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Date: Sun, 22 Apr 2001 23:02:01 +0900 (JST)
From: いずみ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 21592] [HA06P] エピソード『出雲大輔が修繕の役を受けたわけ』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200104221402.XAA06662@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 21592
2001年04月22日:23時02分00秒
Sub:[HA06P]エピソード『出雲大輔が修繕の役を受けたわけ』:
From:いずみ
エピソード『出雲大輔が修繕の役を受けたわけ』
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登場人物
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出雲大輔(いずも・だいすけ):
:召喚絵師、出雲鄭雲の孫の孫。召喚絵師。
神田川英次(かんだがわ・えいじ):
:大輔と真奈の目付け役。出雲鄭雲記念館の学芸員。忍者。
本編
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父の叔母、祖父の妹である緑おばさんが亡くなった。
吹利県上代郡上那岐村といえばうちの実家からもそう遠くないのだが、自分
は緑おばさんとは面識がなかったりする。
聞いた話では、父は叔母が苦手だったらしく、嫌っているわけではないのだ
がなかなか会いづらかったそうな。
ただ……亡くなったとなれば、葬式にいかないわけにもいかない。
そうして父は、何十年と会わなかった叔母と対面することとなった。
それが一ヶ月前、梅雨も明けぬ頃。
……で、今、何故か自分がここにいる。
ここというのは、緑おばさんが亡くなる直前まで作業を続けていた場所。
具体的には、おばさんの祖父、うちの父の父の祖父にあたる出雲鄭雲という
ご先祖様の生家。
召喚絵師、出雲鄭雲のアトリエ。
そりゃぁ何故かというのは分かっているけど。
なんでまた?、というのはあるかもしれない。
葬式から帰ってきた父が、自分を呼びだして聞かせた話。
出雲鄭雲という召喚絵師のご先祖がいて、その作品の保存と修復の作業をし
ていた父の叔母、緑さんが亡くなった。
父の叔母というくらいだから当然高齢でいつ亡くなってもおかしくはなかっ
たので、それは特に驚くようなことでない。
ただし、作品の保存、修復を引き継ぐ者がいなくなってしまったというのは
非常にまずいことである。
へぇへぇ、それは大変だ。
それで引き継ぐ者を神田川……叔母の家で検討した結果、お前が適任だとい
うことになった。どうだ?
……なんでまた?
結局のところ、叔母の希望はうちの父をその役につかせることだったらしい。
それもはるかむかーし昔から。
それを父がすっぽかし続けて、結果、どうにもならない所まで来てしまった。
後任がいない。後任がいない。
そして、一つ飛ばして結局自分のところへ。うー。
大輔 :「でも、そんなの経験がある人間がつけばよいだけじゃな
:いんですか? ド素人に一から教えていかなくても」
英次 :「普通の絵ならそうだろうけどな。鄭雲の絵だぞ? 召喚
:絵師、出雲鄭雲の?」
大輔 :「うん?」
英次 :「命込めようって絵にただ絵具ぬりたくってみても、全然
:意味ないでしょが」
大輔 :「はぁ、そうなんですか」
英次 :「……あーーーー、まぁいいけどな。今からそのあたり理
:解していってもらうから」
大輔 :「なんかまずいこといったかなぁ」
英次 :「知らないことはしかたない。知ろうとしないわけじゃな
:いので見込みはある。そういうことにしとこう」
大輔 :「ふぅ」
英次 :「じゃまぁ荷物下ろして、引っ越しするとしようか」
大輔 :「あ、はい」
とりあえず新しい生活の第一歩。
時系列
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1997夏
解説
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大輔が鄭雲の家に着いた話。
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