[KATARIBE 21320] [HA06P] エピソード『オフの日の風景』

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Date: Fri, 23 Feb 2001 00:52:42 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 21320] [HA06P] エピソード『オフの日の風景』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200102221552.AAA66264@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 21320

2001年02月23日:00時52分40秒
Sub:[HA06P]エピソード『オフの日の風景』:
From:E.R


こんにちは、E.R@どとーのように現在書いてます です。
#いあー、出張前に書けなくってねえ…………
##……って、手紙を書かねば(汗)

というわけで、IRC発EP。

*************************************
オフの日の風景
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登場人物
--------
 平田亜戸
 朱晃
 本宮幸久
 観海珠州子(みうみ・すずこ):ごく平凡な女子高生。でも鯖はさばける。

本文
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1.従業員のいない喫茶店
------------------------

 珠州子    :(………じー)

 休日である。
 当然、学生は学校に行く義務を負わない。
 ……だからといって、喫茶店を覗く必然性もないのだが。

 珠州子    :(お休みか(がっかり))

 数度入ったことのある喫茶店は、硝子越しにも薄暗いことが見て取れる。
 薄暗い……のだが。

 珠州子    :(・_・)
 
 扉の中は、しかし何となく明るい。

 平田     :「……」(黙々と戦闘)
 珠州子    :(なんか奥でぴこぴこしてるー)

 ぴこぴこしてるって表現がなんというか……
 とりあえず、ぴこぴこゲームをやっている人には、見覚えのあった珠州子で
ある。

 珠州子    :(黒いおじさんだ)

 おじさんと言うほど老けてはいない気もとてもするのだが……
 と。

 平田     :(突然パッドを投げ捨てる)
 珠州子    :(へけっ?!)
 平田     :(何事かうめきながら手近な椅子にやつあたり)
 珠州子    :(びくびくびくっ)

 ……いーから。
 喫茶店の硝子戸から中覗いて、怯えるのは止めなさい>珠州子
 #というか、恐いなら逃げろ。

 珠州子    :(……な、なんだろうこわいっ)
 平田     :(ぴくっ)

 と、その動きが止まった。

 平田     :(ぎろり)

 視線が、射貫くように(珠州子主観)硝子戸のほうを向く。

 珠州子    :(きゃああああっ)

 思わず身を引いた珠州子に構わず……というか構ってというか、

 平田     :(ずかずかずか……バタンッ)

 ドアがえらい勢いで(珠州子主観)開いた。

 珠州子    :「ふみゃああああぅっ」
 平田     :「……なんだ。こないだの奴か」
 珠州子    :(あうあう……(;_;))
 SE     :へちゃん

 あんまり驚いたので、座り込んだらしい。

 平田     :「何を座り込んでいる」
 珠州子    :(だ、だってこわいー(もう涙目))

 だからなんでそこまで恐がるのだ>珠州子

 平田     :「接客業に向かない店員なら留守だぞ。買い物に出た」
 珠州子    :「は……はい、そーですか……」

 流石に座り込んでいるのも気が引けたらしく、えいしょ、と、立ち上がって。

 珠州子    :「……ありがとうございます(ぺこり)」
 平田     :「そのうち帰ってくると思うぞ。そのへんに座って待って
        :たらどうだ」(ずかずかずか)

 それだけ言って、また元の席に戻る。
 またゲームに戻るらしい。

 珠州子    :「は…はいぃ……(う、うにゃあ帰ろうと思ったのにっ)」

 ならばさっさと帰るべきである。

 珠州子    :(とてとてとて)

 といって、逆らうのはとてもおっかない(珠州子主観)ので。

 珠州子    :(座っている)

 ……そんなに恐いなら、平田氏の隣に座る必要は無いわけなのだが。

 平田     :(黙々)
 珠州子    :(なにやってんのかなー(こっそり覗いている))
 珠州子    :(……ぴこぴこげーむだ)

 五人ほどのニ頭身キャラが画面の半分ほどもあるえぐいデザインの敵と戦っ
ている。

 珠州子    :(……なんか敵がおっきい(汗))

 いつのまにか、身を乗り出してみてたり。
 勿論、その手の視線に構う平田氏ではない。

 平田     :「ぐぬっ」
 珠州子    :「?」

 何か敵が派手なエフェクトの攻撃をして、キャラがバタバタ倒れるシーンが
画面の中にっ!

