[KATARIBE 23420] [IC04N] 『りとる・どらまー・ぼーい〜クリスマスの響き』(前)

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Sun, 30 Dec 2001 22:52:17 +0900 (JST)
From: E.R  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 23420] [IC04N] 『りとる・どらまー・ぼーい〜クリスマスの響き』(前) 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200112301352.WAA87307@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 23420

2001年12月30日:22時52分16秒
Sub:[IC04N]『りとる・どらまー・ぼーい〜クリスマスの響き』(前):
From:E.R


どうも、E.Rと申します。
お久しぶりです。

コルチキンタワーもの、季節を若干逸しましたが、一つ。
クリスマス用に書いたものです。

少々長いので、前後編で。

*************************
『りとる・どらまー・ぼーい〜クリスマスの響き』(前)
===================================================

登場人物
--------
 雪入 初音(ゆきいり・はつね)
 :無限都市、コルチキンタワーに捉えられた高一の女子。殺人手風琴奏者。
 遊佐 沙奈子(ゆさ・さなこ)
 :初音の友人。
 三島 百合野(みしま・ゆりや)
 :同上。芋蔓人脈の持ち主。


本文
----


 つまりがとこ、コルチキンタワーにも、クリスマスはやってくる。
 それも、所謂日本的なるクリスマスという形で。


「クリスマスイブ、予定ある?」
 唐突に訊かれて、初音は目をぱちくりさせた。
「予定って……あれ、終業式じゃなくって?」
 あらら、と、自称同じクラスの女子が、大袈裟な身振りで肩を竦める。
「そーじゃなくって、クリスマスイブでしょ。何か予定入ってる?」
「入っては、いないけど」
「じゃあさ、あたしらその夜さ、集まろうって」
「あ、だーめ」
 きょん、としたままの初音の目の前に、するんと手が伸びる。
「初音はあたしらがキープしてるんだからね」
「……沙奈子?」
「ね?」
 にっこりにこやか……な割に、えらいどすの利いた笑みである。話し掛けて
きた女子は、あ、そう、と、語尾を不明瞭にしたまま立ち去った。
「……莫迦初音」
「へ?」
 振り向くと、憮然とした沙奈子と目が合う。
「あの子、知らないの?」
「……同じクラスに居たよね?」
「そーだけど……知らない?門倉さん。アングラの彼氏が居るって有名な」
「…………あたしには無名だと思う」
「知らないと素直に言えば?」
 アングラ、と言っても、元の世界で言うところのアングラとは多少意味が違
う。文字通りコルチキンタワーの『アンダーグラウンド』……地下部に棲む連
中を称してそう呼ぶ。
 実際のところはどうだか知れないが、少なくとも地上部にいる限り、飛び降
りという方法を行えば、その日の行動はリセットされる。たとえ全身の骨を折
られたとしても、一旦地上へと飛び降りてしまえば、その日一日がリセットさ
れ、翌日は傷の無い状態に戻る。勿論、それを望んで行うかどうかは個々人の
自由であるわけだが。
 それに対して、アンダーグラウンド部分では、飛び降りという方法でリセッ
トを行うことが出来ない。やり直しが効かないと言えば聞こえが良いが、それ
を覚悟で地下に潜る連中は、自然、かなりにして刹那的であり、暴力的でもあ
る面々となる。一度、そうやってレッテルが貼られてしまえば分極化は速やか
に進むもので、沙奈子にしろ初音にしろ、アンダーグラウンド部には行ったこ
とが無い。ついでに言えば、アンダーグラウンド部の連中の大半も、上方の連
中とは一線を画する場合が多い、という。

 ……のだが。
「で、その門倉さんのクリスマス会ってのは、どこであると思う?」
「……地下?」
「はいよく出来ましたー」
 ぱちぱち、と、わざとらしく手を叩かれて、初音は眉根に皺を寄せる。
「……何でだろう」
「そのせいじゃない?」
 つん、と、手を伸ばして、肩越しに黒いケースをつつく。
「雪入初音のアコーディオン。相当有名よ」
 初音は小さく唇を噛んだ。

 アコーディオン。コルチキンタワーに来る前から、確かに相当の腕であった
のは確かなのだが。
 殺人的な音楽までは、奏でられなかった筈なのに。
 
 コルチキンタワー。そこからは決して抜け出すことの出来ない空間。
 いつもはそれでも、誰もが騙されたような顔のまま普通に日常を送る。けれ
どもそれは、所詮薄氷の上の日常に過ぎない。
 時折、それは確かに破壊され、非日常、非秩序の姿をまざまざと示す。
 その中で確かに、初音のアコーディオンは、彼女のみならず、沙奈子や百合
野までも守ってきたはきたのだが。

