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Date: Tue, 12 Dec 2000 21:27:19 +0900
From: "isana ." <isana__@hotmail.com>
Subject: [KATARIBE 21088] Re: [HA06P] エピソード『マンドラゴラの根の購入について』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <F30aJrHREKyQARlWMce0000716d@hotmail.com>
X-Mail-Count: 21088
勇魚です。
gallowsさんこんにちは、ご来店どうもありがとうございます。
というわけで続けます。
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玉緒 :「……ここ、マンドラゴラの根、買えますか?」
ユラ :「はい?」
玉緒 :「こういうの……」
どこから出したのだろう、手に一輪の不気味に青い花を握っていた。そして
微かに漂う腐臭。なんだかとても不吉なものが天から降ってきてしまったらし
い。
ユラ :「ええと……」
お取り扱いしておりません、という言葉を喉の際で押しとどめて、ユラは花
に手を伸ばした。
ユラ :「それ、見せていただけます?」
不吉であろうがなかろうが客は客に違いない。そくそくと背骨から染み出す
寒気をこらえて、花を手に取った。指先がちりりと痺れた。
ユラ :「ああ、これなら」
玉緒 :「あるんですね?」
ユラ :「今、在庫を確認します」
少々お待ち下さい、と言い置いて、調剤室の入り口にかけてある白衣に袖を
通す。……嘘のように寒気が鎮まった。
調べもせずに、来た客を帰せるものか。
調剤室の奥、封印された小箪笥。
今まで、中身を足すとき意外に封を切ったのは一度だけ。そのときは……
玉緒 :「……」
ユラ :「……あ」
いつのまにか少女が調剤室の扉からじっとこちらを覗き込んでいる。
ユラ :「こちら、薬剤師以外の立ち入りはご遠慮……」
玉緒 :「……」
云い終わらないうちに少女はまた、ふい、とガラスの向こうの影の中に沈ん
だ。
吐息をひとつ。無造作に箪笥の封を切った。
いくつもの小引出しを順に開けていく。いくつもの紙包み。白いもの、黄ば
んだもの、触ったら瞬時に朽ちて解けて消えそうなもの。古びた紙のにおいの
奥に……。
くん、と鼻に意識を集中する。
青い花のにおい。それから、微かに甘く鼻を刺す……におい。
紙包みが三つばかり、紐で括られている。まだ新しい。そういえば、前々回
師匠の家にご機嫌伺いに行ったときに受け取ったのだっけか。
包みを開く。
人型の、妙に半乾きの、根。
あの師匠、どこからこんなものを。
……まあいい。師匠などという人種にろくなものはいないのだ。ここは素直
に感謝しておこう。
ユラ :「こちらで、よろしいでしょうか」
紙包みを持って、店に出た。
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というあたりで。
ご満足いただける品だとよいのですが。
たぶん、マンドラゴラの根くらいならメジャー(?)なものですし、
置いているでしょう。
あまりレアなものになると「お取り寄せ」になるかも。
……けっこう冷静に対応してます。
まぁ、薬屋のほうはこういう客商売ですし。
とりみだすのは玉緒さんが帰ったあとからかも。
口調、行動に修正などありましたらよろしくお願いします。
では。
isana <isana__@hotmail.com>
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