[KATARIBE 22868] [HA06P] 宗谷君カツアゲされる!?

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Date: Sun, 4 Nov 2001 22:20:03 +0900
From: "Kato" <az7k-ktu@asahi-net.or.jp>
Subject: [KATARIBE 22868] [HA06P] 宗谷君カツアゲされる!?
To: <kataribe-ml@trpg.net>
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 毎度おおきに、月影れあなでおま。

 さて、またまた宗谷君と鈴鹿さんの話です。今回はエキストラとして不良さんを出
演させました。

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エピソード『宗谷君カツアゲされる!?』
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登場人物
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 月影宗谷 :かなりズレた外見美少女少年。
 月影鈴鹿 :宗谷の姉。一見おっとり系和風美少女だが、実は鬼である。

本文
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 日も沈んで、夜の顔を見せる吹利の街。

 宗谷  :「ういぃ、すっかり暗くなっちゃった。」

 宗谷は早足に家へと向かっていた。近所の書店で立ち読みをしていたため、
辺りはすっかり暗くなってしまった。と、そこに……

 不良A :「よぅ、嬢ちゃんよぉ」
 不良B :「ぼくらと遊ばなぁい?」

 突如進行方向に立ちはだかる二人のガラの悪い少年に、宗谷は足を止めた。

 宗谷  :「えっ、あのっ、違います。」
 不良A :「あっ?何が違うってんだよ!?」
 不良B :「かぁわいぃ、怖がってんぜ。」
 宗谷  :「そうじゃなくって、ぼく男なんですけど。」
 不良A&B :『はっ?』

 思わずハモるA&B。まじまじと宗谷を見つめ直す。何処からどう見ても女
の子にしか見えない。強いて言うなら胸がすこし少ない気もするが、スレンダ
ーだと言ってしまえばそれまでだ。

 不良A :「はぁ、何言ってんの?どう見ても女の子じゃん。」
 不良B :「ダメだよぉ?怖いからってウソ言って逃げようとしちゃ。」
 宗谷  :「う〜ん、困ったなぁ……そうだ!」

 なにやら思いついたらしく、カバンをごそごそと探り始める。取り出したの
は一冊の手帳だった。

 宗谷  :「はい、これ生徒手帳。」

 最初のページを開いて見せる。にっこり笑った宗谷の写真の横には『月影宗
谷・生年月日昭和62年8月27日・(男)』の文字が確かにある。顔を見合わせ
るAとB。

 不良A :「(おい、こいつマジ男じゃん?)」
 不良B :「(どうすっよ?オレそっちの趣味ねぇぜ?)」
 不良A :「(仕方ねぇ、カツアゲでもすっべ。)」

 話がまとまったのか、気を取り直して宗谷のほうを向く。

 不良A :「よぉ、ぼく。オレら財布落としちまって、いま金ねえん
  :だわ。悪いけど貸してくんない?」
 宗谷  :「大変だね、いいよ。」
 不良B :「へっ?おい!金出せって言ってんだぜ?」
 宗谷  :「?うん。ぼくはここから歩いて帰るし。」

 と、ポケットから財布を取り出す。中に入ってるのは百円玉が数枚だけ。

 宗谷  :「あれ?ちょっとしか残ってないや。」
 不良A :「はぁ?そんだけの金でどうしろってんだ?おらぁ!?」
 不良B :「ほんとはもっと持ってんだろ!?ジャンプしてみろや!」
 宗谷  :「仕方ないね、姉ちゃんを呼んでお金貸してもらおう。」

 すぅっと息を吸い込むと、腹に力を込め、虚空に向かって叫ぶ。

 宗谷  :「ねぇぇちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!(絶叫)」
 不良A :「わっ、バカ!」

 慌てて口を抑えようと手を出すA。が、ふいに横から伸ばされた手によって
ガシっと簡単に掴まれる。
 ハッとそちらを見ると、そこにはいつの間にか一人の女性が立っていた。
 腕を引く、万力で固定されたようにびくともしない。文句を言おうとそちら
を睨みつけ……
 る事は出来なかった。
 相手の目を見るだけで、あまりの迫力に居竦まされる。睨まれているわけで
はない。ただじっと見つめられるだけで、全身が岩のように硬くなっていく。
横を見ると、Bも同じ様な様子だ。

 宗谷  :「あっ、姉ちゃん。(にこ)」
 鈴鹿  :「どうかしましたか、宗谷さん?」
 宗谷  :「あのね、この人たちが財布落としちゃって、お金貸して
  :欲しいんだって。」
 鈴鹿  :「そうでしたか。」
 不良A&B :『ひぃっ(ビクッ!!)』

 鈴鹿の視線がゆっくりとこちらに向けられる。それだけで全身が引きつるの
を意識した。恐怖のあまり、失神しそうになる。

 鈴鹿  :「大変ですわね(にこ)」

 微笑と共に金縛りが解けた。しかし、恐怖にはいっそうきつく縛られる。考
えるより先に足が動いていた。

 不良A&B :『うあああああああああ!!!!!!(全力疾走でその場
  :を逃げ去る)』
 宗谷  :「(きょとんとして)どうしたんだろ、急に。」
 鈴鹿  :「さぁ、どうしたんでしょうね(にこにこ)」
 宗谷  :「うぃ、まあいいか。ところで姉ちゃん、今日の晩御飯何?」
 鈴鹿  :「うふふ、家に着くまで内緒ですわ。」
 宗谷  :「え〜〜、教えてよぉ!」

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 と、こんな感じ。
 うみ、姉ちゃん最強!ちなみに、突然現れたのは神通力の天眼通(千里眼)と神足
通(瞬間移動)の合わせ技故にです。
 まぁ、まがりなりにも鬼姫ですから、この程度の芸当は御茶の子さいさいさぁね。

月影れあな => az7k-ktu@asahi-net.or.jp



    

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