 ……それでも。

「……と、ゆーわけで」
「気をつけたほーが、良いってこと」
 気まずそうな顔になって、沙奈子がもごもごと言いかけた横から、ひょく、
と、顔を突き出したのは百合野である。
「……うん」
「だいじょぶだいじょぶ。初音はあたし達に任しといたら」
「……根拠無し」
 ぼそ、と、沙奈子が突っ込みを入れたが、百合野のほうはけろっとしたもの
である。
「あったりまえじゃん」
「……あったりまえってねー」
「根拠なんかあるわきゃないっしょ」
 はあ、と沙奈子が溜息をついてみせる。にこにこと笑いながら百合野は、終
始きょとんとしていた初音のほうを見た。
「ね、コーヒー飲みにいこ?」 


 どの扉を開けば自販機があるのか、等々。
 判断基準はほぼ毎度勘なのだが、ここに長いと、その勘が鍛えられるものら
しい。
「それにしてもさー」
 何故か教室の隅に、にょっきりと生えている自販機からホットコーヒーを取
り出しながら、百合野が言う。
「何」
「あの、クリスマス前のカップル生成の図って何だろうね」
「あーあれね」
「沙奈子も、なんか言われてたじゃん。どうしたの?」
「あーあれね」
 プルトップを引っ張りながら、あっさりとその一言で斬る。
 その口調に容赦が無い。
「……振ったね」
「当たり前でしょ」
「当たり前なの?」
「……何よ初音、その意外そうな顔は」
「え、いや、だって」
 彼氏を……少なくとも積極的に『作りたがらない』ようには見えなかったの
だが。
「あたしは、自分を安売りする気無いし。クリスマス前に大急ぎで女の子確保
しようってのが露骨な莫迦なら振るわよ当然」
「はー……」
 初音としては心底感心しての溜息だったのだが、こら、と、沙奈子は小さく
睨んでみせた。
「そういう初音は?」
「……無いよ」
「うわ、男子見る目無いー」
「……初音の見る目も無さそうだもん」
 百合野の突っ込みに、沙奈子のほうが受ける。
「何それ?」
「誘われてても気が付いてなさそう」
「……ありそげ」
「……えー」
 流石に初音としても、これには苦情を言おうとしたのだが。
「先刻もさ、『予定入ってない?』に『終業式だよね』とか、ぼけかましてた
し。あの調子でぼけてる可能性高いよね」
 ぽんぽん言われて、流石に初音もむっとした。
「……違うよ」
「何が?」
「クリスマス会って、だって、変じゃない」
「……は?」
「だって、何か、違うじゃない」

 クリスマス。キリストの生誕の日。
 キリスト教国においては、非常に大切な祭なのである。

「……初音、あんたクリスチャンだっけ?」
「違うけど」
 そういうわけではないが。
「でも……何か、あーやって、彼女と一緒に過ごすって」

 キリスト教は、世界史、特に西洋史を学べば必ず出て来るものである。その
長い歴史の間、決して常に正義であったわけではなく、時に宗教の名の元に、
多くの人々が殺されることもあったわけだが。
「だけど、何だかそういう日じゃないよ」
 勿論、子供達が集まって、プレゼントを交換する。そういう楽しい会を否定
するものでは無いのだが。
「一人で過ごすのが嫌、とか、そういう日じゃないよ」
「……それは、そーだよね」
 生真面目に言われてみれば、確かにそうなのである。
「んで、初音は、その日をどーして過ごすわけ?」
「部屋で普通に」
「でもそれも寂しくない?」
「え……」
「わーわー莫迦騒ぎじゃなくってもさ。何かやっぱり特別な日なんだからさ」
「……うん……」
「って、そういう百合野はあてあるの?」
 黙って缶コーヒーを飲んでいた沙奈子の言葉に、百合野はきょん、とした。
「無いよ」
「……あんたねーっ」

