[KATARIBE 21092] [HA06P] 『通り掛かりの葬儀屋』

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Date: Tue, 12 Dec 2000 22:41:45 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 21092] [HA06P] 『通り掛かりの葬儀屋』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200012121341.WAA45887@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 21092

2000年12月12日:22時41分44秒
Sub:[HA06P]『通り掛かりの葬儀屋』:
From:久志


 久志です。
さくさくとEPってみる。
 ついさっきキャラチャった出来立てほやほやなり

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『通り掛かりの葬儀屋』
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 本宮幸久(もとみや・ゆきひさ)
     :本宮和久の兄、葬儀社勤務。妙に霊感のある軟派にーちゃん。
 朱晃(あけ・あきら)
     :攻性の護衛が主な探偵、たまに喫茶『あげは』の店番をしている。


不定期稼業
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 コートの襟を立てる。
 それでもマフラーのひとつも巻いてないおかげで首筋に風が吹きこんでピリ
ピリ冷える。このコートも就職祝いにもらったモンだがいーかげんコイツもく
たびれてきたかもしんねえ。俺としちゃ、マフラーのひとつでも編んでくれる
カノジョが欲しいところだ。

 今日は仕事ナシ。
 そも、いつはやるかなんてわかんねー仕事だ。もっとも一般では俺らの仕事
なんざはやらねえに越したことねえし、かといって一生仕事が無くなるモンで
もない。それでも夏場や冬場は統計で言えばかきいれどきらしい、夏は水死、
冬は風邪をこじらせての病死もしくは凍死。とりあえず、いつ駆り出されても
いいように制服だけはいつもの通り、所構わず黒一色。普段の服選びに困らな
いのはいーんだが、どうにも辛気臭えし、いらん輩がわさわさ寄ってくる。

 幸久     :「ほら、おめーらついてくんじゃねぇ」

        :『……(ざわざわ)』

 肩がふい、と軽くなる。どうにもこの職についてからというもの、やたらと
あの世の輩に好かれるようになったらしい。おかげでどこへいっても肩が重く
てしかたがない。

 それにしても今日はえらくさみい。ちと珈琲の一杯でも飲んで暖まりたい所
だが、こんなときに限って某法則にのっとって自販のひとつも見かけねえ。
 さみーなチキショウ。


あげは来店
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 朱      :「はい、らっしゃい」

 喫茶「あげは」
 寒さに負けて、と言ったらそれまでだが。適当に目についたサテン。勿論今
まで入ったこともねえ。つーか入っといてなんだが、カンジわりぃ。どう見て
もカタギに見えねえゴツイオヤジがカウンターからオレを一瞥する。おいおい、
このオヤジどう見たってヤー公だぞ。
 ともあれ、入っちまったからには、そのまま回れ右するのもシャクなんで、
わざわざカウンターの前に座ってやる。

 朱      :「……注文は?」
 幸久     :「んー、おっちゃんなんかオススメある?」
 朱      :「珈琲」
 幸久     :「んじゃ、それ」

 顔はアレだが、どーもふつーの店員っぽい。ちょっと期待して損したな。

 朱      :「あいよ」
 幸久     :「あー、さみー」

 口に含んだ珈琲がじんわりと熱い。まあ、及第点だろ。

 幸久     :「おっちゃん、メニューなんかある?食いモンで」
 朱      :「ほれ」

 無造作にカウンターの脇に置いてあるメニューを放り投げてくる。ふん掴ま
えてぱらぱらと手製らしいメニューを手繰った。
 どこの喫茶店でもありそうなトースト、サンドイッチ、スパゲティの名前が
羅列している。

 幸久     :「あ、これ、メンタイ卵パスタ」

 とりあえず、奇妙な奴からトライ。

 幸久     :「ついでに大盛りできる?」
 朱      :「100円増しな」
 幸久     :「おう」

 ごつい様相に似合わずてきぱきと手を動かすオヤジ。まあ、匂いも悪くない。
味には少し期待しておこう。

 朱      :「はいよっ、明太カルボナーラ大盛り。お待ち」
 幸久     :「サンキュ。あ、悪ぃけど箸くんない?」
 朱      :「しょうがねぇな……ほれ」
 幸久     :「おう」

 って、出てきたのが竹の塗り箸。ふつー割り箸じゃねーか?……まいいけど。

 丁度、カラカラとドアベルが鳴り、ヘンな茶髪メッシュが入ってきた。

 鐘継     :「よう、ケーキ食うか」
 朱      :「変なもんなら殴り殺すぞ」

 これってサテンの店員と客の会話かよ。

 朱      :「何処でケーキなんぞ買ってきたんだ?」
 鐘継     :「知り合いの女子大生にもらった。日ごろの行いの違いや
        :で(w」

 ていうか、ふつー店にもってくるか? って、ジョシダイセェだあ? ちき
しょーオレによこせっつーの。

 朱      :「ならいらねー。勝手に食って毒で苦しめ」
 鐘継     :「カカカ」

 どーにも奴はここの常連らしい。気にした風もなく慣れたように煙草をふか
し始めた。その奴の手の上にコーヒーカップが置かれた。

 朱:「こぼすなよ(ククク)」

 どーいう店員なんだか。
 ともあれ、この明太カルボはなかなかうまい。

 幸久     :「さんきゅー、これマジうめえよ」
 朱      :「おう、そりゃ良かった」

 ま、カルボもまずまずだし、店員もある意味おもしれえ。話のネタにもっか
いくらい食いにくるのも悪くない。代金をきっちり数えてカウンターに置く。

 幸久     :「またくるぜー」
 朱      :「はい、まいど」

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いじょ

 まー促成EPなんでこんなもんだ。



    

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