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Date: Tue, 28 May 2002 19:39:48 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24584] [HA06P] 『部活帰りの3人− INC 水島にて』完全版
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。たつきさんからセリフチェックをいただきましたので、
セリフを修正して、ここで完全版とさせていただきます。
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エピソード『部活帰りの3人−INC水島にて』
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登場人物
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榎 愛菜美(えのき・まなみ)
:野球部のマネージャー。中1。実はアンドロイド。
桐村 駿(きりむら・しゅん)
:野球部員。中1。ちょっと生意気。
西久保 史雄(にしくぼ・ふみお)
:野球部員。中2。面倒見のいい先輩。
水島 緑(みずしま・みどり)
:INC水島店長。ゲームをしているときは性格が変わる、サイボーグ店長。
水凪 龍樹(みなぎ・たつき)
:INC水島店員(バイト)。店長のなだめ役でもある(爆)。
本文
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とある休日、天気のいい昼下がり。のどかな天気にもかかわらず、インター
ネットカフェ水島では、今日も熱戦が繰り広げられていた。
緑 :「よっしゃー、5点目!!」
龍樹 :「店長、もう勘弁してくださいよ〜」
緑 :「何言ってるの、まだまだ行くわよ〜」
……どうやら、今日はサッカーゲームのようである。
SE :(ピンポーン)
と、店に来客があることを伝えるチャイムが鳴り響いた。
龍樹 :「あ、店長、お客さんですよ、店先に出なきゃ」
緑 :「バイト君、逃げる気?」
龍樹 :「いや、逃げるも何も、お客さんですってば」
と、店先のほうから、元気のいい声が聞こえてきた。
史雄 :「すみませーん、誰かいませんかー?」
ここで、ようやく緑も我に帰る。
緑 :「ああ、お客さんね。は〜い、いらっしゃいませ〜」
龍樹 :「(これさえなければいい人なんだけどなぁ)」
先ほどの怖い雰囲気はどこへやら、笑顔で店先に向かう緑。苦笑しながら龍
樹も続く。店先に出てみると、そこには見知った顔が立っていた。
史雄 :「あ、こんにちは」
駿 :「ヤッホー、おねーちゃん、また来たよー」
西久保史雄と桐村駿。二人とも、近くの学校、吹利学校中等部の生徒である。
ついでに言えば、二人とも野球部員である。
緑 :「あら、いらっしゃい」
龍樹 :「おお、野球少年二人じゃないか」
駿 :「ううん、今日は三人だよ」
龍樹 :「え?」
史雄 :「今日は、もう一人連れてきたんです」
よく見ると、史雄の後ろに、もうひとつ人影がある。茶色いポニーテールが
印象的な、元気そうな少女だった。
愛菜美 :「こんにちは〜」
緑 :「こんにちは。お友達?」
史雄 :「まあ、友達といえば……友達ですね」
愛菜美 :「私、野球部のマネージャーで、榎愛菜美っていい
:ます」
龍樹 :「へえ、マネージャーやってるんだ」
愛菜美 :「うん、よろしくね、お兄ちゃん」
龍樹 :「(ということは、マネージャーも加わって、四角関係?
:もしくは、部員二人が、マネージャーを取り合って…)」
何を想像しているんですか、龍樹さん。
史雄 :「……あの、水凪さん?」
龍樹 :「あ、いや、なんでもないなんでもない。見ての通り全部
:空いてるから、お好きな所にどうぞ」
言われたとおり、適当な席に座る3人。
緑 :「ご注文は?」
史雄 :「じゃあ、チーズケーキと、アイスコーヒーをお願いしま
:す、ミルクと砂糖つきで」
駿 :「僕は、チョコレートケーキとアイスミルクティーね」
注文しながら、コンピューターを操作する史雄と駿。そして、緑は愛菜美に
声をかける。
緑 :「あなたは?」
愛菜美 :「あ、私はいいです」
駿 :「え、何も食べないの?」
史雄 :「俺達ほどじゃないにしても、ずっと動いてたから腹減っ
:たろ?」
愛菜美 :「ううん、いいの」
駿 :「お金だったら心配ないよ、西ちゃんがおごってくれるか
:ら」
史雄 :「愛菜美ちゃんだけだぞ、お前の分はおごらないからな」
駿 :「えぇ〜」
愛菜美 :「う〜ん…そこまで言ってくれるなら、じゃ、ショートケ
:ーキを頼もうかな」
緑 :「かしこまりました〜」
注文を受け、店の奥に行く緑。その後、コンピューターを操作しながら、三
者三様の反応をする。
愛菜美 :「ああ〜、いい試合だったのに、負けちゃった〜」
史雄 :「何だよ、完封負けかよ……」
駿 :「やった、勝ったぁ!さすが中村ノリだ!」
しばらくして、、三人の頼んだケーキを、緑と龍樹の二人が持ってくる。
緑 :「はい、チーズケーキとアイスコーヒー、お待たせしまし
:た〜」
龍樹 :「チョコレートケーキとミルクティー、お待たせ。…あと、
:彼女はショートケーキだったね」
愛菜美 :「うん、ありがとう」
と、ここで龍樹が小声で愛菜美に話しかける。
龍樹 :「愛菜美ちゃんだったね。君は、どうして野球部のマネー
:ジャーになったの?」
愛菜美 :「どうしてって、野球がすきなんだもん」
龍樹 :「野球は、史雄君や駿君を見て好きになったの?」
愛菜美 :「ううん、小学生のころ、駿くんとプロ野球見に行って、
:それで好きになったの」
龍樹 :「へえ、駿君とは同じ小学校だったんだ」
愛菜美 :「史雄くんはちがうけどね」
龍樹 :「じゃあ、駿君のこと、好きかい?」
愛菜美 :「うん」
心の中で笑い、顔も自然ににやける龍樹だが、
愛菜美 :「あと、史雄くんも、他のみんなも大好きだよ」
龍樹 :「(がくっ)」
ちょっと期待外れだったらしい。しばらくして。
史雄 :「おやつも食ったし、見たいページも満たし、そろそろ帰
:るか」
駿 :「そだね」
愛菜美 :「じゃ、ごちそうさまでした〜」
緑 :「はい、ありがとうございます〜」
料金を支払い、店を後にする三人。
緑 :「ありがとうございました〜。さて、バイト君、今度はヘ
:イローで勝負よっ!!(びしいっ)」
龍樹 :「まだやるんですか……」
かくして、また熱戦が始まるのであった。
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