 と。

「じゃ、ほんとのクリスマス、見てみたくない?」

 入り口の引き戸から、さらん、と、長い髪の毛がこぼれて見えた。
 続いて出て来た顔は、ごく穏やかそうな笑みを浮かべている。どうやら初音
達よりは年上らしく見えた。
「ええと、あの?」
「あ、ごめんごめん。自販機探してたら、声が聞こえたもんで」
「自販機、ここにありますよ」
 あ、そう、ごめんね、と、笑いながら彼女は教室に入ってくる。背中の半ば
程まで真っ直ぐに伸びた髪が、その動きに半拍遅れて続いた。
「えっとあの……ほんとのクリスマスって?」
「んー」
 手の中に握っていたらしい、硬貨を自販機に入れながら、彼女は少々分別く
さそうな顔になった。
「本当、ってのは、あたしの印象なんだけど。少なくともそっちの彼女が言っ
てたよりも、クリスマスらしいクリスマスになると思うよ?」
「……はあ」
「見てみたくない?」
「見てみたいです」
 年長らしい彼女の問いに、いの一番に答えたのは初音である。
「はーつーねっ!」
「だって、見てみたいもの」
「そりゃそーなんだけどっ……」
 言いかけて、はた、と、百合野が口をつぐむ。
「あ、そっかあ、ごめんごめん」
 少女はころころと笑った。
「あたしね、水無瀬夕実。広瀬基巳と同じ学年」
「あ、広瀬先輩ですか、放送部の?」
「そうそう」
 あ、成程、と、百合野が頷く。
「大丈夫。決して悪いことをするわけじゃないし、出来ないし」
 可笑しそうに、水無瀬、と名乗る少女は笑う。
「でも、もしそっちの彼女が聞きたいなら、聞こえると思うから」
「はい」
 沙奈子が頭を軽く抑え、百合野が溜息をついてみる。その幾分かわざとらし
い行動の拠って来る所以は、初音にもわかってはいたものの。
 (でも、聞いてみたい)
 ほんとうのクリスマス。そう、彼女がいうところの何かを……
「あ」
「はい?」
 何種類かの缶コーヒーを、妙に真面目な顔で検討しながら、彼女は答える。
「あの、すみません、水無瀬先輩」
「はいはい」
「さっき、聞こえるって仰いましたよね?」
「言いましたよー」
 声に重なって、がこん、と、自販機がコーヒーを吐き出す音がした。
「聞こえるって……あの、何が、でしょうか?」
「んー……っと」
 缶を、まだ熱いのか指先で摘みながら、彼女は小首を傾げる。
「多分、あれ。Little Drummer Boy」
「は?」
 ちょっと躊躇するように、彼女は口をつぐむ。少しの間、視線が宙に浮き。
 そして……短い歌詞が、唇を滑り出た。

   Little baby pa rum pum pum pum

「あ」
 初音が小さく呟いた。

   I am a poor boy too pa rum pum pum pum
   I have no gift to bring pa rum pum pum pum
   That's fit to give a King pa rum pum pum pum
   Rum pum pum pum rum pum pum pum
   Shall I play for you pa rum pum pum pum
   On my drum

「知ってる?」
「はい、聞いたことあります」
 クリスマスソングのCDに、入っていた曲だ。
「でも、これ、何で、クリスマスソングなんですか?」
「あー……英語は聞き取れない、よねえ」
 聞いたのが中学2年の頃である。まあ、聞き取れなくても恥ではない。
「大体の意味を聞いたら、すぐ理由わかると思うんだけど……それで良い?」
「はい」
 元気の良い返事に、彼女は笑った。
「ちっちゃな太鼓叩きの少年、って……この、題名の子が主人公なんだけどね」

 
   時はクリスマス。キリストが生まれたその日。
   その元へ、皆が心づくしの捧げ物を進ぜよう、とやってくる。
   だけれども少年は何も持っていない。
   どこを探しても、王の王たる人に相応しいものなど。
   だから、少年は、唯一持っている、彼のドラムを叩く。

   それは最高の演奏。
   そして御子は微笑んでくれた。


「……ってまあ、それだけの意味なの」
「あ……でも、それで、クリスマスの歌なんですね」
「そそ」
 題名だけ見ると、何がクリスマスやらわからないけれども。
「でも、良い歌ですね、そう聴いたら」
 百合野がほわっと笑いながら言う。
「でしょ?」
 先輩がにこにこ笑う。
「で……それと、先輩の言ってたクリスマスと、関係あるんですか?」
 仏頂面だった沙奈子の、かなり荒っぽい響きのある言葉にも、彼女はけろん
としたままだった。
「うん、あるよ」
「って……」
「それは、秘密」
 ぷしん、と、プルトップを引っ張りながら、彼女は苦笑した。
「それまで言っちゃうと、面白くないじゃない」
「でも」
「どうする?」
「私、行きます……というか、聴いてみたいです」
「ちょっと初」
「別に、危ないことじゃないですよね?」
 沙奈子の声を遮って、初音が言う。返事はかろやかだった。
「そりゃあ、危なくないわよ」
「じゃ、いいです」
「了解」
 ぴ、と、指を二本、額に当ててみせて、彼女はそのまま出口に向かう。
「あ、でも先輩、どこで待てばいいですか?」
「え……ああ、クリスマスイブ?」
「はい」
 沙奈子はぷんと横を向いたままだし、百合野は物珍しそうに遣り取りを眺め
るばかりである。初音にしても、少々強引に話を運んでいる……というか、強
引に誘いに乗っていることは自覚しているのだが。
(聴いてみたい)
 楽器は全く異なるものの、本当のクリスマスの音を聞けるのならば(そして
どうやら、この話の運びだとそのようなのだが)それは是非ともその機会を逃
したくは無い。
 音に対して、貪欲である……とさえ、この程度の好奇心ならば言えない。
「んーと……そーね、終業式が終わったら、この教室まで来て。ここは」
「二年……十六組」
 てっと百合野が戸口を潜り、教室のネームプレート(?)を見る。
「うん。じゃ、そのプレートのある教室の前で待ち合わせよう?」
「何時ごろに?」
「んー……夕ご飯食べて……8時頃、かな?」
「はい」
「じゃ、その時に」
 コーヒーの缶を振ってみせる。それを合図にするように、水無瀬夕実は、教
室から出て行った。


