[KATARIBE 22340] [BM] ラシーナ連合国概要(長文注意)

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Date: Thu, 06 Sep 2001 00:11:19 +0900
From: Makoto KURUWANO <trap@stbbs.net>
Subject: [KATARIBE 22340] [BM] ラシーナ連合国概要(長文注意)
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真琴@ブルームーン普及委員会(笑)です。

国家設定第一弾。帝国南方に位置する商業国家・ラシーナ連合国設定概要です。
少々分量がおおいので注意。

ブルームーン:国家設定:商業同盟国家・ラシーナ連合国(四大家国家)
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国家概要
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 複数の都市国家を合併・吸収して成立した同盟国家。四大家と呼ばれる、豪商四家が支配権を握る。商業と交易が盛んであり、大都市においては商人による合議制政治が敷かれている。

歴史背景・建国概要
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 元来、帝国南方は多数の小都市国家が林立する地帯であったが、いまからおよそ百年前、各地で激化する軍事強化や戦争に対するため、当時都市国家間では強大な力をもっていた豪商四家が中心となり、各国家を合併して成立したのがラシーナ連合国である。
 このとき中心となった豪商たちを四大家と呼び、現在に至るまで政治・権力の中枢を握っている。四大家の内訳は、ホーランド家・カデナ家・ダヴィオン家・ワトキンソン家という四家であったが、今から二十年ほど前にワトキンソン家が事故で滅亡し、現在は新興のウィルシャー家が四大家の一員となっている。

国際情勢・立場
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 建国百年少々と歴史の浅い国家ではあるが、国内に肥沃な穀倉地帯を抱えており、交易と商業を主な産業とし、飛空艇の補給都市としても確立した地位をもつため、国際的には無視できない勢力として認識されている。特に飛空艇乗りにとっては、所属国家に関係なく補給のできる補給都市として、高い評価と友好的関係を築きあげている。
 反面、鉱物資源については壊滅的状況であり、各種の金属や飛行石については、周辺諸国との交易に頼るところ大である。
 また、建国の経緯をみても明らかな通り、元が小国の集まりのために内部での動乱や陰謀劇も多く、四大家の関係もからんで、決して一枚板の国家ではない。それに加えて、国力に対してかなり低い軍事力(各商人や四大家の私兵が大半を占め、国家固有の軍隊がかなり少ない)ことが弱点であろう。

風土
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 気候は基本的に冬季多雨気候。ただし内陸は温暖温澗気候に近く、作物の育成に適した土壌となっている。中部穀倉地域での主な産物は小麦・大麦、極一部で稲作など。沿岸部では果樹栽培が主体。
 国民の気質としては奔放。自由を貴び、規律を好まないといわれる。商人主導のお国柄か、約束や契約に対する姿勢は厳格で、虚偽や詐欺は重罪として扱われ、誠実さが好まれる。
 人口は全国土あわせて、およそ40万人。国民総数に対する商人の比率が非常に高い(他国家のおよそ倍数)。

支配領域
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 ラシーナ連合国は、大きく四つの地域に大別され、各地域を四大家それぞれが統治している。(別図参照:http://kataribe.com/BM/M/map-rashna.jpg)
 ・東部地域
 支配家は四大家第三位・ダヴィオン家。行政都市(地域毎の政治が行われる、「地域の首都」。政治形態(後述)も参照のこと)はガルボ市。
 陸路におけるラシーナ連合国の表玄関といえるのがこの地方である。背後に帝国を抱える関係上、軍備が他の地域より充実しており、支配家の気質とあいまって、奔放な同国家の中では、比較的規律を重んじる土地柄である。北方との交易が盛んな地域で、その関係上、この国の中では比較的鉱物資源に恵まれており、飛空挺や飛船の造船所などの工業施設もこの地方に多い。

 ・西部地域
 支配家は四大家第四位・ウィルシャー家。行政都市はアーリア市。現在の首都でもある。
 南東国家(詳細未定)との交易が盛んであり、その影響から独特の文化をもっている。芸術方面、特にガラス工芸が有名であり、同地域の商人達の主要取扱品ともなっている。
 また、支配家のウィルシャー家が国内一の数の飛空挺を抱えるため、飛空挺の補給都市も多く、飛空挺乗りにとっての「空の玄関」である。
 気風はあけすけで新進的。近年もっとも成長している地域である。

 ・南部地域
 支配家は四大家第一位・ホーランド家。行政都市はオニックス市。
 ラシーナ連合国の中で最古の都市であるオニックス市が行政都市のためか、伝統を重んじる土地柄である。
 東に位置する小都市国家群との交易が主産業であり、広い範囲を沿岸地が占める、「海の玄関」というべき地域である。
 西部地域同様、芸術にて高い評価があるが、有名なのは伝統的な宝石細工と磁器である。

