[KATARIBE 24334] Re: [HA06P] エピソード『闇より闇へ ( 仮) 』

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Date: Mon, 22 Apr 2002 23:44:14 +0900 (JST)
From: gallows <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 24334] Re: [HA06P] エピソード『闇より闇へ ( 仮) 』 
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2002年04月22日:23時44分08秒
Sub:Re:  [HA06P]エピソード『闇より闇へ (仮) 』:
From:gallows


ども、gallowsです。続き行きます。

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> 先ほどは気付かなかったが、細い首輪をしている。
> 飼い犬のようだ(もしくは、元飼い犬)
>
> 煖		:「飼い犬にしては、躾が悪いようですね」


ペット捜し
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 探偵比企鐘継は、まいっていた。
 ことの始まりは昨日に遡る。鐘継はすっかり閑古鳥が居付いた事務所で、朝
からテレビのワイドショー番組をつけたまま惰眠を貪っていた。つまり何もし
ていなかったとも言える。昼過ぎまでそんな状態が続き、そろそろ起きて食事
でも作るかという時に客が来た。久しぶりの客は男だった。
 鐘継は得意の薄ら笑いを浮かべながら席を勧め、同時に履いている靴、着て
いる服、そして表情を観察する。履きつぶした革靴に地味な紺のスーツ、お世
辞にも裕福そうには見えない。顔も辛気臭く、垂れ下がった眉が特徴的と言え
た。年齢は若く見積もっても60過ぎ、娘の素行調査を頼みに来る世代とも思え
ない。探偵の客としては珍しいタイプであった。
 男の依頼は「マサジを探して欲しい」というものだった。マサジとは彼のペッ
トで今年5歳になる柴犬らしい。写真を見せる表情から、家族の誰よりもこの
男がマサジを可愛がっていることが伺えた。あるいは彼の家族はマサジだけな
のかもしれない。と、鐘継はここまで推察してこれ以上はどうでもいい詮索に
なりそうだと踏む。そしていかにも安価だといった調子で料金の説明に入った。
 捜索は順調に進んだ。日頃依頼人が散歩のルートにしているという公園での
目撃証言が多数あり、順調に捜索対象の活動している範囲は絞られた。
 そしてほんの今しがた発見に至った。依頼があってから一日と半分しかたっ
ていない。楽な仕事だった。日はとっくに落ちていて、代わりに三日月が浮か
んでいる。さっさと仕事を切り上げて帰りたかった。どういうわけか捜索対象
は墓地でうずくまっている。鐘継は慎重に、野生動物にすら気づかれない身の
こなしで距離を縮めていく。
 そこで異変に気がついた。
 捜索対象のすぐ脇に大怪我をした男がうずくまっている。そしてそのすぐ脇
に顔見知りの女、無道邸のメイド、煖だ。さらになにかが墓石を飛び移りなが
ら尋常ならざる速度で接近してきた。明らかにトラブルに巻き込まれていると
思った。たまたま怪我をしている男が捜索対象の近くで倒れただけであり、煖
も墓石を踏みながら接近してきた人物も単に墓参りに来ているだけであること
を願いながらさらに無音で近づく。その瞬間、捜索対象がどういうわけか煖と
の交戦状態に入った。
 かくして探偵比企鐘継は、まいっている。しかしまいっているばかりでもい
られないので、場に姿をあらわすことにした。順調だったペット探しは一転し
て割の合わない仕事になってしまった。


四すくみ
--------

 3人と1匹が睨み合っていた。互いが互いの一挙手一投足に警戒し、張り詰
めた空気が流れていた。結夜は面倒なことになったと思い、まずは現状の認識
に努める。
 犬は、おそらくターゲットだろう。その証拠に先程までターゲットが取り憑
いていた男はピクリとも動かない。ターゲットが宿主を変える可能性は既に考
慮済みだった。
 一般人だと思った銀髪の君はなにやら電撃を放ってターゲットを弾き飛ばし
た。ただものではなさそうだ。
 そして突然どこからともなく現れた茶髪の男は赤い目をランランと光らせて
ニヤニヤと周囲を見渡している。赤い目が意味するのはヴァンパイアの可能性。
だとすると仲間にこんなやつがいるとは聞いたことがないので敵対勢力かもし
れない。
 最初に行動したのは銀髪の君であった。十分にターゲットの動きを警戒しな
がら茶髪男に話し掛ける。

 煖      :「鐘継さんまでいらしたんですね。これはどういった趣向
        :の騒ぎなんでしょう?」
 鐘継     :「こっちが聞きたいわ」

 二人は顔見知りらしい。証言を鵜呑みにすれば二人ともたまたま居合わせた
だけということになる。ならばまずはターゲットを仕留めるのが最優先だ。

 結夜     :「君達、関係ないのなら手を出さない方が賢明だよ」
 鐘継     :「そらあかん。あのワンちゃん先におってたんは俺や」

 茶髪男がニヤニヤと笑いながら結夜の足元にナイフを投げた。生意気にも正
統なるバンパネラに警告のつもりらしい。

**************************

 さて、どうなることやら。



    

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