[KATARIBE 24582] [HA06P] エピソード『露と捨て猫』改め『梅雨と捨て猫』

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Date: Tue, 28 May 2002 14:21:02 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24582] [HA06P] エピソード『露と捨て猫』改め『梅雨と捨て猫』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。EPの続きです。

>  駿      :「えっ?」
>
> **********************************
 いきなり「何?」といわれても、答えようがない。

 駿      :「何って、どういうこと?」
 水穂     :「…どうして、謝っているの?」
 駿      :「え、どうしてって…僕が君の事を突き飛ばしちゃったか
        :ら」

 それを聞いて、ようやく状況が理解できた。自分は、この子とぶつかって、
その衝撃でしりもちをついたのだ。幸い、かすり傷ひとつ負っていない。

 水穂     :「………」
 駿      :「あ、やっぱり怒ってる?ごめん、ホントに」
 水穂     :「……大丈夫」
 駿      :「あ、ホント?ならよかった。でも、制服濡れちゃったね。
        :これ使ってよ」

 駿は、鞄からタオルを取り出して、水穂に渡した。汗拭き用に持ってきたが、
練習が中止になったので、未使用のまま鞄に入っていたものだ。

 水穂     :「………」
 駿      :「気にしないで使って。タオルなんていくらでも家にある
        :から、別に返さなくてもいいよ」
 水穂     :「……」(頭を下げて受け取る)
 駿      :「(ずいぶん、無口な娘だな)」

 と、ここで駿は、さっきの段ボールを覗き込んだ。

 駿      :「あぁ、やっぱり!」
 水穂     :「……?」
 駿      :「どこの馬鹿だ、こんな小さな子を……!」

 悪い予感が的中した。子猫が3匹、段ボール箱の中に捨てられていた。しか
も、そのうち1匹は動いていない。駿の握り拳が、怒りで震えていた。

 子猫1    :『おなか減ったよう』
 子猫2    :『寒いよう、助けてよう』

 動物語のわかる駿の胸に、子猫の悲痛な叫びが突き刺さる。駿は、すぐにポ
ケットからPHSを取り出し、かかりつけの動物病院に電話をかけた。

 駿      :「もしもし、先生?実は、……というわけなんだけど……
        :あ、すぐ診てくれる?じゃ、今すぐ行くから」
 水穂     :「………」

 手際よく話をつける駿。それを黙って見ているしかない水穂。そして。

 駿      :「よし、この子たちを連れて、動物病院に行くよ!」
 水穂     :「……え?」

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ここで切ります。あと、タイトルも直しておきました(^^;

motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi

    

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