[KATARIBE 21470] [HA06C] 奥の手

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Date: Sun, 1 Apr 2001 17:57:01 +0900
From: "post1.tam.ne.jp" <meigetsu@tam.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 21470] [HA06C]  奥の手
To: kataribe-ml@trpg.net
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初めてなのでとりあえず自キャラだけでやってみました。
しかし一体なんなんだこれは(w
あまりにへぼいのでとりあえず暫定版ということで…

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EP:「奥の手」
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登場人物
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 神崎 鼎/栞(かんざき・かなえ/しおり):一つの肉体に共棲する双子。自衛
                    隊に入れられそうになり家出する
                    が…
                                   
ある午後の風景
--------------

 じゃんじゃんじゃかじゃか じゃんじゃんじゃかじゃか…
まだ日は高いというのにその建物から発せられるネオンの光はとても眩しい。

 鼎      :「……(全く、人間追い詰められるといくらでも卑しくな
        : れるものだね)」
 栞      :「(投資無くして利潤無し。儲けるにはお金を使って何か
        : 始めなければと言ったのはどこのどなたかしらん?)」
 鼎      :「(そんなことは問題じゃない。問題があるとすればなん
        : でまた真昼間からパチンコなのかということだ)」
 栞      :「…(職業に貴賎は無いと言うでしょ)」
 鼎      :「(いい若いもんが昼間からこんな所に出入りしてたら一
        : 昔前なら無理矢理軍隊に入れられても文句は言えないね)」
  
 栞      :「(じゃあパンの代わりにお菓子を食えとでも?)」
 鼎      :「(さっき食べてたじゃないか)」
 栞      :「(駄菓子で生活しろと仰るのね)」

 これまたキンキラ光る入り口の前に立ち尽くす。一応初めてなので入るには
多少の勇気が必要だ。

 鼎      :「はぁぁぁ……(溜息)」


公園にて
--------

 時間は少し遡る。うらぶれた公園のベンチに疲れた表情の女性が腰掛けてい
る。いや実際には男性なのだが見た目にはまるきり女性だ。まだ若く成人には
達してい。サングラスをかけ、脇に大きな荷物を抱えているのが特徴か。身な
りは上から下まで黒づくめ、良く見ると多少くたびれている。要するに彼は家
出人なのだった。

 栞      :「…(悪趣味だなぁ)」
 鼎      :「(なんだい唐突に)」
 栞      :「(普通ハンガリー狂詩曲を聴きつつ守護月天を読むかな)」
 鼎      :「(読んでるのは私じゃない。君だ。それに空いた手でう
        : まい棒を食うのはやめなさい)」
 栞      :「(退屈と腹ペコで死にそうだし)」
 鼎      :「(じゃあ死になさい)」
 栞      :「(意地悪)」
 鼎      :「(第一、計画性が無さ過ぎると思うが)」
 栞      :「(そういうことはあんたの仕事でしょうが)」
 鼎      :「(逃げようと言い出したのは君だ)」
 栞      :「(大体何よ、この国には飢えも貧困も無かったはずじゃ
        : ないの?)」
 鼎      :「(それは多分青島幸雄が国会で決めたのだ)」
 栞      :「(かねのな〜いやつぁ、おれんとこへこいってか)」
 鼎      :「(バカボンのパパもびっくりだ)」
 栞      :「(そーのうちなんとかぁ、なあるだろおう〜)」
 鼎      :「(出来ることなら今すぐなんとかしたいね)」
 栞      :「(くそっ、何もかもあのきちがい軍事ヲタクの親父のせ
        : いだわ)」
 鼎      :「(君が数学と物理の勉強を怠ったのも一因ではないかね
        : ?)」
 栞      :「(あんたが変な趣味にのめりこんだのもね。しかしこん
        : な美形の息子が軍隊に入ったらどんな扱いを受けるか想
        : 像がつかなかったのかしらね)」
 鼎      :「(…軍人にホモが多いなんて酷い偏見じゃないか)」
 栞      :「(飢えた虎の檻に原住民を入れるようなものよ)」
 鼎      :「(随分な比喩だね)」
 栞      :「(なにはともあれ逃げてきた以上は逃げぬくしかないわ)」
 鼎      :「(身も心も財布の中身も寒い状態でいつまで続くってい
        : うんだい?)」
 栞      :「(そう、そうね。まずはお金を儲けるべきよ)」
 鼎      :「(うむ、まずお金儲けの基本は投資だね。儲けるにはお
        : 金を使って何か始めないと。しかしこの程度の資金で何
        : をしようと?)」
 栞      :「(…あるわ。たった一つの冴えたやりかたが)」


