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Date: Thu, 20 Dec 2001 19:26:57 +0900 (JST)
From: ごんべ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 23235] Re: [HA06P] エピソード『渋柿ぴー、悩む』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200112201026.TAA50737@www.mahoroba.ne.jp>
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X-Mail-Count: 23235
2001年12月20日:19時26分56秒
Sub:Re: [HA06P] エピソード『渋柿ぴー、悩む』:
From:ごんべ
ごんべです。
アキトさんの渋柿ぴーEPについて、希望&IRCでの予告通り、白犬に絡めて
続けてみることにします。
いずみさん、チェックをお願いします。
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>エピソード『渋柿ぴー、悩む』
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渋柿ぴー、我に返る
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渋柿 :「はあっ、はあっ、はあっ……」
無道邸から離れたところまで走ってきて、肩で息をしながらようやく渋柿は
足を止めた。
渋柿 :「…………よく……考えたら……(はあっ、はあっ)………
:…なぜ……私の方が、逃げなきゃならないんだ?!」
気付くのが遅い。(笑)
もう一度よく考えてみよう。
渋柿 :「………………………………」(たちまち真っ赤)
気持ちは分かる(笑)。やっぱり恥ずかしいよね。
でも、既に無道邸から2〜3キロは離れていたりするんだが、逃げ過ぎじゃな
いか?(ぉぃ)
渋柿ぴー、後悔する
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渋柿 :「……ちょっと……まずかったかな……」
口に出して言うと、別の意味での恥ずかしさと、悪いことをしたという気持
ちとが頭をもたげて、胸をちくりと刺す。
振り返るが、既に屋敷は見えず。そして、戻るのはもっと恥ずかしいような
気がした。かと言って、甘夏もいるあの屋敷に、戻らないわけにもいかず。
渋柿 :「…………どうしよう」
名案があるわけでもなく、一人立ち尽くす。
冷静になってみて、途方に暮れて、急に風の冷たさを感じる。
渋柿 :「…………」(とぽとぽ)
ずっとそうしているわけにもいかず、いつしか、どこへともなく歩き出す。
夕暮れの近い寂しい道は、何もかもが淡い灰色と朱の色にかすんで見えて、
一層もの寒く見える。
渋柿 :「……寒い……」
狼の記憶を知るひとと、渋柿ぴー
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その時。
?? :『おや……こんなところにいたかね』
誰かの声が、聞こえたような気がした。
渋柿 :「……え?」
顔を上げた渋柿の目に映ったのは。
真っ白でふさふさとした毛並みを持つ、大きな大きな犬だった。
どのくらい大きいかというと、頭の位置が彼女の胸の高さに迫るほど大きい。
白犬 :『いや。ここしばらく、街の中で狼の“匂い”がしていた
:からね。どんな狼(ひと)が来ているのだろうと思っていた
:のだが』
人の暮らしに慣れて忘れかけていたが、今彼女は犬の言葉を聞いているのだ。
その姿もあたかも、おっとりした表情のしかしがっしりとした大男が、優し
い眼差しで自分を見つめているかのように見える。
白犬 :『ようやくお目にかかれたね(笑)』
白い犬は、一層目を細めて笑った。
渋柿 :「(…な、何だ、いつの間にっ?! 誰なんだ、このひとっ??)」
:(どぎまぎ)
放心状態が正気に返るには、ちょうど良かったかも知れない。
白犬 :『びっくりさせてすまんね。人として暮らしていれば犬と
:話す機会も無いだろうから、驚くのも無理はないな』
渋柿 :「(う……)……その……狼って……わかるんですか?」
:(ちょっと警戒)
白犬 :『私は“匂い”を知っているからね。他の犬はどうか知ら
:んが』
まさか初対面の犬がそんな長生きとは判るわけがないから、ますます理解の
外である。
渋柿ぴー、戸惑う
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白犬 :『身構えることも無いとも(笑)。今日は、お互い会うこと
:ができて、挨拶をできただけでも良しとしよう。これから
:もたびたび見かけると思うが、よろしく頼むよ。この街に
:住むんだろう?』
おそらくそうだろう。
しかし、つい出てしまった返事は。
渋柿 :「……わかりません」
……そんな言葉。
白犬 :『そうかね』
渋柿 :「………………」
白犬 :『どうかしたのかね?』
渋柿 :「いえ、その……(あ、ダメだ、おかしいと思われてしま
:うっ!) あの、別に、お屋敷に帰れないとか、そんなこ
:とじゃないんです、決して」
そこまでは訊かれてないって。
白犬 :『……屋敷?』
渋柿 :「あ……」(真っ赤っか)
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だいぶ進めておきながら、とんでもないところで一旦切ってみたり。
修正、加筆、追加進行、ご意見ご感想等、どなたでもお待ちしております。
悩みを聞いてもいいし、聞かないで何となく一緒にいてもいいし、元気づけ
られて屋敷に帰るのでもいいし。>渋柿ぴー
帰らないなら帰らないで、白犬のねぐらにご案内するというプランもありま
す(w
問題は食事と、無道邸への連絡かな? 小銭なら何とか手に入ると思うけど。
以上です。ではでは。
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ごんべ
gombe@gombe.org