 ・中部地域
 支配家は四大家第二位・カデナ家。行政都市はポーミン市。肥沃な穀倉地帯を抱え、農業が盛んである。また、国内貿易の要衝でもあり、小規模な商人の多い地域でもある。
 気風は朴訥。ラシーナ連合国で唯一主要産業が交易でないこともあり、非常に穏やかな土地柄である。
 各地の名産品、貴重品が集まってくる地域であるため、国民は比較的豊かなことが多い。

政治形態
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 基本的に政治については各地域単位で決定され、行政都市において支配家・有力商人・軍事責任者などによる合議会にて決定される。最終決定権は支配家がもつ。
 行政も同様で、各地域の有力商人達が領主としての権限を与えられ、徴税や人民管理などを行う。任命権は各支配家および合議会にあるが、一定以上の権限を持つ役職については四大家の合議(後述)にて決定される。

 国家間外交や軍備など、国単位の問題に対しては、四大家代表がその時の首都に集まり合議を行う。最終決定権は四大家総代にあるが、諸般の事情(利権、対立関係などによる)から、行使されることは少ない。

 四大家総代は終身制であり、前任の総代が死亡した際に、四大家合議にて決定される。総代は国家代表の立場にあり、政治の最終権限を持つ。
 また、総代選出の際、首都も新総代の統治地域に移行される。現在の総代は第四位・ウィルシャー家の当主、ロアン・ウィルシャー、首都はウィルシャー家の統治地域である西部地域の行政都市(アーリア市)である。

文化
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 交易を主体とする国のため、大陸各地の文化が交じり合い、独特の文化を形成している。ただし、各地域が主に交易している相手の影響が強く、西部地域と南部地域では、芸術性や食文化に大幅な違いが有る。
 西部地域では、南東国家の影響により、大胆なファッション、ダイナミックな芸術性が賞賛され、香辛料が大量に入手されることからスパイスの効いた料理がおおいが、南部では、伝統的な落ち着いた芸術性が重視され、料理も薄味で素材を生かしたものが多い。
 芸術家達は、「西部ラシーナ様式」「南部ラシーナ様式」のように、産出地域により呼び分けているようである。

軍備
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 先にあげたとおり、軍備に関しては遅れているのが実情である。基本として傭兵主体の軍事体系を取っており、軍事総指揮ハンス・ダヴィオンを筆頭として、その直下に各家より派遣された人員による騎士団およそ500名、その下に、傭兵による戦闘集団およそ3000名がいる。
 平時は、各都市に配分され、治安維持や内政補佐を行う。
 その他、特別部隊として飛空挺12隻からなる航空部隊が存在し、これは平時は国内輸送の任を負っている。
 これら国家単位の軍隊のほか、各商人が個々に雇っている私兵が存在し、有事の際にはこれら私兵に頼るところが大きいのが実情である。

宗教
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 宗教に関しては特に規則や国教はなく、信教は自由である。
 しかし、国柄、商人の神や旅の神を信仰するものがおおい。

四大家について
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 建国の際に中心となった豪商四家を「建国の四大家」、通称四大家と呼ぶ。彼らが、ラシーナ連合国の政治中枢を握っている。元々の四大家は、ホーランド家・カデナ家・ダヴィオン家・ワトキンソン家であったが、二十年ほど前にワトキンソン家が滅亡した際、当時急激に頭角を現していたウィルシャー家がその後継として選ばれた。
 現在の四大家と席次、当主は以下のとおり。

 第一位 ホーランド家  当主はステファナ・ホーランド。
 第二位 カデナ家    当主はウィルバルト・カデナ。
 第三位 ダヴィオン家  当主はハンス・ダヴィオン。
 第四位 ウィルシャー家 当主はロアン・ウィルシャー。

 この席次は、基本的に変化することはなく、現在の勢力とは多少異なる。また、席次に因らず、各家は同等の権限をもつ。
 四大家の立場は永世で、滅亡や亡命、離反が有ったときにのみ補充が行われることとなっている。ラシーナ百年余の歴史の中で、実際に補充が行われたのはウィルシャー家のみである。
 各家の仲は、権益等をめぐる諍いの為、あまりよくはない。特に、ホーランド家とダヴィオン家、カデナ家と間柄は「犬猿の仲」というべきもので、公式非公式に数々の陰謀が繰り広げられているといわれている。

ホーランド家
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 四大家第一位。本拠地はオニックス市。南部地域を統治する。
 小都市国家との交易権を掌握している、四大家でもっとも歴史の古い家である。
 伝統と格式を重んじ、最古参の家であることを誇りに思っている。
 海運交易を重視しており、最大級の帆船交易隊をもつ。
 特筆すべき人物は以下のとおり。

・ホーランド家当主:「吹雪姫」ステファナ・ホーランド(18)
 15にして四大家の一つを継いだ若き女当主。
 性格は冷静沈着にして冷徹。部下の失敗を許さず、己にも他者にも厳しい。
 当主に任命されて最初の交易行の最中に空賊に襲撃された際、みずから剣を振るい二桁の数の空賊を退けた逸話なども有り、その美貌とあわせて「近づいただけで凍る吹雪の姫」の渾名のもと畏怖される存在である。
 普段はオニックス市にて内政や、直轄の交易隊の管理を行っているが、自分自身が交易隊を指揮することも有る。