パチンコ店内
------------

 そしてパチンコ台の前に座る彼であった。まだ昼間なので店内は閑散として
いる。

 鼎      :「(これが冴えたやりかたねぇ…)」
 栞      :「(素晴らしいとは思わない?"あれ"を使えばローリスク
        : ・ハイリターンが実現できるのよ)」
 鼎      :「(もっと真っ当な方法を期待した私が馬鹿だったよ)」
 栞      :「(職能って言葉があるじゃない)」
 鼎      :「(酷い屁理屈だね)」

 要するに異能のことである。

 鼎      :「(店員連中の視線がとても痛かったんだが…)」

 そりゃそうだ、昼間っから若い娘(のように見える人間)が来るところではな
い。

 栞      :「(生きる為には仕方がないことよ。補導されないうちに
        : とっとと片付けましょ)」

 そう言いつつサングラスを外す。青い右目と赤い左目が露になる。非常に目
立つので普段はサングラスが欠かせないのだ。

 栞      :「(力学的短期未来予測開始…最大予測時間を4秒に設定、
        :周辺環境の解析を完了…)」

 つまり弾道が予測できるというわけである。ちなみに傍から見ればただ単に
真剣に台を見ているようにしか見えない。

 そして数分後…

 栞      :「(むきぃぃぃぃ)(怒)」
 鼎      :「(いくら弾道がわかっても手元の精度が低けりゃねぇ)」
 栞      :「(あぅぅ…ぅぅ…エアガンなら百発百中なのにぃ)」
 鼎      :「(バチがあたったんだよ。おとなしく諦めなさい)」
 栞      :「(そうだ、あれ、あれをやってみよう!)」

 指差した先はパチスロ台。

 鼎      :「(店の作戦にまんまと引っかかってないかい?)」
 栞      :「(パチスロがパチスロとして成立している所以は何だと
        : 思う?)」
 鼎      :「(必ず胴元が儲かるトコロ)」
 栞      :「(…まぁいいわ。要するにドラムの回転を遅くすればい
        : いのよ)」
 鼎      :「(つまり私に働けってことですか)」
 栞      :「(ご名答)」
 鼎      :「(あぁ、こんな心根の腐ったことに手を貸すなんて)」
 栞      :「(いいからとっととやりなさい)」
 鼎      :「(領域展開。…光速度、万有引力定数、プランク定数取
        : 得…あぁ眩暈がする)」
 栞      :「(領域内の時間の速さを通常の30%に設定して)」
 鼎      :「(今気付いた。真に貧しいのは君の心だよ)」
 栞      :「(うふふふ…)」

 ドラムが回転をはじめる。邪眼の能力によって速度は三割しか出ていない。

 栞      :「おりゃぁぁっ!」

 そして見事7が三つ横に並んだのであった。


そしてまた公園
--------------

 日は大きく西に傾き、辺りに夕暮れが訪れるころ…

 栞      :「うふふふふっ(喜)」
 鼎      :「(所持金が十倍以上に増えたら急に態度が変わったね)」
 栞      :「(持てる者と持たざる者ってね)」
 鼎      :「(いい加減なことを言いなさんな)」
 栞      :「(それにしてもあたしって天才)」
 鼎      :「(収入が無い場合だけの非常手段だぞ、これは)」
 栞      :「(わかってるわよ、さすがにパチプロ浪人生なんてシャ
        : レになってないわ)」
 鼎      :「(さて、早いとこ下宿とバイト先を探さないとね)」
 栞      :「(あー今晩は何食べようかなぁぁぁ)」
 鼎      :「(食い気もほどほどになさい)」

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で、この後ベーカリーへ、という構想です(笑
下宿とバイト先を募集しております(ぉぃ

    

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