 珠州子    :(あううー)

 かあいそうっと思ったらしい。

 SE     :ピコーン

 生残りのキャラの頭に電球が出る。

 珠州子    :(あにゃ、光ってる)

 平田氏の手が動く。
 キャラがなんだかものすごい攻撃をぶちかます。

 平田     :「クククク」
 珠州子    :(あ、頑張れーっ)

 応援している間に、とんでもないダメージが表示されて敵は死亡。

 珠州子    :(黒いおじさん凄いなあ……)
 平田     :(ぬふー)

 平田氏は満足げに椅子にもたれてタバコをふかす。
 数瞬の、ゆったりとした間の……直後!

 SE     :ばーーんっ!

 ドアが蹴り開けられたっ!

2.鯖とあんこう
----------------

 珠州子    :「ひうわっ(良く分からん声をあげる)」
 平田     :「やっと帰ってきたか」
 朱      :「むっ、客が来てやがる(ぎろ)」
 珠州子    :(あ、あうあうあう………(;_;))

 椅子の上で縮こまっている珠州子を見て、店長は微妙に表情を変えた。

 朱      :「…あぁ、こないだのか」
 珠州子    :「………はい(思いっきり小声)」

 そのまま、発泡スチロールの箱を持って入って来る。

 珠州子    :(こないだのこないだのってー(;_;))
 平田     :「なんだ、魚河岸にでも行ってきたのか?」
 朱      :「まぁ、そんなところだ……で、ふむ……(じろじろ)」
 珠州子    :(びくうっ(椅子の背にへばりついている))
 朱      :「料理は得意か?」
 珠州子    :(ぶんぶんぶんっ(首を横に振る))
 朱      :(にやり)
 平田     :「また、客を脅かしているな」
 珠州子    :(ふみゃあああっ(;_;))
 朱      :「ふふん。そういう事を言うと、食わしてやらんぞ」
 平田     :「出されなくても食う」

 なんとなく、恐い人二人のやり取りを、目で追っている珠州子の目の前に。

 朱      :(どんっ)

 寒サバの良いところが箱から出てくる。

 珠州子    :(ふみゃっ)
 平田     :「ぬ。なかなかよいものだ」

 それも、一本丸ごと。

 珠州子    :(うわ、おっきい(・_・))

 目を丸くしてみている珠州子に。

 朱      :「なんか作ってみろ」
 珠州子    :(ぶんぶんぶんっ(首をもっと横に振る))
 平田     :「……いきなり無茶を言う奴だ」

 平均的女子高生に、鯖をさばく技能があるかどうか。
 ……微妙なところである。

 朱      :「ちっ、しょうがない。じゃあ、選択肢をやろう」
 珠州子    :「…………はあ(小声)」
 朱      :(一旦外に出て、また別の箱を持ってくる)
 珠州子    :(でもでもっ、なんで喫茶店に寒さばなんだろうっ)

 それは根本的な疑問かもしれない。
 ……大概、役に立たない疑問でもあるのだが。

 朱      :(どんっ)「こいつとどっちが良い」

 蓋を開ければ、アンコウが。

 珠州子    :(ぶんぶんぶんぶんっ)

 いつもより多めに首を振っておりますー(おい

 朱      :「ちっ、つくづく我が侭な奴め……」
 平田     :「丸ごと一匹捌くなんぞ、今日日主婦でも出来る奴は少な
        :いぞ」
 朱      :「なら、手伝え。それくらいは出来るだろう」
 珠州子    :「…………はいぃ……(ひうわーんっ(泣))」

3.お手伝いと鍋としめ鯖と
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 さて、店長のまずやったことと言えば。

 朱      :(なぜかある天井のフックに引っかけてつるし切り〜)
 珠州子    :(引いている)