・ホーランド家交易隊総指揮:「生きる天秤」マッコイ・グランゼ(56)
 ホーランド家の交易総責任者。実質上の実務総指揮も兼ねる。
 「厳格」を絵に描いたような人物で、公平を旨とする。商人としても実務官としてもまちがいなく一流で、機を見る目の鋭さと、その辣腕ぶりから、どの商人も一目置く人物である。

カデナ家
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 四大家第二位。本拠地はボーミン市。中部地域を統治する。
 国内の穀倉地帯と、それに伴う農業・牧畜を掌握している。
 四大家のなかでは交易を重視していないという点において異色の存在といえるかもしれない。
 特筆すべき人物は以下のとおり。

・カデナ家当主:「腹で考える」ウィルバルト・カデナ(78)
 齢78にして現役のカデナ家当主。一言で言って狸爺。
 必要と有れば手段を選ばない非情さと、利益になれば平伏して床をなめるだけのえげつなさを兼ね備えた、ある意味での商人の鏡。
 比類ない健啖家かつ美食家で、二つ名はその腹黒さと食卓で生まれる陰謀の数々からきているといわれる。
 普段はボーミン市にて内政を指揮するが、基本的に第一線にでることは少ない。

・カデナ家後継・類感魔術師:「七変化」ヨハン・カデナ(33)
 カデナ家の後継者にして類感魔術師。
 カデナ家の「裏の部分」を指揮する人間で有る。表面上は茫洋とした青年だが、発想と行動の辛辣さは親であるウィルバルト・カデナを上回る。
 変装が得意であり、正体を隠して各地に出没する。

ダヴィオン家
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 四大家第三位。本拠地はガルボ市。東部地域を統治する。
 北方交易を掌握する。もとは第一位ホーランド家の分家であり、気風の違いから対立することが多い。
 地勢上、軍事の総責任を負っており、質実剛健を旨とする。
 特筆すべき人物は以下のとおり。

・ダヴィオン家当主:「金剛壁」ハンス・ダヴィオン(51)
 ダヴイオン家の当主であり、ラシーナ連合国軍事総責任者。
 生まれつきの軍人であり、若いころは傭兵として実戦に赴いていた経歴を持つ。
 「陰謀劇は好まない」という自身の発言通り、小細工を好まず、実務は部下に一任する傾向が有る。
 普段はガルボ市にて軍事関連の指揮をとる。交易に出ることはまずない。

・ダヴィオン家実務総指揮:「五枚舌」イザベラ・ファーレン(81)
 当主に代わり、交易・内政の総指揮をとる遣り手婆。妖怪。
 カデナ家のように陰謀をめぐらせることは少ないもの、人を人とも思わないやり口と、非情なまでの効率重視の考え方から、だれからも蛇蝎のごとく忌み嫌われる存在である。ただし、腕だけはだれもが認める一流。

ウィルシャー家
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 四大家第四位。本拠地はアーリア市。西部地区を統治する。
 南東国家との交易を掌握する。四十年ほど前から一代で急激に勢力を伸ばしてきた家系で、もとは小さな荷馬車商人であった。ワトキンソン家の滅亡により四大家の仲間入りをする。現在の総代家でもある。
 一介の小商人から四大家、国家総代まで上り詰めたウィルシャー家は、国中の商人にとって憧れでもある。
 飛空挺を重視しており、国内最大の数の飛空挺を所持する。正確な数は不明だが、五十以上はほぼ確実とみられる。
 特筆すべき人物は以下のとおり。

・ウィルシャー家当主:「不老王」ロアン・ウィルシャー(年齢不詳、外見年齢は35前後)
 一介の小商人から四大家総代まで一代で上り詰めたウィルシャー家の当主。
 商人としての腕もさることながら、特筆すべきは三十年以上前から変わらない外観である。歴史の表舞台にでたときに、既に現在と同じ風貌であったといわれ、実際、どう考えても60以上の年齢ながら外観は35程度である。
 気さくな性格で、供もつれずに街にでて、商人達と酒を酌み交わすこともある。
 急激に頭角を現す以前の経歴がまったくわからないなど、いろいろな意味で謎の多い人物である。
 普段はみずから交易隊を率いて交易行にでており、アーリア市にいることは少ない。

・ウィルシャー家後継・飛空挺団隊長:「小旋風」ロウ・ウィルシャー(17)
 ウィルシャー家の後継者であり、ラシーナ連合国飛空挺団隊長。
 一言で言って元気な小僧。街中の不良を集めて自警団の親玉に居座ったり、大商人の子弟達と飛船を駆って遊び回るなと、型破りな行動の目立つ少年である。
 チューナーの才をもち、操船の技術も一級。国内の空の自衛を一手に引き受ける。

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Makoto KURUWANO
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