[KATARIBE 21489] [HA06JP]J エピソード『アルヒハレノヒ』

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Date: Wed, 4 Apr 2001 01:37:45 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 21489] [HA06JP]J エピソード『アルヒハレノヒ』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200104031637.BAA76733@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 21489

2001年04月04日:01時37分45秒
Sub:[HA06JP]Jエピソード『アルヒハレノヒ』:
From:E.R


こんにちは、E.R@見るべきものは見つ(だんのうら〜)です。
#で……これのモトネタ分かるひといるのかな(苦笑)

こういうログがありましたので、何となくまとめてしまいました。
対応するのは、#kataribe の、20010307、時刻は00:45あたりから、01:49あたりまでです。
(をを、正味一時間じゃないか)

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Jエピソード『アルヒハレノヒ』
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承前:それは電波から始まった……
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 正しい吸血鬼対策について。
 ある、静かなる電脳空間で会話があったとしよう。

『ニンニクが弱点って迷信はどっから来たんだろうね』
『うーむ』
『正しくは、豆を撒いておくんだ。
  すると吸血鬼は几帳面だから、数えているうちに朝になるんだ』
 
 ……ほんとですかい(汗)

『これは本当だぞ』
『豆とか米とか撒くと、数えずにはいられないそうな(笑)』

 そして、致命的な電波が一筋飛ぶ。

『千影のひとはどうなんだろう(w』

 それは、電脳空間の居住者のうち、数人の心を捉えて離さない。

『可愛いぞ>数えてる姿』
『んみゅ(笑)』

 そして……電波が一筋流れた。


そして事態は唐突に
------------------

 ある日晴れの日。
 何故か手の上には、可愛い袋の中にぎっしりと詰まった豆が。
 そして、或る衝動。

 珠州子    :「…………(そっ)」

 これもまた何故か、すぐ近くにいた千影に豆の入ったかあいい袋を渡す。

 千影     :「?? 豆ですか?」
 珠州子    :「あ、はい、豆です」

 何故なのだろう。
 自分でも、その衝動は理解が出来ないもので。
 そして、何故か期待していた行動も……理解の出来ないもので(苦笑)。

 珠州子    :「えとあの……あの、美味しいんで、どうぞ(すごすご)」
 鏡介     :「おお、節分というやつデスカー」(じきはずれ)
 千影     :「それはもう終わってるよー」 

 既に、三月を過ぎていたりする(苦笑)。

 珠州子    :「は、はいそーですっ(うわあああんっ)」
        :(あ、あたしは豆をわたそーとか思ってないのにいっ

『思っているのは己です(ふふふふふ)』
『憑かれたんですね』
『そですな(笑)』

 電脳空間の、大して悪意の無い(と言って無害では絶対に無い)会話。
 ……しかし、珠州子がそれを聞き取れる筈も無く。

 珠州子    :(やだあああああっ(大泣)
 鏡介     :「終わってるのか。終わりは始まりであり、始まりは終わ
        :りだ。節を分けた日であるのなら、その分配の瞬間という
        :ものがあるはずだ……(ぶつぶつ)」

 一人でおろおろしている女子高生と、何やらぶつぶつと呟く顔色の悪い青年
と。
 等分に見やって……千影はにこっと笑った。

 千影     :「…んー、なににしても頂いておきますね、ありがとうご
        :ざいます(ニコニコ)」
 珠州子    :「あ、ありがとうございますっ(礼)」
 鏡介     :(なにがしたかったんだろう)

 きーくーな(笑)>鏡介さん


BGMは『カルメン』の『闘牛士』あたりで(笑)
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 まあ、こういう場合、出来ることは多くない。
 というわけで、三十七番目の手段を、珠州子も使うことにしたらしい。

 珠州子    :(てってけてってってー)<逃げた
 鏡介     :(逃げるものを見ると追いたくなる)

 うぎゃ(汗)

 珠州子    :(てけてけてけっ)<頑張って逃げている
 勇那ち    :(その肩にくっついていく)

 唯一人、そこに残った……本来の目的者は。

 千影     :「…なんだったのかなぁ?」

 至極呑気なる、早春の風景ではある。

 ……が。
 珠州子のほうは、それどころではない。
 なんせ、赤い目がぎらぎら光るお兄さんが体をゆらさずについてくるのだ。
 これは……相当に、こあい(汗)。

 珠州子    :(てけてけてけけっ)
 
 擬態語からはそう思えないかもしれないが、それなりに必死なのである。
 しかしっ!

