[KATARIBE 21047] [HA06P] エピソード『晩酌』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Thu, 30 Nov 2000 17:34:02 +0900
From: アキト <akito@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 21047] [HA06P] エピソード『晩酌』
To: "[kataribe-ml]" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <200011300833.RAA28221@fsinet.or.jp>
X-Mail-Count: 21047

はぢめてのえぴそどでし。

猫の設定ぼしうちう。
あと、猫は飼ったことないんで、不自然なとこがありましたら、
じゃんじゃん言ってください。

混ざるのもぜんぜんおっけー、です。

**********************************************************************
エピソード『晩酌』
==============================

登場人物
--------
秋石佐和(あきいし・さわ)
    :生きているのに死んでいて、でもやっぱり生きている人。
    :大学2年生。最近までどっかで同棲もどきをしていたらしい。
猫
    :猫です。

呟き
----
その日、風見アパートの一室に久方ぶりの明かりが灯った。

 秋石  :「やれやれ、なんだかえらくひさしぶりだな」

その一言でひとときは静寂が途絶える。
が、部屋はやがてまた圧倒的な静寂に呑み込まれていく。
呟いたところで誰かが応えてくれるわけではないのだ。
わかりきったことだ。
だが、誰かが応えてくれるのではないか、一瞬そう考えたのも事実だ。

 秋石  :「ここはあそこじゃない。
       ……そしていまはあのときでもない、か。」

これもわかりきったことだ。
ただ、今はそのわかりきったことを声に出し、ひとつひとつを本当に呑み込
んでいく、そういう時間なのだ。

 秋石  :「そーいえば、冷蔵庫のなかは大丈夫かな?」

部屋に帰らなくなってから、ずいぶんになる。
これはつまり、それだけ冷蔵庫の食材はほっとかれたということだ。

 秋石  :「まぁ、ほとんど入ってなかったし大丈夫かな。
       そーいや、冷凍庫に干物とかあったなぁ」

冷蔵庫をあけたらビールがあった。冷凍庫には干物があった。
部屋には他にも泡盛やらウォッカやらが備蓄されている。

 秋石  :「干物をつまみに酒でも飲むかね……」
 SE  :プシッ

ビールを片手に台所に立ち、ガスコンロに金網をのっけ、
じりじりと干物を炙りはじめる。部屋に磯の香りが広がっていく。

 秋石  :「窓もすこし開けて…と。おやキミ、どーしたね」

見るといつのまにかベランダに猫が一匹。
干物が目当てなのか、ベランダが彼の散歩道になってるのかは知れない。

 秋石  :「ま、一人で呑むのもなんだし、よかったらどうぞ」

ほぐした干物を皿にのっけて、床に置く。

 猫   :「にー」

**********************************************************************

==========================================
アキト
mail: akito@trpg.net
URL: http://www.trpg.net/user/akts-secertroom
==========================================
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage