Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Thu, 24 Jan 2002 09:21:12 +0900 (JST)
From: ごんべ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 23712] [HA06P] 『冬は我らが季節』完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200201240021.JAA74325@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 23712
2002年01月24日:09時21分11秒
Sub:[HA06P] 『冬は我らが季節』完成版:
From:ごんべ
ごんべです。
祐司のEPリストを見ていて、完成版のなかったものをいくつか、ぼつぼつと
固めていきます。
まずはこのEPから。自キャラ固めな辺りは、ご勘弁を。
**********************************************************************
エピソード『冬は我らが季節』
============================
本編
----
冬は、私の季節。
伽耶子 :「近寄らないで、兄」
祐司 :「つれないことを言うな」
パソコンでゲームに興じながら、振り返りもせずに妹が言う。
……と言うより、近寄ってもいないのだが。
祐司 :「と言うか、君が言うな」
伽耶子 :「……まー、そうなんだけどね」
化繊のセーターを着て、化繊のシャツに腕を通して。
そのときの忌まわしい……と言うかお馴染みの感触に久々に接して、ああ今
年も冬になったんだな、と感じる。
祐司 :「バックアップはちゃんと取ったか?」
伽耶子 :「んー、とれてると思う」
祐司 :「……なんか心配やな」
その感触を得るのは、兄妹とも同じ。感慨もまた、同じ。
同じ能力を持つ兄妹は、家族の発した静電気の感触すら、音か匂いと同様に
肌で感じることができる。然るに、話題もまた、同じ。
伽耶子 :「心配やったら、自分の電気の始末は付けといてよね」
祐司 :「それも、君が言うな」
電気を操る能力だから、静電気に振り回されるばかりではない。
しかし、そううまくいかないのも人間というもので。
SE :バチッ
パソコン :プツ
二人 :「……あ」
……ほら(汗)
祐司 :「……ちなみに、俺じゃないと思う」
伽耶子 :「…………あ、あはははは、平常心よね、平常心(乾笑)」
祐司 :「もう遅い」
伽耶子 :「何よぉ、いいところだったのに横から口を挟むからでし
:ょー」(逆ギレ)
祐司 :「平常心が足りん。と言うか、先に話題を振ったのは伽耶
:子やろうが」
伽耶子 :「ぶー(むくれ)」
祐司 :「と言うことで、修理代は出すように」
伽耶子 :「えー?! もうすぐ卒論やのに、パソコン無かったら間に
:合わないよぉ」
祐司 :「要はお金がないのか? と言うか、それならゲームから
:やってたらあかんやろ」
伽耶子 :「息抜き息抜き。と言うか、お兄ちゃんの血を引いてるし」
祐司 :「こら(怒)」
今年も繰り返される堀川家の日常。
冬は、静電気の季節。
そう、冬は、我らが季節。
登場人物
--------
堀川 祐司 (ほりかわ・ゆうじ)
:静電気を操る三十路の歴史学者。10歳下の妹と仲が良い。
堀川 伽耶子 (ほりかわ・かやこ)
:同じ能力を持つ、祐司の妹。大学卒業が近い。
解説
----
静電気を操る能力を持つ生きた電源装置、堀川祐司とその妹の伽耶子の、冬
の風物詩。
時系列
------
2000年12月中旬。
補足
----
標準語のようにも見えますが、関西弁のイントネーションで読みましょう(w
$$
**********************************************************************
以上です。
ではでは。
========================================================
Takuji HOTTA ("Gombe") = 堀田 拓司 ("ごんべ")
E-mail : gombe@gombe.org
SiteURL : http://gombe.org/