 ふと、いつのまにやら、その目の赤い青年が前に立っている。
 それも逆さ吊りになって。

 鏡介     :「なぜ逃げるのだろう」
 珠州子    :「ひゃああああっ」

 これは。
 確かに、珠州子でなくとも、怖い(苦笑)。

 SE     :へたへたへた(座り込んでいる)

 腰砕け状態で、座り込んでしまった、その背後から。
 この場合、珠州子にとっては救いの手が差し伸べられた。


黒のおじさん×2
----------------

 平田     :「無辜の民を脅かしてはいけない」
 珠州子    :(;_;)

 半泣きになった珠州子の耳にも、その声は聞き覚えのある声として届いた。

 珠州子    :(…………黒いおじさんいいひとだっ(;_;))

 ゆらり、と、目の前の青年が赤い目を彼女の後ろへと向ける。

 鏡介     :「やあ、平田さんじゃないか。どうやら彼女なにかに脅え
        :ているらしい」
 前野     :「君に脅えているんだよ、君に(苦笑)」

 こちらは聞き覚えの無い声に、振り返る。
 やはり黒尽くめのおじさん(おい)が立っている。

 平田     :「これは推測だが、きっとお前に怯えているのだ」
 珠州子    :(こくっ)<無言で頷いている

 女子高生らしい、半透明の誰かが、肩を竦めた。

 勇那ち    :「やっぱり……」
 鏡介     :「ふむ? ほほう。ナルホド、合点がいった。
        :悪気はなかったんだ(ニターリ)」<笑顔
 珠州子    :(………………)

 いあそれが怖いんですけれども(苦笑)。

 勇那ち    :「「追うぞ」って言ってからにするべきだったのよ」
 珠州子    :(ち、違うもん違うもんーーっ)
 平田     :「……それもどうかと」

 取り合えず、矛先が少し逸れている。
 この隙にっ……ではなかろうが。

 SE     :んせんせ(必死で逃げている)
 珠州子    :(ふみゃあああっ(;_;))
 
 平田氏と前野氏の間辺りに逃げたらしい。
 それに構わず。
 
 勇那ち    :「いきなりだと何が始まったか、まず考えないといけないでしょ」
 鏡介     :「そうか。『待て−』とか言うべきだったかもな」

 ふむ、と、深く頷いて。

 鏡介     :「さすが勇那。思いやりがあるね」
 珠州子    :(ぶんぶんっ)<首横振りっ
 勇那ち    :「ちがうちがう。「待てー」だと相手には追いつけないと
        :いう法則があるのよ」
 鏡介     :「なるほど……深いな」
 珠州子    :(ぶんぶんぶんぶんっ)<首横振りっ
 勇那ち    :「やっぱり、「追うぞ。逃げろ」くらいじゃないかしらね
        :(肩をすくめる)」
 鏡介     :「勇那は賢い……」
 珠州子    :(ぶんぶんぶんぶんぶんぶんっ)<首横振り継続中(爆)

 埒があかないのを見て取ってか、黒のおじさんそのニ(おい)が、苦笑交じ
りに珠州子に声をかけた。

 前野     :「まぁ、とりあえず落ち着いて下さい。ひとまず大丈夫で
        :すから(笑)」
 珠州子    :(;_;)<人の情け
 平田     :「奇人だが比較的害はない」
 珠州子    :「……そーなんでしょうか……(汗)」
 平田     :「ただ、何かもちかけられたらはっきり断らないといけな
        :い」
 珠州子    :「……そ、そうなんですか(汗)」
 前野     :「キャッチセールスみたいですね(苦笑)」
 平田     :「まあ、似たようなものだろう」

 害は無い、とはとても思えなかったのだけれども。
 親切な黒のおじさん達が言うことだから、と。
 そろーっと赤い目の青年を見上げる……と。


骨、骨、骨っ
============

 鏡介     :「別に、他意はなかったんだ」(地面からわき上がった白
        :骨にもたれかかる)
 珠州子    :(うみゃあああああああああああああっ)>白骨

 タイミング最高(苦笑)。

 勇那ち    :「鏡ちゃん鏡ちゃん
        :(珠州子さん指して)レディファースト」(やめぃ)
 珠州子    :(あうあうあうー(;_;)
 勇那ち    :「どうぞー(´▽`)」

 レディファーストって、この場合、何?
 掠めた疑問は、一瞬後に見事に氷解した。
 …………とんでもない方法で(苦笑)。

 鏡介     :「(ぽむ)気がつかないでわるい」(白骨が腰砕けの彼女
        :を支える)
 珠州子    :「……ふぎゃあああああああっ」

 こうなると、もう珠州子には一つしかすがるものが無い。
 そして、すがる藁が如何に細くとも、藁がある限りはすがらずにはいられな
いのがまあ人の常。

 珠州子    :(はっし:平田氏のコートの裾を引っ掴んだらしい)
 SE     :ずりずりずりっ(コートを掴んだまま、出来るだけ骨から
        :遠ざかっている)

 鏡介     :「ジェントルマンへの道は厳しいね」
 勇那ち    :「あらら。あわなかったようね」

 ふつーは合わないんです>勇那ちゃん

 勇那ち    :「今後の教訓にしましょ」

 是非お願いしますっ(爆)

 珠州子    :(うみゃああああ(;_;))
 平田     :「普通は驚くだろう」
 前野     :「トラウマになりますよ」
 珠州子    :(すんすんっ)

 完全に、命綱です(苦笑)>平田氏。

 平田     :「大丈夫、ただの骨だ。何も問題ない」
 珠州子    :「……はい(;_;)」
 鏡介     :「次からは肉もつけるとしよう」(半生
 珠州子    :(いらないーーーっ)>鏡介さん