 つるし切り。
 ちょっと……こう、服が汚れそうというかなんというか。

 朱      :「ん、なんだ」
 珠州子    :「……なんでもないです(かのなくよーな声)」
 平田     :「エプロンか何か貸してやったらどうだ」
 朱      :「あぁ、そうだな……」
 平田     :「魚の血にまみれた服で外を歩くのもなんだろう」
 珠州子    :(;_;)

 黒いおじさんいい人だなあ、とか思ったらしい(爆)

 SE     :ごそごそ
 朱      :「ほれ」
 珠州子    :「あ、ありがとうございます……」

 手渡されたのは、黒ねこさんのエプロンである。
 意外と可愛い。

 珠州子    :(・_・)
 
 店長さん、よくわかんないとか思ったらしい(おいおい

 朱      :「オーナーの趣味だ」
 珠州子    :「……そーなんですか……」

 オーナーなんていたのかっ(おい)
 まあとりあえず、黒猫のエプロンを身につけて。

 珠州子    :(なんかがんばろー、とか思ったらしい(単純))
 朱      :「鯖は〆鯖にしちまうか」
 珠州子    :「はいっ」
 珠州子    :(しめさば好き(^^))

 三枚におろして、塩振って、酢につけて。
 それなりにやったことのある作業を、黙々と珠州子は進める。
 その横では、店長により、鮟鱇鍋の準備が着々と。
 ……何時の間にやら鯖を任されている珠州子であった(気が付けよ)。

 平田     :「なんだ、ちゃんと出来ているな。謙遜し過ぎだ」
 珠州子    :(・_・)
 幸久     :「まーそう手際もわるくねーみたいだな」
 珠州子    :(へけ?!)>幸にーちゃん
 平田     :「……いつのまに」

 何時の間にやら、お客さんもう一人(笑)。

 朱      :「アンコウに誘われたんだろ」
 幸久     :「今日は友引だ」

 葬儀屋は友引はヒマだ(笑)

 平田     :「確かに友引に葬式する奴はいないだろうな」
 珠州子    :(……お葬式の人?)

 葬儀屋という職業が、ぱっと浮かばなかったらしい。

 朱      :「今日は何も憑いてきてねーんだな(ざこざこ)」
        :<野菜切ってる
 珠州子    :(付いてきてる?)

 漢字変換がちょっと違います。

 幸久     :「今日はお供はナシだ、静かだろ?」
 珠州子    :(お葬式の無い日に暇な人で、お供がいつもいる人…)

 なんかどんどん初期情報が劣化している気がする……

4.鍋だ鍋
----------

 朱      :「さて、鍋初めっぞ」
 珠州子    :(ふみゅ)

 酢につけて、皮をむいて。
 とりあえず完成……だろうか。

 幸久     :「おー好物じゃねーか」
 朱      :「とりあえず、金出せ。亡者ども」
 平田     :「いくらだ」

 平然と受ける社会人’Sに対し。

 珠州子    :(え、お金……(おろおろっ))

 あんこう鍋と、しめ鯖。
 如何にも、高そうである。

 朱      :「1000円」
 幸久     :「おう(財布から一枚)」

 1000円。
 はっきり言って、破格に安い。
 流石に、珠州子の手持ちの金額以下ではあったのだが。

 珠州子    :(あ、あう……)
 平田     :「ほれ」(さっ)
 珠州子    :(えとえと(席に置いた鞄の中を探っている))
 朱      :「あぁ、お前は良い」>じょーちゃん
 珠州子    :「へ?(・_・)」

 鞄から引きずり出した財布を持ったまま、目が点状態になった珠州子にそれ
以上構わず。

 朱      :「とりあえず、食うぞ」
 平田     :(もう食っている)
 珠州子    :(………はにゃ)
 幸久     :「いっただきまーす」
 珠州子    :(てけてけてけ……ぺたん)<何となく座っている

 遠慮無く食べている一団につられて、座ってみたはものの。

 珠州子    :(何となくどーしてよいのかわからんで困ってる)

