[KATARIBE 24715] [HA06N] 小説『吸血鬼の妄想』

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Date: Tue, 9 Jul 2002 22:01:29 +0900 (JST)
From: 月影れあな  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24715] [HA06N] 小説『吸血鬼の妄想』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200207091301.WAA84722@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 24715

2002年07月09日:22時01分29秒
Sub:[HA06N]小説『吸血鬼の妄想』:
From:月影れあな


 月影れあなです。

 また、結夜の話。ちょっとノンフィクション気味です。体育館の描写とか。



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小説『吸血鬼の妄想』
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 六兎結夜   :妄想してる人。暇人バンパネラ。


本文
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 体育館は相変わらず蒸し暑い熱気で一杯だった。
 何も夏の暑い時にこんな場所に集合させなくても良いのに。カナダからの交
換留学生が来るとかで、その歓迎の式だそうだ。まったく、良い迷惑である。
 いっそ体育館に吹き抜けでも作ったら涼しくていいだろうなぁ。ああ、それ
はいいかもしれない。天井全オープンで風通しもよく……いや、ダメ。日差し
がきつい。

『本日はぁ、え〜、交換留学生のミシェルさんが、え〜、本校の……』

 校長の長話ほど無駄な物は無い。ええい! 日本人ならもっと流暢に日本語
を喋らんか!! まったくけしからん。
 あ〜、校長心筋梗塞で倒れんかなぁ。なんなら、私が直接手を下しても良い。
拳銃で、バァンと。むむむ、 SRAの方のコネでは銃火器類は入手できんかなぁ。
出来んやろうなぁ。くそっ、けしからん。
 ビーム出えへんかなあ。こう、ズビビっと。せっかくバンパネラになってん
から目からビームが出るくらいの役得あってもいいと思わんか? うんうん、
思う思う。出る出る。
 ……やっぱ出えへんわ。当たり前か。

『え〜、ですから、彼は、日本人より日本人らしい心をもった素晴らしい人で
あったと、え〜、そのように、私は思うわけですね。』

 いつの間にか話は校長の過去話に移行していたようだ。まぁ、よくあること。
引っ込め校長!
 これが究極超人あ〜るの校長とかだったら笑える話とかしてくれて生徒も万
々歳やのになぁ。世の中にそういう校長が一人くらいいてくれてもいいのに。
いや、世の中にとは言わん。うちの学校に一人くらいいてもいいのに。
 無理やけどな。あ〜、校長死なんかなぁ……

『続いて、生徒会長より歓迎の言葉です』

 こら、出しゃばるなよ生徒会長。私はこんな事をさせるために生徒会選挙に
票を投じたわけじゃないぞ。まぁ、対抗馬のほうに入れてたけど。
 ここでおもむろに「生徒会長ぉッ! 魂ァトったるぅ!!」と武闘派のヤク
ザ生徒とかが乱入してきて、腰だめに長ドスを抱えて突進してきてくれへんか
なぁ。
 いかん、大騒ぎになって帰る時間が遅くなる。そういえば、校長が心筋梗塞
で倒れても銃で撃たれてもビムられても大騒ぎだなぁ。やっぱいかん。だから
出来るだけさっさと終われ。

『最後に、留学生からの挨拶です』

 留学生からの挨拶かぁ。一番の難関だ。どうせうろ覚えな日本語を駆使して
何とか日本語で挨拶しようとしたりしてつまりながら挨拶するんだろうなぁ。
 う〜、さっさと帰りたいのにぃ。努力してるのは認めるけど、時間かかりそ
うだしなぁ。英語教師通訳に立てて英語で喋ったりしてくれる方がありがたい
のに……

『初めまして、ただいま御紹介に預かりましたミッシェル・コリンズです。私
が日本に来たのは……』

 うわあ、校長より日本語上手いやん!


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