 既に声になってない(苦笑)。

 前野     :「大丈夫ですか……立てます?」
 珠州子    :「……立てます(あうあうあう(;_;))」
 勇那ち    :「だらーん(エネルギーが尽きたので、もたれかかってい
        :る)」
 鏡介     :「(気持ちよく勇那にしなだれかかってる)」


誤解になりそでならない状況
--------------------------

 さて、やっこらせ、で、何とか立ちあがった珠州子に。

 前野     :「……とりあえず、煖でも呼んで送らせましょうか
        :(ピッピッ)」
 珠州子    :「あう、いーです、いーです、大丈夫ですっ」
 平田     :「それがいい」
 珠州子    :(みゃうーーーー)

 なんせ、前野氏とは初顔合わせである。
 唯一の情報は、目の前の赤い目の青年(とても怖い)の知り合い、というこ
とだけである。
 つまり。
 こあいひとの知り合いはこあいものだと思っているらしい(w

 平田     :「向こうの奴が骸骨に送らせようと言い出さないうちにな」
 鏡介     :(またーり)
 珠州子    :「みゃあああああっ(涙)」
 前野     :「ハンカチで鼻と涙を拭いて(苦笑)」

 ひょい、と、差し出されるハンカチを受けとって、顔を埋める。

 珠州子    :「……あう(ぐすぐすっ)」

 もう、顔中ぐしゃぐしゃである(^^;。

 勇那ち    :「ふふ。これはあれね、『邪魔者はここらで退散しましょ
        :うかね(ほっほっほっ)』ていって去る場面ね」」
 珠州子    :(はにゃ?)<意味がわからない
 勇那ち    :「じゃ、あとよろしくー」
 鏡介     :「だね、それじゃ僕らは帰ろうか」(ゆーらゆら)
 前野     :「たはは…(^^;;」

 ぺたこんぺたこんぺたこん。
 いまいち謎の足跡と共に、去ってゆく二人であった。

 珠州子    :「……みゅ(なんのことだかわかってない)」
 平田     :「あいかわらずわけのわからん連中だ」

 その言葉に、ふっと勇那が振り返る。
 勇那ち    :「人と人との出会いを演出する。そうあたしたちは……
        : …………
        : ……まぁいいわ。なんでも」
 鏡介     :「出会いのコーディネーター……愛は僕らからうまれる」
 珠州子    :「………………(なんかちがうきがしている)」
 勇那ち    :「あ、さすがー」
 珠州子    :(それってちがうようちがうようっ(;_;))

 内心の声は、聞こえない。
 まあ……聞こえても聞こえなくても大差ない(諦観)。

 などとやっている間に。

 SE     :……ドドドドド…
 前野     :「来たようですな」

 大き目のバイク。そして運転するのはすらりとした女性。
 
 煖      :「お待たせしました」(どるどるどる…)

 言いながら、メットをはずす。
 ふわ、と、銀色の髪が、肩の辺りで揺れる。

 珠州子    :「…………(あ、綺麗な人)」
 煖      :「あら?」

 目の前の光景。
 平田氏のコートの裾をぎゅーっと掴んでいる女の子。
 
 という、ちょーっと問題な状況に全く構わずに。

 平田     :「荷物はこれだ。家まで送ってやってくれ(指差しながら)」
 珠州子    :(なんかもー、涙目)
 煖      :(しばし沈黙)
 珠州子    :(;_;)

 当然ながら、珠州子がこの沈黙の理由を知っている筈が無い。 
 唯ひたすら『たすけてくらさいっ』の目で煖を見るばかりである。

 平田     :「……?」
 煖      :(平田を見てにっこり笑って)「はい、分かりました」

 誤解を生みそで、生めない状況(苦笑)。

 珠州子    :(;_;)<綺麗で優しいおねーさんと認識>煖ちゃん
 前野     :「安全運転で頼む」

 万事につけそつの無い前野氏は、いつのまにやら手にヘルメットを持って。

 前野     :「はい、ヘルメット」
 珠州子    :「……あ、ありがとうございます(こごえ)」

 ぐす、と、最後に顔を拭いて。

 珠州子    :(ぽふ)<へるめっとかぶっている
 前野     :「家はどの辺りかな?」
 珠州子    :「えとえとあの…………の辺りです」
 前野     :「ふむ……じゃあ、頼んだぞ」
 煖      :「はい、かしこまりました」
 珠州子    :「……す、すみません、よろしくおねがいします…(小声)」
 平田     :「次は変なのに捕まらないようにな」
 珠州子    :「…………(^^;;;;」
 煖      :「では、しっかり掴まってくださいね」
 珠州子    :「あ。……はいっ」

 どるどる、と、それでも安全運転のスピードで、バイクが走り出す。
 適当に見送って、黒尽くめの二名はきびすを返す。

 アルヒハレノヒ。
 春になりかけの、ある日のことである。


解説
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時系列的には、2001年、3月はじめ。


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最初の部分が、どーやってもまともなえぴそどになりそうもなかったので、
このようにJに致しました。
……まあ、そういう話(苦笑)。

ではでは。



    

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