 当初、初音が考えていたほど沙奈子が荒れなかったのは、何だかんだ言いつ
つも、沙奈子も興味があったからだろう、と、百合野は言う。
「ぜーったい、認めないだろうけどねー」
「……そんな、感じ」
 えーえー、あんたは行きなさいよ、見も知らない先輩にくっ付いてっ……と、
まあ、それでも暫し沙奈子は荒れまくったものだが。
 
「あれはね、沙奈子、あんたに先手取られたからだと思うよ」
「……え……でも」
「あたしも驚いたもん。見てみたいです、なんて最初から強気でさ」
「だって、見てみたかったし」
「そなんだけどね」
 頬杖をついたまま、百合野は言う。
「……やっぱ、初音って時々わかんないわ」
「そんなことないよ」
「だって、唐突に動くじゃない」
「……もっと、そんなことないよ」
 初音にしてみれば、ごく当然のこと、動きたい時に動いているわけなのだが。
「まあ、いいけどあたしは。興味あるしさ」
 最終的に百合野が『いーじゃないの、どーせ約束も何も無いし、見る価値あ
るよって向こうが言うんだし』と、いつもの調子でほこほこ言い、沙奈子も渋々
ながら賛同したわけなのだが。
 その余波が完全に収まっていないのは、初音と百合野が二人で昼食をぱくつ
いている、この現状に如実に現れていると言えるだろう。
 4つ向こうの机で、沙奈子はあっちゃ向いたままお握りを食べている。

「……でもさー」
「?」
「正直なこと言うとね、あの先輩だけは不思議」
 二つ目のお握りの包みを剥ぎ取りながら、百合野は声をひそめた。
「……って?」
「あの先輩、あたし見たことないのよね、今まで」
 コーヒー牛乳の紙パックに延ばしかけた初音の手が止まった。
「……百合野が?」
 百合野の芋蔓人脈は、同学年はもとより先輩後輩の間でも有名である。どう
やってかは知らないが、『友達の友達はまた友達』的に、百合野の人脈は広範
囲に渡る。初音にはとても理解の出来ない離れ業である。
「広瀬先輩に聞いてみようとは思うんだけど、先輩、今の時期めっからなくて
ねー」
「今の時期?」
「うん、試験前とクラスのクリスマス会みたいなのと部活のそれと自分の彼女
の相手と」
「……うーわー」
「何か、とにかくどこ行っても走り回ってるらしくて。先輩の彼女も一体どこ
にいるんだかよくわかんないって言ってたし」
「その、先輩の彼女は、知らないのかな」
「知らないよ。学年違うし」
「うーん」
「だから、広瀬先輩の同級生、数人捕まえたんだけど……知らないって」
「……うーん……」
 まあ勿論、だからといって彼女の言葉が当てにならないとは限らない。ここ
はコルチキンタワーである。横で学んでいる学生が幽霊だと判っても、『あ、
そう』で片付けられるくらいには皆、その手の事件にすれてしまっている。互
いに一度も見たことの無い同級生がいるくらい、何の不思議でもない。
「何者だ一体、までは思わないけど、ちょっと不思議なのは事実なんだよね」
「……確かに」
 
 ほんとのクリスマス、見てみたくない? 
 今の時代に、そう、さらっと言えてしまう人というのは……やはり多少変わっ
ているとは、初音だって思うのだ。

「でも」
「何」
「悪い人じゃ、ないと思う」
「ん……」
 くしゃ、と、ゴミを丸めて、百合野は肩を竦める。
「……確かに、そーなんだけどね」

 ほんとのクリスマス、見てみたくない?
 そうやって口に出せる人なのだから。
 
「だから、楽しみにして、良いと思う」
「……まーねえ」

 苦笑混じりに百合野は頷いたが、そのまま笑いを、多少意地悪そうなものへ
と移行させる。
「ねえ、その言葉、沙奈子にも言う?」
「……」

 向こうの席で、沙奈子は丁度昼食を終えたようだった。机の上のゴミをまる
めて、えいとゴミ箱に放り投げる。
 その肩のあたりが……何だかまだ、怒っていて。

「やめとく」
 くすくす、と、百合野が笑った。


*****************************:

 というわけで。
 次に、後編を送ります。
 ではでは。


    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage