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Date: Thu, 8 Nov 2001 06:56:22 +0900
From: "Kato" <az7k-ktu@asahi-net.or.jp>
Subject: [KATARIBE 22906] [HA06P] エピソード『お昼の時間です。』
To: <kataribe-ml@trpg.net>
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月影れあなです。
今回は、宗谷君の学生生活です。姉ちゃんは出ません。
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エピソード『お昼の時間です。』
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登場人物
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月影宗谷 :外見美少女少年、普段は傍観者に回ることが多い。
友人E :宗谷の友人其の一、典型的マッドサイエンティストタイプ。
友人A :同じく其の二、唯一ツッコミのできる常識人。
本文
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チャイムが鳴る、一秒、二秒、教師の授業はまだ終わらないのか!?と微妙
に辺りがざわつき始める。中には教室から半分身体を出している奴もいる。食
堂組の奴らだ。
その一方で、のんびり授業の終わりを待っているのは弁当組。宗谷は弁当組
の一人だった。
宗谷 :「はぁ、やぁっと昼休みだねぇ。」
友人E :「うむ、諸君。それでは昼飯を食そうではないか。あんた
:らの昼飯は何だ?」
宗谷 :「ぼくのは姉ちゃんに作ってもらったハンバーグ弁当だよ。」
友人A :「それは、豪勢だね。」
宗谷 :「昨日の残りだからそうでもないよ。」
友人E :「ふっふっふ、その程度でいい気になるなよ宗谷。見よ!
:我が弁当を!!」
取り出した箱の中には、なんとも形容しがたい謎の物質が転がっている。
友人A :「……なに、これは?」
友人E :「ふっはっはっは、諸君ら凡人の脳味噌のでも理解できる
:ようにあえて安易な呼び方で言うと『メカの素』という名
:になるのだ!」
友人A :「……するとおまえがこれを食べると助っ人のちびっこロ
:ボットが今週のビックリドッキリメカと言わんばかりに飛
:び出てくるわけなのか?」
友人E :「うむ、そういう事になる。」
友人A :(ふいの頭痛に頭を抑える。)
宗谷 :「わぁ、すごい!(よく分かっていない)」
友人A :「素直に驚くなよ宗谷。こいつの言ってることの八割はで
:たらめで残り二割は誇大妄想に過ぎないんだから。」
宗谷 :「そうなの?」
友人E :「言い方は多少引っかかるが、良くぞ見破った。ほんとの
:所、これはメカの素ではない。」
友人A :「(一体今の嘘には何の意味があるんだか……)で、結局
:なんなんだよ?」
友人E :「うむ、我輩の開発した万能自動調理機械、愛称『鉄人ピ
:モギョ君』の調理した試作料理『かがくごはん』だ。」
宗谷 :「かやくごはん?」
友人E :「否!か・が・く・ご・は・ん!!」
友人A :「いや、僕的には『ピモギョ君』ってとこに引っかかるん
:だけど……まぁ、どっちにせよバカっぽいことに変わりは
:無いね。」
友人E :「バカではない、天才だ!!そういうお前の昼飯はなんな
:のだ!?」
友人A :「うん、海苔弁だけど。」
しかし、空けた弁当箱には白い御飯しか入っていない。
宗谷 :「海苔はどこにあるの?」
友人A :「湿気ると嫌なんで別にしてあるんだ。」
鞄の中から海苔、おかか、醤油、次々と取り出し、海苔弁を完成させていく。
宗谷 :「すごいすごい(嬉しそうに手を叩く)」
友人E :「……乾燥剤まで入っているではないか……」
と、Eはなにやらいきなり乾燥剤の袋を破り始めた。
宗谷 :「何してるの?」
友人E :「(鼻歌歌いながら)別に何も……よし!」
破いた袋の中にお茶を注ぐと、無理やりAの手のひらに押し込む。
宗谷 :「なに?なに?(興味深そうに覗き込む)」
友人A :「?……ぅわっっちぃっ!!!」
しばらく不思議そうな顔をしていたAだったが、いきなり叫び声を上げると
袋を床に叩きつけようとする。
友人E :「おっと、下手に扱うと学校が火事になるぞよ。」
その言葉に一瞬躊躇するAだったが、すぐに廊下へと駆け出していく。しば
らくすると、先ほどに倍する悲鳴がこちらまで響いてきた。
友人E :「ふん、愚か者め。」
宗谷 :「なっ、なに!?どうしたの(おろおろする)」
友人E :「簡単なことだ、乾燥剤に使われる酸化カルシウムに水を
:加えると発熱する。それで火傷をしたんだ。急に熱くなっ
:たんで恐らく水をかければ良いと水道へ向かったんだろう。
:全くの逆効果と知らずにな。」
しばらくすると手を真っ赤にしたAが戻ってきた。
友人A :「(思いっきり恨めしそうに)E〜〜〜!」
友人E :「あっ、そうだA。」
友人A :「なんだ!?何か言い訳があるなら言ってみろ!!」
友人E :「火事になるってのな、あれジョーダンだ。」
友人A :「おまっ……!」
宗谷 :「E!Aにあやまりなさい!!」
友人A :「……!?(途中を言葉で遮られて驚いている)」
友人E :「え…あ……(普段おっとりしてる宗谷に怒鳴られてビッ
:クリしてる)」
宗谷 :「悪戯にも限度があるでしょ!Aが火傷しちゃったじゃな
:いか!!めっ、あやまりなさい!!」
友人E :「あ、ああ。すまんA、やりすぎた。(今時『めっ』は無
:いのではないか?)」
友人A :「いいさ、別にたいした火傷でもないし。(『めっ』……
:?)」
宗谷 :「仲直りだね(にこっ)」
友人E :「うむ、せめてもの罪滅ぼしとして我輩が開発した万能回
:復新薬ε型、愛称『火傷なおーる君』をば……」
友人A :「……おまえ、最初からそれが目的で火傷させたろ。」
友人E :「ふっ、ふっはっはっはっはっはっはっはぁ!!!!!」
友人A :「笑って誤魔化すな!!」
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宗谷君はどんな学校生活を送ってるのだろうなぁ、と思って書きました。
性格から積極的にボケたりつっこんだりするタイプじゃないしなぁ、やっぱり周り
の個性が強くなるか……ってな感じ。
お察しの方もいるかもしれませんが、友人Eはいくらか前キャラチャでいきなり出
した『謎の観客』と同じ人です。なんか気に入ってしまったので思わず再登場させて
しまいました。
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月影れあな => az7k-ktu@asahi-net.or.jp
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