[KATARIBE 21137] Re: [HA06P] 怪我をして温情に感謝する

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Date: Wed, 20 Dec 2000 13:43:36 +0900
From: DSSW Miyachi <dssw_miyachi@yasu.screen.co.jp>
Subject: [KATARIBE 21137] Re: [HA06P] 怪我をして温情に感謝する
To: kataribe-ml@trpg.net
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ど〜も。
総統です。

 忘れないうちに担当範囲を片付けときます(w
 しかし、ほかのPLのキャラが出てきて、まともに動いているEPなんて当分書い
てないですのう。修正等あればよろしくおねがいします。

> ****************************************************************
> エピソード『怪我をして温情に感謝する』
> =============
> 登場人物
> --------
> 坂本麻依子:
> 珠洲子:
> 朱晃:

 平田阿戸(ひらた・あど)	: 吸血鬼ハンターにして歩く銃刀法違反。
豚汁が好きらしい。

**********************************************************************

何処か違う人々
--------------
 一方、店内。
 ジャーンとかゴスッとか尋常でない物音がした後も、特に変わった様子はな
い。

 平田     :「なんだか表がさわがしいぞ」(もぐもぐ)
 朱      :「事故だろ」(ぐつぐつ)
 平田     :「じゃあ、しょうがないな」(ずずー)

 何がどう「しょうがない」のかは不明だが、そういう結論に達したらしい。
 それでも、多少は気になるのか、左手に椀を持ったまま席を立ち、平田はド
アのガラス越しに外の様子をうかがう。

 SE      :バタンッ

 珠州子    :「す、すみませんっ……あのすみませんっ」

 そこへ、ひどく慌てた様子の珠州子が入ってきた……のだが……。

 平田     :「事故の人が転げ込んできたぞ」(ずずー)
        :「なんとかしろ店員」

 平田は豚汁をすすりながら投げ遣りに言い。朱も面倒くさそうに鼻を鳴らし
ただけである。

 麻依子    :「あぁぁッ……とそのー、その店はやめといた方が……
        :(ぼそぼそ)」
 珠州子    :「……え?……(汗)」
        :「いえあのでも、血止めしないと……あの申し訳ありませ
        :んっ」
 麻依子    :「(うわぁー……逃げよ……)」
 珠州子    :(はしっ)

 怪我人が嫌がったり、店内の対応が常識的でなかったりと、珠州子は多少戸
惑ったが、とりあえず怪我の治療が最優先であると判断したようだ。常識人で
ある。

 平田     :「あー、ひどいなコレは」

 平田は椀を手にしたまま、麻依子のそばに立ち、朱に聞こえるようにそんな
事を言った。

 朱      :「しょうがねぇな」
 麻依子    :「(ヒィー)」
 朱      :(ごそごそ)
 珠州子    :「えと、消毒液とかもしありましたら、貸して頂けません
        :かっ」
 朱      :「止血帯と消毒液。あと包帯だ。勝手に使え(どん)」
 珠州子    :「あ、ありがとうございますっ(礼っ)」
 麻依子    :「(ペコリ)」

 さて、必要なものは出てきたものの、珠州子はどこから手をつけたものか戸
惑っているようだ。

 珠州子    :(……で、でも、止血帯ってどやって使うんだろう)

 とはいえ、(見た目には)大怪我で出血も多い怪我人を前にして手をこまねいているわけにもいかず、気ばかり焦っている。
 と、不意にまだ湯気の立っているお椀が突き出された。

 平田     :「出血が多いから大怪我に見えるだけだ。これ持ってろ」
 珠州子    :「あ、はい………え?」

 なんとなく受け取ったものの、不可思議なものでも見るように眺めている。

 平田     :「それにしたって、派手な出血だなこりゃ」(てきぱき)
 麻依子    :「あ、ありがとう……」

 手際よく止血帯を頭に巻き、切り取った包帯と消毒液で傷口を拭く。普通は
痛がらないが気にするものだが、必要なだけ傷口を消毒し終えると、さっさと
新しい包帯を巻いていった。手慣れたというよりは機械的である。

 平田     :「まあこんなものだな」
 珠州子    :「……うわあ」

 平田は作業をすませると、手際のよさに素直に感心している珠州子に向かっ
て手を突き出した。

 平田     :「豚汁」
 珠州子    :「あ、はいっ」
 麻依子    :「人として問題あるけど、料理はうまいよ。あの人」
 珠州子    :「…………そうなんですか?」
 麻依子    :「そうだよね」
 平田     :「まあそうだな」(ずずー)

 豚汁をすすりながら答える。確かに豚汁はおいしそうだ。

 朱      :「まぁ、そうだな」

 その後ろで、朱が皮肉っぽく繰りかえすようにいった。

 珠州子    :「……………(うわなんかこわいようっ(;_;))」
 麻依子    :「……(くそ、聞いてやがった)」

 いつのまに、と少し驚いたようだったが、麻依子は聞こえよがしに、

 麻依子    :「人としてはほんと問題だけどね」

 と言った。

 珠州子    :「えーとえと、えとあの……(ど、どーしよっ)」
 平田     :「元気そうでなによりだ。俺は飯にもどる」(ふらり)
 珠州子    :「あ、ありがとうございますっ」

 平田は後ろ手に手をふって、カウンターの席に戻る。

 珠州子    :「で、えとあの、これ、ありがとうございましたっ」
 朱      :「ふん」
        :「クックック、人でなしの飯で良ければ食ってけ、怪我人
        :と加害者」

 朱は無愛想に包帯と消毒液を受け取り、人の悪い笑顔で一応気遣いを見せて
いるようだ。

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ではまた。
    

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