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Date: Wed, 13 Dec 2000 17:59:16 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 21095] [HA06P] 『ひと声』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200012130859.RAA89254@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 21095
2000年12月13日:17時59分16秒
Sub:[HA06P]『ひと声』:
From:久志
久志です。
とりあえずネタは熱いうちに投げろ。
ということで、さくっと幸久EPを投げてみます。
日常のヒトコマってことで
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『ひと声』
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本宮幸久(もとみや・ゆきひさ)
:本宮和久の兄、葬儀社勤務。妙に霊感のある軟派にーちゃん。
読経の合間
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聞いてるだけで眠くなりそうな読経の声が抹香くせえ部屋に響いている。
就職一年目とはいえ、大学時代からバイトを続けてた分、辛気臭え空気も
さほど気にならない。まーだからってダレた態度とってっと客から苦情がく
るんだが。
ちら、と目線だけずらして腕の時計に目を走らせる。少し焼香が長引いて
いるらしい、出棺の予定時間が少し遅れている。一応火葬場へは余裕もって
着けるように時間調整しるが、ことが葬式、あまりきつきつな予定で進めた
かねえ。ともあれ、一旦席を外して先回りしとく。
「ユキさん、まだっすかね?」
「んーちぃっと坊主が張りきってるみてーだな」
「あーはいはい、いやまだ、余裕はありますがね」
「終わったらすぐそっちまわすから、まー頼むな」
「了解っす」
まあ、親族来賓のいねえ場だからこんな会話もできるわけで。
会場へ戻ろうとした時、ふと、縁側のある廊下にぼんやりと空を見上げた
ジジイが腰掛けていた。
まあ。
そーいう場だしな。
「じいさん」
ゆっくりとジジイがこっちに顔を向けた。
「出棺だぜ」
「ああ、そうかい」
よっこらせと、体を起こした。
「……そう悪くないもんじゃったな」
「そいつは幸いだ」
差し込む日差しの中に溶けるように、さらりと消えた。
「じゃあな」
解説
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葬儀屋の仕事中、出棺前に故人に一声かける幸久。
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いじょ
なんか最後がうまくきまらんのう