[KATARIBE 24720] [HA06P] エピソード『寝言』

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Date: Sun, 14 Jul 2002 00:52:02 +0900 (JST)
From: 月影れあな  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24720] [HA06P] エピソード『寝言』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200207131552.AAA97685@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 24720

2002年07月14日:00時52分02秒
Sub:[HA06P]エピソード『寝言』:
From:月影れあな


 月影れあなです。
 う〜む、IC水島でだべってばっかりだなぁ。流石我が分身で暇人だ。

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エピソード『寝言』
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本文
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 昨日の夜の事だ。私が目を覚ますと時計の針は二時半を刺していた。何とな
く喉の渇きを覚えた私は、起き上がって眼鏡をかけると牛乳を飲むため、一階
の台所まで降りていった。
 と、言うものの、つまりは私が一般に牛乳ジャンキーと呼ばれる人種だから
である。
 知ってるか? 牛乳ジャンキー。その名の通り、牛乳を飲まないと落ち着き
がなくなったりする人間の事だ。酷い場合は幻覚なども見る。これと類似する
物にドラ焼きジャンキーなどと呼ばれるのもある。まぁ、ドラえもんとかがそ
うだな。
 私など軽度の方なのだが、それでも一日に250cc〜500cc程度の牛
乳を摂取する。夏場にもなると1lを越える日もあるほどだ……とと、話がそ
れていた。そもそも、牛乳の話じゃない。問題はそれを飲んだ後に起こったこ
とだ。
 私が満足して自室に帰る途中、妹の部屋を通ったときの事だ。寝ているはず
の妹の部屋からなにやら声が聞こえてくるではないか。

 妹      :「Hotas ksarertty albele montect safrala phadresty.」
 結夜     :「…………?」

 私にはそれが何を意味する言葉か分からなかった。ひどくはっきりした発音
なのに何を言っているのか聞き取れないのだ。彼女の口から流れ出す言葉は間
違いなく異国の言葉であった。それも、ひどく禍々しい雰囲気がした。
 私はさらに耳をそばだてて聞く。

 妹      :「Ktrat dasret sdfaeth bdrhdy ohy honsty. Klesta
        :tesaeody goerps thowy lassety. Ohhhhh......」
 結夜     :「…………」

 相変わらず理解出来ない言語だったが、最後の一語だけははっきりと分かっ
た。それは絶望の溜息だった。希望どころか、陰惨な未来すら建たれた者の最
後の吐息。
 私は雷に打たれたようにしばらくその場に立ちすくんでいたが、やがて妹が
正常な寝息を立てはじめると、全ては終わったのだと理解して自室へと戻って
いった。


 結夜     :「この事に付いて、私なりの仮説を立ててみたのだが聞き
        :たいか?」
 龍樹     :「別に聞きたくないんだけど」
 結夜     :「そう意地を張る必要はない。まず第一の仮説。妹は実は
        :宇宙人で、あの時、母星との連絡をとっていたのだと言う
        :説だ」
 龍樹     :「そんなわけ無いでしょ」
 結夜     :「凡俗は全ての新しい可能性を批判する。まぁ、聞け。こ
        :の説はなかなかに信憑性が高い物なのだ。昔、父が妹は光
        :る円盤から預かった赤子だったという話をきいた事がある。
        :父の話は大体において信用できない物なのだが、この事に
        :限って真実を語っていたのかもしれない。次に、本人の話
        :によるものだ」
 龍樹     :「本人の?」
 結夜     :「うむ。奴は普通の人間の能が入っている部分が空洞にな
        :っていて、その中に「サム」と呼ばれる小型の人形生命体
        :が住んでいるという話だ。彼が宇宙人で、妹はその乗り物
        :に過ぎないという可能性も低くない。証拠に、妹は目から
        :ビームが出るようだ」
 龍樹     :「…………」
 結夜     :「第二の仮説としては、妹がアトランティス、ムー、ない
        :しはレムリア等超古代文明からの転生であるという可能性
        :だ。なんならに東方連合でも良い。奴は夢の中ではるか前
        :世の記憶を……」

 SE      :からんからん

 龍樹     :「客だ。いらっしゃいませ、ご注文は……」

 結夜     :「むぅ、奴には学術的好奇心とかいった高尚な感情が無い
        :のか?」
 史雄     :「(学術的、かなぁ?)あ、あの……」
 結夜     :「アトランティス、ムー、レムリアはそれぞれ大西洋、太
        :平洋、インド洋にあったといわれている超古代の大陸らし
        :い。東方連合は……最近光瀬龍の小説を読んでそれが頭に
        :残ってただけ。インドにあった文明っぽい。ハラッパー遺
        :跡とか何とか、全部詳しくは知らん。歴史の先生に聞いて
        :……も無理かなぁ?」
 史雄     :「(聞いてもいないのに説明するな!)そうじゃなくて、つ
        :まりはただの寝言じゃないんですか?」
 結夜     :「う、それ言ったら御終いやん。ロマンが無い、ロマンが」
 龍樹     :(たかが寝言だけでよくここまで妄想できるなぁ)
 史雄     :(それにしても、何でそんなことわざわざ言いに来るんだ
        :ろう。友達いないのかな?)


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