 お箸を片手に、ほけらーっとしていた珠州子をグラサン越しに見やって。

 幸久     :「…食わんの?」
 珠州子    :「あ、えと、あと…(わたわた)…いただきます(礼っ)」
 朱      :「(ぽむっ)……飯を忘れてた」
 朱      :(おひつを持ってくる)
 珠州子    :(・_・)

 何かこう、間違えているというか変だなあ、とは思ったのだが。

 珠州子    :(た……食べよう、とりあえず)

 正しいかもしれない。

 珠州子    :(もふもふ)
 朱      :(がっがっがっ)
 幸久     :(がつがつ)
 平田     :(ばくばく)
 珠州子    :(もふ……)

 しかし、ふと気がついてしまうと。
 喫茶店の中で、四人が鍋囲んで食べている図というのは……

 珠州子    :(……なんか変かも(汗))
 幸久     :(もぐもぐ)
 朱      :「食わんと無くなるぞ」
 珠州子    :「あ、はいっ(汗)」
 朱      :(ずるずるっ)

5.今日はここまで
------------------

 さて。
 腹八分目になれば、大概人間、食べる以外の用途で口を使用するものである。

 珠州子    :(……なんかいっぱい食べたなあ)

 こと、と、お箸を置いた珠州子の横で。

 幸久     :「なかなか、いけるな(ずずっ)」
 平田     :「やはり肝がうまい」(ばくばく)
 朱      :「明日は蒸し物にでもしてみるか(もぐもぐ)」

 朱      :「それとも、今食っちまうか。どっちにするか」
 珠州子    :(・_・)<まだ食べられるのか、と思ったらしい(おい
 幸久     :「蒸し物か、食ったことねえな」
 幸久     :「けど、まだ食えるしなぁ」
 珠州子    :(・_・;;)
 朱      :「とりあえず、今はやめておくか」
 平田     :「まあ、腹八分という事もある。楽しみを残しておくのも
        :いい」
 幸久     :「ま、そーだな」
 珠州子    :(なんとなくほっ)

 しかし。
 ここでほっとする……という心理の中に、既に、明日のご飯の面子の中に自
分が入っているという前提がある……ような気がするわけだが。
 珠州子は気がついていない(めでたいんだかなんなんだか(^^;;))。

 珠州子    :「……ご馳走様でした」

 お箸を揃えて置いて、合掌してそう言った珠州子に。

 朱      :「ご苦労さん、土産だ」
 珠州子    :「……へ?」

 と言って、立ち上がった店長が取り出したものは。

 1.アンコウの切り身(といっても大きいけど)
 2.〆鯖の切り身

 珠州子    :(・_・)

 3.アンキモの友酢あえ
 それらをさかさかと、丈夫そうなビニール袋に入れて、手渡される。

 珠州子    :「……あの、いいんでしょうか、こんなに(汗汗)」
 朱      :「バイト代だ」
 珠州子    :(・_・)

 バイト代……と言ったところで。
 やったことと言えば、鯖をさばいて〆ただけ。

 珠州子    :(・_・;;;;;)

 貰いすぎのような気がするのが、普通だろう。

 珠州子    :「………あの、こんなに頂いて良いのでしょうか(こごえ)」
 朱      :「ん?不満か」
 珠州子    :(ぶんぶんぶんっ(首横振りっ))

 逆なんです……と言いかけて、止める。
 何となく、負けそうな気がした……らしい。

 珠州子    :「……ありがとうございます(ぺこり)」
 朱      :「ん、ご苦労さん」
 幸久     :「ってか、バイトいれたん?」
 珠州子    :(ぶんぶんぶんっ(首横振りっ))

 そこまで否定せんでも……

 平田     :「一応、客だぞ」
 朱      :「くかかかか」
 珠州子    :「ありがとうございました(もういちど、ぺこり)」
 朱      :「ん」

 袋をまとめて、両手に持って。
 そして喫茶店の扉を開けて外に出て……

 珠州子    :(あ、でも母さんに何て言おう(汗))」


時系列
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 2001年1月の休日。

解説
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 IRC発、よどみーず風景(って何なんだか)。
 
***********************************

 いじょ。
 加筆修正、人物紹介、等々、宜しくです>おおる。
 であであ。



    

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