜美は史雄にいろいろと質問していく。

 愛菜美    :「どういう目的でパソコン使うの?」
 史雄     :「主にメールかな。画像つきのメールが送れるようにって
        :手紙にも書いてあったし」
 愛菜美    :「ゲームとかは?」
 史雄     :「プレステもあるし、そんなにはやらないと思うけど」
 愛菜美    :「テレビ録画機能とかはいる?」
 史雄     :「いらない。ビデオもあるし、チャンネル争いする相手も
        :いないし」
 愛菜美    :「置き場所はある?」
 史雄     :「まあ、あいてる部屋もあるし、それは問題ないでしょ」
 愛菜美    :「じゃあ、デスクトップのほうがいいかな」

 史雄のニーズをもとに、陳列されているパソコンを選ぶ愛菜美。やがて。

 愛菜美    :「これなんかどうかな?」
 史雄     :「へえ、『2002年夏最新モデル』って書いてあるね」
 愛菜美    :「どうせなら新しいほうがいいでしょ?」

 愛菜美の選んだパソコンは、CD-RW/DVD-ROMドライブ搭載、LANポート内蔵、
そしてCPUは1.3GBと、なかなかの性能を持つマシンだった。価格も15万円ほど
と、比較的手ごろだ。

 史雄     :「愛菜美ちゃんに任せるよ」
 愛菜美    :「じゃあ、これにしよう。あとは、プリンタと……それと、
        :写真つきメールを送るなら、デジカメも買わないとね」

 結局、買い物は終始愛菜美のペースで進んだ。店員の、史雄にはよくわから
ない説明や質問にも、愛菜美がしっかりと対応していた。

 史雄     :「3万円くらい残ったね」
 愛菜美    :「そのお金は取っといてね。メールをやるんだったら、プ
        :ロバイダーにもお金払わないといけないんだし」
 史雄     :「プロバイダー?それって、店の中で申し込めないの?」
 愛菜美    :「あらかじめ調べといたんだけど、史雄くんの家だと、ケ
        :ーブルテレビの回線を使うのが一番いいんだよね。史雄く
        :んの家、ケーブルテレビ引いてるでしょ?普通のテレビの
        :電波届かないから」
 史雄     :「うん、それってインターネットに使えるの?」
 愛菜美    :「ちょっと工事がいるから、一応お父さんと相談してみて。
        :それまでは、電話線とつなげば一応インターネットはでき
        :るから」
 史雄     :「うん、そうするよ」

 そして、配送の手続きを終わらせて、買い物は終了した。

 愛菜美    :「駿くーん、健二郎くーん、帰るよー」
 駿      :「あ、終わった?」
 健二郎    :「……なかなか面白いやん、パソコンって」
 史雄     :「ネットだったら吹利のネットカフェでもできるじゃない
        :か。お前ら何しに来たんだ?」

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こんな感じで。セッティングの話は、また後日。

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Motofumi Okoshi

    

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